閑話 お雑煮
「おもち?」
「そう、おもちだよ。」
竜樹は餅が好きだ。
あんころもちに、きなこもち、みたらしに、醤油海苔、雑煮にお汁粉。
とにかく、ありとあらゆる餅が好きだ。
大福や、すあまなんかも好きだが、今はもちだ。
「はーいお雑煮できました!俺のは関東風だよ。」
俺の母さんが関東の人だからね、とは、王子達には訳がわかるまい。
「ふわぁ!おしるに、しかくいしろいの。」
「いい匂い!」
「だし、の匂いだね!竜樹がすごく探してた魚の硬いの、削ったやつ。」
また、あの削ったやつ食べさせてぇ。あったかいご飯にかけると、くねくね踊るの。お醤油かけると、美味しい。
などとワイワイ話しながら。
「はい!お餅、喉に詰まらせないように、ゆっくり良く噛んでお食べ!」
はーい!
の声に、笑って。
オランネージュも、ネクターも、ニリヤも、ジェム達も、アルディ王子も、並んでお汁の中のお餅を、ハムハムのびーっ、とさせている。
「モグ。のびぃる。おもち、モグ。」
「おいひい!モグ、モグ。」
「ずずーっ。しみるぅ。」
「俺、はじめてたべた、こんなの。」
餅米があって良かった。
年が明けたらやっぱり雑煮。
こちらの国では、静かに過ごす年明けらしいが、雑煮会くらいは良いだろう。
「明けましておめでとう。今年もよろしくおねがいします。」
「あけまして?」
「俺の国の、年明けの挨拶だよ。」
「「「あけまして、おめでとうございま〜す!」」」
みんなと出会えて良かったな。
いろんな事があった昨年。
今年もいい年になりますように。
明けましておめでとうございます
今年ものんびり、よろしくお願いします