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大作戦

「そもそもお二人は、どの程度真剣に考えてらっしゃいます?ちょっと付き合えたらいいな、くらいですか?」

プティの問い質しに、男2人は、ビビっと姿勢を正して。


「私もいい歳だし、お付き合いして、お互い問題ないとなったら、結婚するのを念頭に置いているよ。そもそも、今まで結婚しなかったのだって、心にグッとくる相手がいなかったからだし、その点魅力的に感じる彼女なら、ピッタリだと思うんだが。そして私も、彼女にとって、楽しい家庭をもたらす努力は惜しまない。」

バラン王兄が言えば。


「私とて長年、男やもめ暮らしをしていますが、亡くした妻以外に、心に温かく火を灯す事ができた女性は、彼女しかいない。図書館に来るのが、本当に楽しみなのは、本が好きなのもあるが、彼女の姿が見られるからです。それはそれは大事にするし、私だって、温かい家庭が欲しい。バラン王兄殿下は、音楽があるから、いいじゃないですか。」と、エーグル副団長は牽制した。


「エーグル副団長だって、趣味の読書も仕事の騎士団もあるだろう、私だけ音楽で我慢しろとは、酷いじゃないか。私だって、笑顔と音楽と知性に満ち溢れた、素晴らしいだろう彼女との温かい家庭は欲しい。」


むむむむむ。


「あれですね、これは。」


『求婚♡大作戦』ですね!


「だいさくせん!」

「って、何?」

「くふふ、母上に報告しなくちゃ!」


「ギフトの御方様、何かお考えが?」

プティもニマリと口端を引き上げて、前のめりで揉み手した。


「考えってほどでもないけど、昼食会で、お二人は、正々堂々と、それぞれパージュさんを口説いてみればいいんですよ。テレビ放送や図書館の話をする、隙間に、ちょっとそんな話をする時間もあるでしょう。何となくそんな話になれば、パージュさんの考えも知れるだろうし、まだ告白すらしていないお二人が、一歩踏み出すチャンスですよ。」


そして俺も、知り合ったばかりだけど、あんな風に貶された、優しいお姉さんには、幸せになって欲しいですよ。


「げんき、なくしてたの。おねえさん。」

「あいつ、悪いやつ!」

「女のひとを悲しませる男は、碌な男じゃないです。」


「もし、2人が昼食会で上手くいかなくても、またチャレンジすればいいし、何より、自信を無くしたパージュさんが、2人に大事に思われる事で、元気が出たら、それだけでもいいじゃないですか?」


あと、周りにいる図書館男子たちは、昼食会に立候補しなかった勇気のなさからいって、今回の昼食会では観客に徹すること。パージュさんの幸せが第一です!


「「「「は〜い。」」」」


本を読んでるテイでいながら、周りの男子が返事しつつ手を挙げた。マジで見に来るんかい。


「ギフトの御方様。私プティ、大作戦に協力します。パージュを、どうぞよろしくお願い致します。」

「はい。そしてこれ、多分テレビで放送します。関係した人に許可はとりますけど、基本撮影は入りますので、よろしくどうぞ、裏に隠れる逃げ道もなく、正々堂々と戦って選ばれてこその男道、という事でね。」


「それ、めっちゃ面白そう。」


プティ司書は、指先を口に当て、くふ、と笑うと、竜樹と握手した。


「図書館のみんなに、根回ししときます。館長も面白好きですから、ノると思います!」

「お願いします。何なら、俺の世界の図書館の話や、テレビ放送のナレーションの見本とか、また別の機会で、とか何回か時間取ってもいいですしね。」

「それいいです!単純に興味あってお話ちゃんと聞きたいし、パージュの件も、進みそうだし!」


ミランが、カメラで撮影しながら、グッと拳を握ってニカニカ笑っている。やるぜ、撮るぜ。見逃さないぜ、チームニリヤ。


そして昼食会の時間は迫る。






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