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王子様を放送します  作者: 竹 美津
本編

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574/692

誓います


カスケード子爵家に帰ってきつつある一角馬車は、2台である。

なのに、クルヴェット伯爵家キュイエが乗ってきた方の、白い一角馬車は、空で走っていて。

カスケード子爵家から出した馬車に、クラフティの叔父様、ムラングと、キュイエ嬢が、2人向かい合って乗っていた。


「良い感触でしたわね!トランキール男爵家のご当主様も、奥様も。何だかやけに時間を気にされてましたけど。」

「•••まあ、ですね。良かったです。」


口を尖らせるとはいかないまでも、何だか了承しかねるブチブチ顔で、ムラングはそっぽを向いて窓の外を見る。

ホッとする我が家である。王都の館も、亡き兄の前当主ナヴェットと、その夫人アルエットとの思い出が深い。

兄なら、兄嫁なら、何と言うだろう、と思えば思うほど、情けなく、そして口ではキツく、キュイエに当たってしまうのだ。


「私一人でもできたんですよ、オリーブ商品の売り込みと紹介のお願いを。むしろ、私の力を軽んじていらっしゃるんですか、キュイエ様•••。」

恨めしげな目になるのも、仕方ないだろう。

だって、ムラングがオリーブ石鹸や、オリーブ葉化粧水のサンプルを出したと同時に、いそいそとくっついてきたキュイエがグイッと前に出たのだ。


「私もこの化粧水は使っていましてね?どうかしら、今日はわざと唇以外は、お化粧をせずに参りましたの。肌の様子をご覧になって奥様!どうぞご遠慮なく、触れて構いませんのよ。オリーブ葉のお茶も、身体に良いって分かっていますの。あら、今日はサンプルがなくて•••失礼致しました、ムラング様、後でお送りできますわよね?」


などと主導権を握って、夫人と主に話を弾ませて、じゃあエステに良さそうだから、鑑定もちゃんと書類を改めて出して、前向きに竜樹様とサテリット商会を通してエステの事業に推薦を•••となって。


有難いけれど、けれど!ムラングの仕事なのに!!


「あら、軽んじてなどいませんけれど、エステって女性が主に対象なんですわよね?」

「そ•••そうですけど。」

ああ、どうしたって、キュイエの方が。


「でしたら、女性の意見が重要なんじゃないかな、と思って。きっとムラング様はお化粧の事やなんかも、勉強し始めたばかりでしょう?男性ですから、まだまだ代理とはいえ疎かろうと、心配になってしまったのですわ!」

口が立つのである•••!

今だってムラングはブスくれているけれど、キュイエはニコニコと笑顔で、いかにも余裕なのだ。


「だからって、心配だからって、あれじゃあ私がバカみたいじゃないですか!!」

そうだ、バカみたいだ。

いや、バカなのか。

ありがとう、って何故か、素直に言えなくて。


馬車から降りて、家に向かう。2人、言い合い、ああ言えばこう返し、こう返せばそう言い、とヤイヤイヤ。カッ、カッと靴音、ムラングは足音を荒くさせながらも。

自分より身長も足の長さも小さくて、歩幅が短いキュイエの歩きの速度を、何となく慮って調整するのだった。先に行ったりしないのだ。


(こういう所が、お優しいのよね)

ウフフ、と言い合いながらニヤけるキュイエである。

妹婿なんて、ちょっと気を抜くと速足になっていたりして、良く妹は置いていかれて怒っている。まあ、喧嘩しながらも仲良しな訳だが。


メイドが先行し自然と誘導して、食堂へと2人の進路を向けさせる。ムラングは言い合いに気を取られて、キュイエは食堂でお茶でもいただこうかしら、と余裕で。

「大体何でいつもいつも、私の仕事の訪問先を知ってらっしゃるんです!」

「ウフフ。素晴らしい、ムラング様思いのスパイがいますので。」


むぐぐぐ。仕事の内容まで知っているのだから、きっとムスティ執事だな、と予測がつく。しかし、「キュイエ様に情報を漏らすなよ!」などという情けない命令は出来ない。

それは、ムラングが、ムスティ執事を従えきれていない、という事ではないか。


「大体、貴方様はお嫁入りのお相手探しにお忙しいはずでしょう!私の仕事など、手伝っている場合じゃないでしょう!今のまま、小姑としてお家に居たら、妹御の婿様がやりづらいでしょうに!」

自分よりやり手の、そう、キュイエは全く良く出来た才能のある人なので•••そんな小姑が常にニコニコ自分の仕事を見守っているなんて。失敗してやしないか、ヒヤヒヤし通しじゃないか。


「あら、心配なら、ムラング様がもらって下されば良いのですわ!ね!良い考えよ!八方丸く収まるってものですわ!」

キャ、と両手を合わせて、華やぐキュイエ嬢は、確かに愛嬌があって、可愛いらしいのだけれど。


「•••わ、私などに嫁したら•••貴女の価値が下がりますでしょう•••。」

ショボ。肩下がる。

「そんな事ないですのに。」

下唇をムッと出して不満げな所も、茶目っ気があって可愛い。

ああ、可愛いんだヨナァ。


「ありますよ。クルヴェット伯爵家の才媛と呼ばれた貴女が。豊かであっても格下の、しかも今は当主代理でも、ゆくゆくは甥っ子を立てて退く、分家になって補助の役に付く男ですよ、私は。そこに嫁すなんて、勿体無いんですよ。」

「そんなの、私が良いと言ってるんですから。」

「ダメです!キュイエ様は、私なんかでなく、もっと素敵な人と結婚されて下さい!」


ギイ、と食堂のドアをメイドが先んじて開けた。

ムラングの言葉が、食堂の中に響いて。そこに集まった、第二騎士団員達、後手に拘束されているがやけに大人しくしているクロクの皆、ムスティ執事に甥っ子のクラフティ、何故かマルサ王弟に、エルフの美少年ロテュス王子、ニリヤ第3王子殿下、ワイルドウルフからのお友達?お嫁のエンリちゃん。それから。

首に宵闇蛇プリッカを巻きつけた、ギフトの御方様、畠中の竜樹。

皆が、ムラングとキュイエに、視線をギュッと集中させた。


あ、とキュイエ嬢が口を開けた。

驚き顔だが、そ、そんな顔したって、言葉を翻したりしないぞ、とムラングは心に決めて、あれ、何で食堂に来たんだっけ•••。振り向けば、え?


「•••お、お客様がいらしていたとは知りませんで、無作法致しました。ご容赦下さい。」

とようよう、口に出した。

ムスティ!ムスティ!!どういう訳だ!と視線を強く送るも、ニッコリした老執事は、クラフティと目を合わせて、ため息を吐くのである。


お、お客様がいるのにぃ!これ見よがしにため息って、ムスティ!ムラングはムムムとなった。が、そもそも若造だと舐められているし、この手強い老執事との舌戦に勝てようはずもないので•••誰になら勝てるんだ、って話もあるが•••頭を押さえて、取り繕うしかない。


「あぁ、あ?あの、テレビで拝見するような方ばかり?あとは民の若者?と騎士団?一体どういう訳でいらしたお客様でいらっしゃいますか?失礼ながら、私、名乗らせていただいても?」


マルサ王弟が、鷹揚に、コックリと頷いて。

「良いよ。名乗りを聞こう。」


胸に手、ムラングは丁寧に礼をして。その後ろにいるキュイエ嬢も、上品にスカートを摘んで目を伏せ、挨拶をする。


「私、カスケード子爵家当主代理をしております、ムラングと申します。そこなクラフティは甥っ子でして、彼が成人するまでの仮の位であります。こちらの女性は、友誼がありますクルヴェット伯爵家の、お嬢様でいらっしゃいます。」

「クルヴェット伯爵家が息女、キュイエと申します。皆様方にお目にかかれて嬉しく思います。」


こういう、どんなに驚いた時も、私を無視しないのよね。お優しいのよ、とキュイエはニマッとした。





竜樹は、精一杯、怒ってるぞーって感じの顔を•••それは普段からの締まらないショボショボ目によって失敗していたが•••何だよ何だよ、と内心だはッとなっていた。

(この2人、仲良しじゃん!犬も食わないってやつ!)


クラフティが、ヒュン、と悲しげな顔をしてブッ刺す。

「ムラング叔父様、またキュイエねえ様の告白をフッちゃったの?そろそろ、お2人は、仲良くしたら良いとおもう。」

「く、クラフティ!」

「そうよねぇクラフティ。キュイエ姉様がお嫁にきたら、クラフティだって嬉しいわよねぇ〜。」


う、うん!

と咳払いをする竜樹である。

いっちょ怒ったるで。というか。


「ムラング様。こちらのカスケード子爵家では、ご当主にご不幸があって、色々と大変でらしたんですね。意見交換会議には、ご出席されなかったと記憶していますので、初めましてですね。ギフトの畠中竜樹と言います。キュイエ嬢には2度目ましてですねぇ。」

「だいさんおうじ、ニリヤです!」

「エンリでつ!」

「知ってるとは思うが王弟のマルサだ。」

「竜樹様のまごころの片割れ、ウフフ、エルフのロテュス第一王子です。」


俺たちは名乗らなくて良いんだよな?と目を白黒させている、クロクのロニー達。それと黙っている第二騎士団員。


「こちらは下街の、ちょいワル少年団クロクの子達、それから第二騎士団の皆さんです。」

竜樹が説明をすればするほど、ムラングの頭の中は、ハテナ?になる。心なしか頭が傾げてきている。

キュイエ嬢は面白そうな顔だ。


「ムラング様。ムラング叔父様。貴方ねえ、いけませんよ。カスケード子爵家は、困った事になりましたよ。」


え。


「貴方が甥っ子のクラフティ君を、何だかんだ、構わずに、肉身を失って悲しく寂しい彼を放っておいたから。最悪の事態になったんです。」

ウンウン、と腕組みをして吹っ掛けたら、そりゃあムラングだって嫌な想像を幾らでもするというものである。

「さ、最悪とは、ど、ど。」

どのような。


「クラフティ君は、お友達がどうしても欲しかったのですね。この年頃の子供が、寂しいのを我慢出来ようはずもないんです。大人がちゃんと、見てやって、包んでやらなければ。彼は、ムスティ執事に頼んで、街のクロク団に、お友達を連れてきて、って頼みました。•••クロク団は市井の子供達を攫って、ここに連れてこようと罪を犯しました。サーカスを使ってね、箱に子供達を眠らせて。箱に子供達、それは事前に判明して、助け出せたのですけど、他にも子供達が攫われているのでは、と犯人を知らず疑った我々はサーカスにて罠を仕掛けました。」


「は?はい?」


なかなか、俄には飲み込みづらい経緯である。だがしかし、クラフティが友達を欲したと。クロク団に頼み、それが犯罪に•••なったと!?

サーっと蒼ざめる。


「ニリヤとエンリちゃんが、そのサーカスの箱に入ってしまってねぇ。罠でありながら、ニリヤは王子、子供達の代表なのだから、そして、エンリちゃんはそのお嫁さんなのだからと、2人身体を張ってそのままにクロク団に運ばれて、やって来たのがここです。第二騎士団も出張るってものですよ。第3王子であるニリヤを攫ってきたのですから、カスケード子爵家は、無事では済みますまいね。」


ギロ、と睨んでる、つもりの竜樹である。

まぁ!?とキュイエ嬢は口元を押さえたけれど•••ん?ムスティ執事はニコニコしているし、クロク団に至っては、何か、えぇぇ?って顔している。クラフティは、キョトンだし、ニリヤ殿下は、殿下は•••あんよをプランプランさせているわね。エンリ嬢は、男装でかわいい。虎のお尻尾くねくねさせて、くぴくぴお茶飲みしている。

緊張感が全くないのだ。

マルサ王弟が、ムスッとした顔だが、何だか•••わざとらしくないかしら?

ロテュス王子は、やっぱりニコニコ。


「これから王宮へ、クロク団を連行します。ムラング様も一緒に願いますよ。いつ帰ってこれますかね。カスケード子爵家存続の危機でもありますが、留守の間、どなたに家を守ってもらえるものか•••はぁ、せめて誰か、家を守れる大人がいれば•••。」


ザッと血の気を失くしたムラングは、周りが見えていない。私が居なくなったら、帰れなかったら、そうしたら、そうしたら、一体どうなる!?誰を頼れば•••。私は良い、どんな目に遭っても。クラフティ、クラフティはどうなる?•••そんなに寂しい思いを。どうしてそんな事を、いや、私が、後回し、後回しに、ああ、あぁ!

私だって兄夫婦を亡くして、いっぱいいっぱいだった。悲しくて、寂しくて、仕事に向かう事で誤魔化して•••クラフティに相対するのを、兄を、兄嫁を、思い出すから避けて。


避けて、いたんだ。


「子供達を救うために、テレビでは身代金を払う放送をしたんです。これはね、仕方がなかった事だけれど、今後、お金目当てに子供達が攫われかねない。そんな、キッカケを作ってしまった。無罪放免とは、いきますまいね。」


真面目な話、その危惧はある。竜樹は防犯ブザーを一般に普及させようと思っている。

誘拐は、リスクが高くて成功率の低い犯罪である。日本ではそうだった。それを、パシフィストでも実現し、誘拐しても全く得はなくて、大体捕まるし、罪も重い、という感じに放送をしておこう。

警察のお仕事の24時間的なドキュメンタリーやるべきか、とも竜樹は考えている。


とりあえず今夜、子供達は助かった、と合わせて、クロクを引き取って責任を取る竜樹、って事を記者会見だな。

と算段しつつ。

チラリとキュイエ嬢を見る。


! と彼女は、分かった。

竜樹が何を言いたいかを。


真剣な顔をして、一歩前に出る。


「ムラング様。今こそ、私たち、結婚致しましょう。カスケード子爵家とクラフティを、私にお任せ下さい。ご心配でしょうけれど、今、今、貴方様をお助けできるのは、私しかいないと、そう思わせて下さい!私、貴方を、クラフティを、助けたいんです!」


ムグッ、と口を引き結んだムラングは、ギュッと目を瞑って。

「•••私は貴女を不幸にする•••!こんな、この騒動が起こったカスケード子爵家に、飛び込んでくるように嫁いで貴女は•••。」


竜樹が、フンっと鼻息を吐いた。

「ムラング叔父様!貴方ね、ここで断ったら、男としてキュイエ嬢を傷つける事になるんですよ!良かれと思って悪かれなんですよ!自分一人で何でも出来るとお思いですか!?そもそも、何でキュイエ嬢を拒絶してるんです?!わーい素敵なお嫁さんが来てくれる!だったら自分がどんな事をしてでも幸せにしてみせる!って•••それくらい、ドーンといきなさいよ!!」

男ならぁぁァ!!


「そ、そんな•••。わ、私は分家になる男ですし•••。劣等感も酷くて•••自分を認めて欲しいばっかりに、才媛のキュイエ嬢に、つい、つ、冷たくしちゃうし•••。クラフティにも酷い事を•••。」

ショボショボ。顔を伏せて、ポツポツ喋る。クラフティが心配して、ズボンの端をクンと引いて、見上げてくる。

「ムラングおじ様•••おじ様は、優しくて、素敵な方です。だから、元気出して。キュイエねえ様は、お嫁に来たら、幸せになると思う。結婚しないまま、お別れして、さみしくするの、良くないよ。」


「けっこん、しよー!」

「けこんするでつ!およめは、うれし、たのしでつから!」

ねー?と顔を見合わせエンリとニリヤ。


「小さい男だよなぁ。ムラング叔父様、貴方はね、ちっさい!でもちっさいのはしょうがない!小さいのは、可愛いからね。キュイエ嬢は、そんな貴方の、きっと良い所を知っているんでしょう。認めて欲しいなら、それはそのように、彼女に言ってみれば良い。キュイエ嬢、ムラング様は気にするみたいだから、夫婦の仲良しの何たるか、コツの一つとして、貴女少しだけ、柔らかく言葉を掛けて認めてあげる事は可能ですか?」

竜樹が畳み込んでいく。


「可能ですわ!ムラング様は、良き所が沢山ありますの。本人がどれだけ認めなかろうと、私は知っています。優しく言葉を柔らかくもしましょう、時にはね。カスケード子爵家を繋ぐ為に戦う、その合間合間に、素敵な時間が沢山ありますわ、きっと!」

女性がこうと決めたら。

輝くばかりの。

魅力、光、美しさ。


うんうん。

「どうするんですか。ムラング様。貴方は、そう、貴方は。病める時も、健やかなる時も。富める時も、貧しき時も。キュイエ嬢を妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

片手をふっと上げて、なかなかに神聖な、誓いの文句をサラリと口にする。首に宵闇蛇プリッカが、ニョロリだけど。


キャーッとなってるニリヤとエンリとクラフティである。けこん、けこんよ!けっこんだね!

マルサ王弟は、ぶくく、と笑いを堪えているし、ロテュス王子は、ふわぁ!とうっとり両手を組んだ。


「へ•••?」

呆けてる場合じゃないよ、ムラング。


「誓い、ますか!?」

ダメ押しの一声。


ビビ、と肩を震わせたムラングは。

コクン、と唾を飲んで、ギュッと目を瞑って、はあ、はあ、息を乱して。


「•••誓い、ます!!」


「キュイエ嬢。貴女は、病める時も、健やかなる時も。富める時も、貧しき時も。ムラング様を夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

スラスラスラリ。

打って変わって、ニコニコッとした竜樹に促されて。

「誓います!」


「おーしじゃあ結婚きーまり。まぁムラング様、王宮には一緒に行きますけど、クロク達は俺が養子にして責任取るし、ニリヤとエンリちゃんは第二騎士団が付いててお友達欲しかっただけのクラフティって事できっとお咎めもちょい怒られるくらいで済むと思うから〜。当主代理大変だったね、これからは、ムスティ執事や、キュイエ嬢をちゃんと頼って、クラフティとも向き合って、安心を確保して生きていくんだよ。」


「!?」

「お任せ下さい、竜樹様!ちゃんと頼られますわ!」

ニッコリニコニコ。ムラング以外は。


「あー、寮に良く遊びに来るエフォールの、結婚プランナー予定のお母さん、セードゥル侯爵家のコリエさんに話をしようかねえ。コリエさんとベルジェ伯爵家ジャンドル様の結婚式の後になるけど、きっと凄く、素敵な結婚式をプランニングしてくれると思うから〜。」

クッキーを食べお茶を飲んで、ホッとした竜樹は、お口も滑らか。

クロクのロニーが、コイツ•••って呆れた顔をしているけど、幸せの為になるなら、こんなちょっと強い言葉なんて、罪もナイヨナ!

なー!って大人達は視線を交わし合った。


「な、な、なーーーー!???」


「一度誓った言葉は覆せないよ、ムラング。」


ん、ん、ん!んもぅ!!!

「覆しませんよ!!」

と叫んだムラング叔父様の顔は真っ赤で、皆がそれを聞いて、アハハハ、と笑ったんだった。



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