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王子様を放送します  作者: 竹 美津
本編

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321/692

魔法で羽毛布団



『ルムトンと、ステューの!』


『あなたのひみつ、教えてラジオ!わ〜わわわわわ〜パチパチパチ!!!』


ちくちく。しゅるる〜。ちくちく。


『さてやって参りました、7日に一度のこのラジオ番組。皆さんからの言うに言えないでも誰かに言いたくて堪らない!秘密を教えてもらって、俺たちステューと』『ルムトンが!楽しくお話して、皆さんのむずむずする気持ちを、ワイワイ発散させちゃおうという番組です。』

『今日もよろしくお願いしま〜す!』


ちくちく。しゅる〜。


「•••あ、ジャンドルお父様、何か端っこ可愛くしてる。」

「うん、布がシンプルな水色だから、ちょっとクマさんの刺繍をね。赤ちゃん用だし。」

「え〜可愛いぃ!」

「見せて見せて〜!」


小ちゃい羽毛敷パッドを、チクチク縫い中。竜樹にエフォール、ジャンドルにお裁縫得意なエルフ達男女子供である。

羽毛布団は、中の羽毛が偏らないよう格子状に縫われ、幾つものブロックに分かれている。職人さんが、ブロックの全てに羽毛を後から入れる為の、吹き込み口、道すじを作るやり方を教えてくれようとしたのだが。

「それ、全部格子に縫っちゃって、後から転送でブロック毎に羽毛入れられるのでは?」

と1人のエルフが言い出して。

ムムム?となった職人さんが膝掛けサイズのお試しをシュルシュルと縫い。基本的に魔法が得意なエルフ、1人のお兄さんが、まずは浄化し、しゅばば!羽毛を空中で撹拌しふわふわに整え、転移魔法で、ぱふ、ぽふ、と一掴み位づつ布団の中に入れていき。

ふっくら。ぽふん。パンッと広げる。


「どうでしょう。」

「ーーー出来るね。」


う〜ん! この道20年の職人さんも唸るのだった。

冬用の極厚羽毛布団は、ブロックに分けつつ厚みを出すやり方を、また考えるとして。


最初はテレビの音を聞きながら、楽しくおしゃべりして縫っていたのだが、まだ放送しない時間帯もある。そんな時にはラジオである。

球技大会でもラジオの司会をやってくれた、街頭コントをやっていたルムトンとステューが番組をもって、賑やかしく笑わせてくれる。


『ペンネーム、雑草たましいさんから。私の秘密は、時々妻の化粧水を、黙って使ってしまう事です。乾燥してカサカサしてるな、と何となく借りてみたら、ちょっと良い感じになって、手触りも気持ち良く、匂いも良いし、今では3日に1回。やめられません。自分で買うのは恥ずかしいし、妻にも言えない。でも使いたい。』

『お〜。何を隠そう私ルムトンもですね。化粧水は使っています。だって、良いんだもの!顔も重要な商売だもの!』

『うっそ、ルムトン使ってるの?』

『うん。だってよ?パッと見た時、肌が荒れ放題な芸人と、整えてるな!って芸人がいたら、整ってる方が好感度あるでしょう?』

『うん、そうかも。』

『あのね、美形じゃなくても良いの。整える努力をする余裕があるな!っていうのが、見てもらえて違う訳。』

『良い事言うじゃん。』

『まあ俺は美形なんだけど。』

『ええ!?いやいやいや!む?』


くすす!

エルフの若い女性が笑う。

美形だと自分で言うルムトンは、テレビにも出るが、愛嬌のある顔立ち、というのが正解である。







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