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王子様を放送します  作者: 竹 美津
本編

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513/692

クラシャン嬢の叱り方


クピドは駆け出し、自分が良いと思った、キビキビと動いて急いでいる平民風の男性と女性に向かっていった。

2人は嬉しそうに肩をぶつけ合い、少し汗をかいて、食べ物や飲み物を手提げ袋にバランス良く入れて。焦茶のベストを着た男性の方が持ってあげている。

2人のお昼ご飯なのであろう。


「ちょっと貴方、インタビューしてあげるから、待ちなさい!テレビに映るなんて光栄でしょ!」


ぐっ、と男性の肩を引っ張って、止めたクピドは悪気は全くないが。

ええ!?と突然の事に、手提げ袋の中の飲み物が揺れる。竜樹発案の、蓋がキュッと閉まる、木製のタンブラーである。


スーリールはギョッとした。

幾らお貴族様だからって、そんな頼み方って、ある!?テレビは、大勢が見る、貴族にとっても平民にとっても、同じく重要なもの。そこで働く者達が、身分をかさに取材をしたら、平民達は話なんかしてくれないだろう。

表面上はニコニコしたとしても、一番大事な、本心を、語ってくれなくなる。

クピド嬢達見学者を、何とか纏めようと頑張っていた、お助け侍従さん達が、ああぁぁあ!って悲壮な顔をしている。

「クピド様!おやめください!」

「何よ?邪魔しないで頂戴、貴方は下がって。」


「すみません、インタビューの最中に。あの見学の者を止めなければなりません!ご協力ありがとうございます、失礼ながら、中座させて下さい!」

ぺこぺこと、マイクを向けてお話を聞いていた街の人に、焦って謝罪をし始めたスーリール。女性2人組。

「良いわよ、大変ねニュース隊も。新人さんの教育?インタビュー使って欲しいし、テレビに出たら記念になるから、私たち待ってるわよ!早く行って、止めておいでよ!」

「そうねそうね!大丈夫よ、私たちは!」


優しい人達である。


ありがとうございます!

とお礼を言った時に。

「な、な、失礼じゃないか!!テレビってこんな風なのかよ!ガッカリだな!」

と怒り出す男性の声が。

クピドがキョトン、としていて、話しかけた相手の男性が顔を真っ赤にしている。女性は、お口をムンとして、男性の背中を撫でて、宥めている。

「良いわよ、私は全然気にならないわ。素敵だわよ。こんな人達なんて構わずに、せっかくのお祭りなんだから、行きましょうよ。」


何やったんだ、クピド嬢!

あっちゃ〜、とスーリール達ニュース隊がそちらへ•••そう、カメラが回った状態のまま•••後から聞いたら、カメラマンのプリュネルは、撮って証拠を残しておくべきだ、と思ったらしい•••走り寄った。


「すみません!ニュース隊です!ウチが見学を許可した者が、勝手をしまして、すみません!何か失礼がありましたでしょうか?!どうか、私たちに何があったか教えていただけないでしょうか?」

ペコリ!!とスーリール、ADのクーリールが、2人大きく頭を下げて。


「ええ?突然この方が怒り出しましたのよ?謝っていただきたいのは、こちらですわ?それよりインタビューを•••。」

「黙ってて!あなた様は、ただの見学者で、まだテレビ局の職員でも何でもないでしょ!•••すみません、この方はテレビ局の者ではないのです。ですが、見学を許可した以上、こちらにも責任がありますから、どうか、失礼をしたならば•••。」


平民で、貴族のクピドに遠慮していたスーリールだが、それは吹っ飛んだ。仕事を馬鹿にしないで欲しい、って気持ちはある。一生懸命に毎日、こちとら、なるべく良い、心打ち解けた話を聞く為に、駆けずり回ってるんだ。その誇りを、何だと思ってる!


「もう良いよ。その人はテレビ局の人じゃなかったんなら、俺も悪かったよ。でも話はしたくないな!恥かかされちゃったし•••彼女がいるのに、お祭りなのに、やな事、言われちゃった。いい気分しないし、もう良いでしょ。」

「行きましょ、ミトレ。私は全然気にしてないからね?」


何それ何それ!気になりすぎる!

何を言ったのだ、クピドは。


「私はテレビ局に許可されて来てますのよ!貴方、服も粗末なら、心も粗末なんですのね!私がインタビューをすると言っているんですから、協力なさい!命令よ!ニュース隊の貴方も、頭なんか下げてないで、私の手伝いをすべきでしょ!大体、貴方達、私より身分が低い民草なのですから、下手に考えなくて良いのですわよ。貴族の重要な優秀な人物である私に任せれば、全てが上手くいくんですから、言う通りになさい!」


あんまり堂々とおかしな事を言われると、咄嗟に口が出ないものである。


スーリールもクーリールも、そして相手のミトレという男性も女性も。お助け侍従さん達も。あんぐり、と口が開いて、間が出来た一瞬に。


サッ、と細身の女性が入ってきた。

腕に見学の腕章を付けた、かけている眼鏡にふつふつつ、と文字が浮かぶのが、注意深く見れば分かるだろう、金髪の可憐な。首から、魔道具のボードとペンを下げて、それが揺れて胸にトン、トン、と当たっている。

申し訳ない顔をしていて、ペコリ、とミトレ達に頭を下げると。クピドの手首を引っ掴んで引っ張って、グイ、と後ろに、物理的に下がらせた。案外に力持ち。


聴覚に障がいのある、ルジュ侯爵家、クラシャン嬢である。


「な、何よ、邪魔しないで!」

クピドは抵抗したのだが。


グッ、と両方の肩を押さえて、クピドの正面に立ち、相対して。目を見て、合わせ、真剣な瞳で。クラシャン嬢は、クピドをじ、っと。


「な、なに。」


じ。 じいーっ、と。


鋭く、咎める、重い視線である。逸らさない、正面から、目を覗き込まれるように、じっと見られる、というのは、やられてみれば分かるが、相当のプレッシャーである。

クピドは、初めてと言っても良いくらい、心の底からぎゅう〜っと押さえつけられる重圧を感じて、戸惑い、目を先に逸らした。

獣であれば、先に目を逸らした方が、負け、である。


クラシャン嬢は、グイ!とクピドの頬に手を当てて顔を近づけて、目を逸らすなど、許さない。再び目を合わさせる。

「な、な、な!」


ゆるり、ゆる。


ゆっくり、ゆっくり。

黙って顔を左右に振って。


い け ま せ ん。


その間も目線を合わせて。静かに、叱る。


これは、聴覚に障がいのある彼女が、幼い頃からいけない事をした時に、母がした叱り方である。

言葉では、聴覚に障がいのある幼いクラシャンに、それはいけない、と伝わらない。でも、今しているそれが、いけない事だ!と伝えねばならない。まず、それをやってから、身振り手振りだとしても、何故いけないのか、落ち着かせてから、ゆっくりと教えた。乳母ともども自ら手をかけて育ててくれた、愛情深き母の、そのままのやり方しか、クラシャン嬢は知らなかった。


「何よ、離して!」


じいっ。 ダメ。 ダメ。


その手はしっかりとクピドを押さえて、ゆっくり、ゆっくり、ダメだと目を逸らさず、時折顔を振るのである。


クピドは焦った。

何か言葉で咎められれば、何とでも自分の言い分をぺらりと言う事が出来るだろう。だが、クラシャン嬢は、一言も喋らないのである。こんな叱り方を、心からの叱り方を、された事がない。ひや、と腹の底が重くなり、心臓がドッドッと打つ。どうしよう、どうしたら。


クピドに失礼な事を言われたらしいミトレ達も、ニュース隊のスーリール達も、お助け侍従さん達も、他の見学者達も。気圧されて、じっとそれを見ていた。


クピドは何だか、涙が滲んできた。逃げられない。この人からは、逃げられない。軽やかに人の間を駆け抜けて、無責任な事をしてきたクピドなんかじゃ、上っ面を滑るようなやり方じゃ、勝てないのだ。


何だか感情が昂って、ぐす、ぐす、と鼻を啜り、泣き出したクピドに、ふす!と息を吐いて、厳しい視線でグッと一つ見た後。クラシャン嬢はミトレに向き直った。

そして、またペコリと頭を下げると、魔道具のお話くん、ボードにスラスラと、文字を書き始めた。

書いた文字が、音声になり流れる。


『私は クラシャン と言います。初めまして。 見学の 仲間が あなたに失礼をして ごめんなさい。』


「あ、ああ。怒ってくれて、ありがとうございます。あなたは、その•••。」

ミトレが、言いにくそうに口籠る。

ニコリ、と笑って、クラシャン嬢は、またスラスラとボードに書く。


『私は 聴覚に 障がいがあります。魔道具を使って お話をするのです。あなたの言葉も この眼鏡に 文字になって 映るので 分かっていますよ。 もし良かったら ゆっくり目に お話して下さると 嬉しいです。』


ほぇえええ!ミトレと彼女は、感心してボードの魔道具と眼鏡とを、交互に見る。スーリール達も、風向きが変わってきたのを感じて、ちょっと静観。


そのうち、ミトレは何故だかキュッ、と顔を歪めて。

「今は、そんな良い魔道具があるんだね。でも、文字が分からないと、使えないかー。俺の祖父ちゃん、耳が遠くなってきてるんだけど、字が読めないし書けないからなぁ。」

心配そうに。家族思いなのであろう。彼女も、そうねえ、おじいちゃん、字が書ければ良かったわねぇ、と相槌を打つ。


『それなら 補聴器 っていう 音の聞こえを 大きくさせる イヤホンがありますよ。骨伝導を使うものとか 色々あるから お試ししたら いかが。』


「え?そんな魔道具あるの?こつでんどう?どこで買えるの?高い?あー•••その、あなたも、もしかして貴族の方ですか?お召し物が、素敵でらっしゃるものね。その、乱暴な口をきいて、すみません!」

ハッ、と恥入って謝るけれど、コロコロ、と軽やかな笑い声をたててーークラシャン嬢は聴覚に障がいはあるけれど、声は全くの健常である。声を音として聞いた事がないから、喋れないだけでーー笑い、顔をフリフリとする。


『テレビ局では 身分は 関係ありませんわ! まだ 見学ですけど! でも確かに 私は そこのクピド伯爵令嬢より 身分は上の 侯爵家の者です。 だから クピド様が どんなに変な命令をしても 私が止められるわ! 安心して下さい!』

茶目っ気のある優しい顔で微笑む彼女に、咎められる事はないだろうと、ミトレ達も、ホッとして、顔を見合わせて、ふ、と笑った。


『補聴器 高いかしら。 値段を見てみて お考えになったら いかが? サテリット商会で 扱っています。 確かに お高いかもですが 民にも使えるように って工夫 して お値段も 色々あるはず。』


ふむふむ。

「そうなんですね。」


『確か 近々 サテリット商会の 耳や目に 不自由がある人達向けの 体験型しょーるーむ? 無料でお試しに 補聴器や 白杖などを使ってみられる お店ができるはずです。』


「えーっ、本当ですか!試しに行ってみたいです!ねぇロゼイユ、君の家のおばあちゃんも、最近目がさ•••。」

「ええ、ええ!とても良い事教えていただけたね!ありがとうございます、クラシャン侯爵令嬢様!」


ニコニコしながら、ふりふり、良いんですよ、と顔を振る。そして、サラリと聞くのだ。お助け侍従さんに聞いてしまっては、言いたくない事を、無理に聞くようになってしまうから、あくまで、ミトレ達の口から、話したいように。

クラシャン嬢からは、音も少し離れて、口の動きも背中側で見えなくて、クピドが何を言ったかは、分からなかったのである。


『ところで クピド様 どんな失礼を? 教えてくれませんか? 私たち ちゃんと彼女に 教えてあげなければ いけないのです。 ダメな事は ダメって。』


少し弱い所がある人に、人は心を許しやすい。それは、侮っている、という事ではないのだろうが、気を緩めて心を晒しても攻撃されない、されたとしても大きい事はない、という安心感が、本能的にあるのかもしれない。

それに、弱さを先に見せてもらえた事で、お互い曝け出しても良い、という親近感も湧くのかも。弱さを見せる事は勇気が必要だが、それを顕に生きるしかない者は、ある意味ある部分、強くもあるのだ。


まあ、でも、それも相対する人の人柄による。

クラシャン嬢は優しくて常識的で話しやすいし、ミトレや、その彼女のロゼイユも、何となく、恥ずかしいけれど打ち明けた。


「そこの、クピド様が、仰ったんです。俺の服装、古臭くてボロで、お祭りには不似合いだ、って。このシャツとベスト、親父のお古なんだ。晴れ着で大事に着てて、凄く良いのを奮発して仕立ててもらったやつだから、彼女と出かけるお前にあげるよ、おしゃれして行きなって言ってくれて•••でも確かに、長年着たし、少しくたびれてるとこもあって、意匠も古めだな、って俺も思ってた。でも親父の気持ちもあるし、そんなに良い晴れ着を簡単に仕立てたり、俺んちする余裕なかったしで、着る事にしたんだ。ちょっと晴れがましい気持ちでね。でも、言われちゃった。それに、彼女の前で指摘されて、恥ずかしい気持ちもあって、ちょっと怒ってしまったんです。ごめんなさい。」


しょんぼりするミトレであるが、何を言うかである、クピドが全面的に悪いではないか!

スーリールが冷たい目になっているが、それよりも。クラシャン嬢が、キリッとした瞳で、ジロリと視線を寄越した事に、クピドはヒュン、と首を縮めて小さくなった。


『それは それは せっかくのお祭りなのに しゅんとした気持ちにさせて こちらこそ ごめんなさい。』

「いや、いいんです。嘘を言われた訳じゃないし、それこそお祭りなのに、いつまでも機嫌悪くしてたら、勿体無いですもんね。ロゼイユも気にならない、って言ってくれたし。•••ただ、来年は、別の服を着ようかな、って思います。捨てたりしないし、大事にすれば、親父の気持ちとしても、まあ良いかなって。」


確かにミトレの焦茶のベストは、生地が厚くて、この時期にも良さそうなものだが、端っこが少し、擦り切れている。型も昔のもので、目立つかもしれない。パリッと清潔そうなシャツも、良くよく見れば、色が少し、変色している部分がある。

だが、親父さんの服を、そんな、しょんぼりしたお祭りの思い出にしてしまっては、何だか悲しい事である。


ふぅ〜む、と魔道具のペンを握って、考えていたクラシャン嬢は、またスラスラとボードに何かを書く。

この、書いている間、何だか人は待ってしまうもので•••彼女のゆっくりしたペースでのお話を、ミトレとロゼイユ、そしてスーリール達ニュース隊とスタッフ、また見学者仲間達に先ほどインタビューを中断させられたお嬢さん達も、んんん?とついつい聞いてしまうのだ。


『そのベスト なかなか良さそうな生地ですわね。 もし良かったら それで お2人の間に生まれる お子さんの晴れ着を 作ってあげたら どうかしら。シャツも 子供のものなら 良い部分だけ使って 新しい服が できますわ。』


ポポッ!と顔を赤らめる2人の恋人達だが、顔を見合わせて、何だか、えー?エヘヘと、嬉しそうにもなる。


『生まれたお子さんが 男の子なら 形だけ 今風にして。 女の子なら ベストにシャツ そしてスカートを別布で作ってあげれば 可愛いし 記念になりますわね!』


『私の小さい頃のドレスも お母様のお気に入りを 作り直して着たりして 良い思い出になったものですの。 古い物には 思いが詰まっていますわ。』


『きっと ミトレさんのお父様も お母様と その服を着て お祭りに出かけたのかも しれないですわね。 近い将来 お父様と 生まれたお孫さんが 仕立て直した服で おしゃれして。 ご家族の写真でも一緒に撮ったら とっても 素敵じゃないですか?』


クラシャン嬢は、今まで家の外にそうそう出る事もなく、お茶会などにも参加せず、ただただ家で。

周りの人の話を興味を持って、筆談で、或いは口の動きを見て、そして身振り手振りや起こってくる出来事を注意深く見て。勿論、魔道具が出来てからは、活発にお喋りをして。それらをとても良く覚えていたので。


こんな時に、あの人はどうしたかしら、お母様はこう仰っていたわ、あんな事があったらしい、この人は•••と思いを巡らせて、一生懸命に。いつも家族や近しい人が話している世間話、写真館が出来ただの、あの時のクラシャンのドレスは私のお気に入りの服を使って作ったのよね、だの、実際の自分の、やっぱりお気に入りだったお直しをしたドレスの思い出を繋ぎ合わせて、ミトレ、ロゼイユに話をした。


今日初めて会った人とも、話が出来るって、素晴らしいな、嬉しいな、と思いながら。


「ふふ。俺たちの、子供かぁ。本当に、そうしたいね。ロゼイユ。」

「ええ、素敵ね、ミトレ。ミトレのお父さんも、そうなったら、きっと、凄く喜ぶわね。」

そっ、と手を握り合う恋人達に、周りの者の控えめな見守る笑顔以外の余分ごとは、要らないのである。


「そうですね。俺たちも、普段の服をお下がりにしたり、仕立て直して着たりしてます。でも、良い生地で、晴れ着を、ってのは自分達で縫いはしないから、ちゃんとしたお店に頼んだ方が良いかなあ。そういうのも、お金を貯めて、俺たちでも頼める所があったら良いんですけどね!」

えへへ、とミトレは頬をかく。

ロゼイユも。

「私も簡単なお直しはするけど、晴れ着は難しいわよね。せっかくだから、良い物にしたいし。」


うんうん、とスーリールもクラシャン嬢も。


クピドは、何で自分が話しかけた時と、クラシャン嬢が話しかけた時とで、相手がこんなに態度が違うか分からない。


(なんで、なんでよ?)


涙が鼻に伝って、すんすんぐずぐずしながら、罰のように1人立って、聞いている。


「そういえば、明日は、織物会館のお披露目があるんですよ。」

スーリールが、思い付いて。


あ、そうそう、とクラシャン嬢も頷き応える。

『古布の小物など 販売展示するらしいです。 お仕立て直しの 手頃な お店のご相談 出来たりしないのかしら。』


「私、インタビューするから、館長に聞いてみますよ。ニュースに出来るかは分からないけど、気にしてみますね。」

ニッコリ。和やかに話は進み。

そこで、スーリール達ニュース隊も、お助け侍従さん達も、改めてミトレとロゼイユに謝罪をして。

はた、とクピドを皆が見る。


「クピド様。失礼な言葉を、例え見学者としてでもテレビ局の先導に従う者として、謝罪して下さい。」

あたふたとしながらも彼女を抑えられず、ぎゅっと顰めっ面をしていたお助け侍従さんが、ここは言わせて下さい!ときっちり。


「な、何でよ!?」


その途端、すーふ、とクラシャン嬢が息を深く吸って吐くのに、クピドはビクッとした。

ぐい、と力強く手首を掴まれて。またジッ、と見られる。

その体温の、怒りの熱さと、静かな視線の伝える真摯な思いの怖さに、クピドは。


負けた。


「ご、ごめんなさ•••ぃ。」


上目遣いに、クラシャン嬢とミトレを見ながら。

叱られしょんぼり、ゴニョゴニョと口先だけだが、謝った。






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