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王子様を放送します  作者: 竹 美津
本編

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301/692

まてまて〜


シュウウィン!


転移にて、帰ってきた竜樹達。3王子も手を握り合って、ロテュス王子は竜樹の手をポッポ、ギュッと握って。


「あ〜、何度味わっても、なんか驚く。転移ってつくづく便利だなぁ。」


寮の庭に、あっという間に立っている面々である。竜樹がしみじみしていると、3王子はロテュス王子を促して、トコトコ寮の中へ。

「ししょうと、ロテュスでんかのごはん、もらお!」

「マルサ叔父様も!」

「タカラとミラン達も、ご飯すると良いよ。」

タカラとミランの侍従ズは、(ミランは半分カメラマンだが)ニコ、として。

「ありがとうございます。僭越ながら末席で、いただきますね。」

「私も、末席で。」

一日中共に行動する特別な侍従ズは、仕えている方が許せば、食事を一緒にする事もある。ざっくばらんに、遠慮なく。


「ただいま〜!」

「帰ってきたよ〜!」

「エルフ、はげましてきた!」

靴を脱いで靴箱に入れ、まずはオランネージュ、ネクター、ニリヤが寮の玄関からトト、とあがる。

ロテュス王子も見よう見まねで、竜樹達大人がゆっくりと上がってくるのに合わせて、靴箱に脱いだ靴をしまい、寮の廊下に足を踏み入れた。


「あ。」

「あれ?」

「あかちゃん、だ!」


寮の廊下に、よちよち歩きぽっこりお腹の、赤ちゃん。ちいちゃな水色の甚平を着て、目をまん丸にして、こちらを見た。


「あれ〜?ら、ラマン?何でここに?って、あー!」

竜樹が面倒見している、16の地方教会孤児院のうち、アンクル地方の子だ。

何で寮に?ムムム。いや、何となく、チリ魔法院長とエルフ魔法使いのトップ、何て言ったっけ、そう、ファマローのやらかしの香りが。


「ラマン!」

「あーい!」

おててを上げて、はーいが出来るのである。ニコニコ、よちよちとこちらにやってくるので、竜樹は、しゃがんで両手を差し広げ、ラマンを迎えた。親指をちゅむちゅむしつつ、人見知りもせずに、ラマンは竜樹の腕の中におさまった。


「ラマン、やっと会えたね!竜樹父さんと寮の皆に、会いにきたの?転移してきたのかい?ん?」

「あーい! ムフー!」


うんうん、そうかそうか。

抱き上げて、背中をポンポン撫で撫ですれば、竜樹と顔を見合わせてキャキャ、と笑う。

「あい、じゃあお兄ちゃん達の所に、連れて行ってくださ〜い。ほら、ラマン、つかまえちゃうぞ、まて〜まてまて〜!」

「キャ〜!やいや、やぁ〜!」


まてというと待たないのが、赤ちゃんという生き物。超嬉しそうに、トテ!トテ!と交流室に入っていった。まてまて〜と言いつつ、竜樹達はのんびりと追いかけて。


「あ、お帰り〜!」

床に座り込んで、ジェム達が大きな紙に何か書き込んでいた。エフォールが手紙のもとの考えを書いた時に使った紙と、同じものだ。

皆が一斉に顔を上げて。


「「「おかえりなさい〜!」」」

キャキャイ!


「ぅお、何だか大勢だね!ただいま〜!」

「「「ただいま!」」」


交流室には、いつものジェム達に加えて、地方教会孤児院の子達が、全部ではないけれど、集まって床の紙を囲んでいた。

交流室は満杯、子供達だけでなく、当然見守る為だろう、面倒見の大人達も増えていた。









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