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テレビ電話で夫婦の会話

フードゥル国のカルネ王太子は、与えられた客室のソファにゆったりと座った。今日も1日終えて、寛いだ格好で。テレビ電話を前に、のびのびと背を伸ばして、う〜っ、とバンザイし、ふ、と落とした。


ポチ、と画面の、フードゥル国への通話ボタンを選んで押して、待つ。


トゥルルルルルン ホチ


少し呼び出し音が鳴っただけで、すぐに相手が出た。


『我が君、カルネ様!』

「待ってたのかい?長く待った?すまなかったね。我が妻、リアン。」


カルネ王太子の妻、リアン王太子妃が、ワクワクと両手を組んで握りしめ、胸の前に。キラキラした瞳は、琥珀色で、後ろは結い、耳の前に垂らした髪は、くるんくるんと波型の金。

今、お腹に6つ月の赤ん坊がいるとは思えない、小さくて可憐なリアン。


『いいえ!私、カルネ様のお話が楽しみで楽しみで、つい時間前から、色々と準備をしてしまうんですの。お飲み物でしょ、クッションに、甘いものでしょ。』

「いいね。ゆったりとして、身体を大事にね。変わった事はあったかい?」


『私には特にありませんでしたけれども•••その。』


リアンは、むーん、と考えて。


『エクレ王女とシエル王女の事が、公に発表されましたの。無論、勉強したいとご自分から平民扱いに、としましたことよ。貴族達は、姉妹王女をとられた風に感じて、少し寂しそうでしたわ。姉妹王女がいると、何かと賑やかでしたものね。』

「自分達の思い通りになる王女達がいなくなって、ちょっと肩透かしになったのだろうよ。」

『うふふ。辛辣なお兄様だこと。』


ふ、と表情をゆるめ、用意されていた果実水を口に湿らせ。

「その王女2人だが、今日の球技大会では、珍しくしおらしくしていたよ。私に礼をするだけで、話しかけては来なかった。子供達と手を繋いでな。てっきり、許しをねだられたりするかと思ったが。」

おおおー、とリアンは驚く。

あの姉妹が!


『竜樹様とお母さん、ラフィネさんとおっしゃる方、よほどお上手なのね。子供達も、厳しい市井にいた子達だとか。きっと、甘い飴しか食べたがらない姉妹王女に、いい影響があるのだわ。』

「ーーーそうだといいが。また竜樹様に様子を聞いておこう。」


リアンは可憐で賢い。

だから、姉妹王女にも思う事があって、リアンなりに姉妹に苦言を呈した事もあったのだが、多分上品すぎて彼女達の芯には届かなかったのだ。

しかし、お陰で、ちょっとうるさい小姑と思われている。


『竜樹様は、優しい方ね。けんこうしんだんを、我が君に勧めていただいたのも、本当に大きなご恩ですけれど、あの恐れを知らぬ姉妹王女の面倒を見てくださって。私、竜樹様がなされた事を、我が君から聞くのが本当に楽しみなんですの!シエル王女の、辱めを受けたとの冤罪の企み、あっさり破られて。竜樹様が、シエル王女のこめかみをグリグリしたお話なんて、笑ってしまって!』

くくく、く!たんたん、とテーブルを叩いて笑うリアンに、カルネ王太子は、タハァ、と肩を落とす。


「笑い事ではないよ、リアン。それを聞いた時、私は冷や汗がどっと出たものだ。どれだけ私たちの国フードゥルと、このパシフィストの国の関係を緊張させれば気が済むのだ、と•••。」


ふふふ、ふ。

『それもあっての、平民扱いなのですわよね。平民がした事ならば、国同士の関係を壊さずに、竜樹様が存分に叱る事ができますもの。姉妹王女達、本当に幸運よ。身近に、時代の発展を司る方のありようを、見る事ができるのですもの。』

ふー、と笑いを収めて。


『赤ちゃんができた事は嬉しいですけれど、だから決して不満などないのですけど、それでも私、我が君や姉妹王女を羨ましいと思う気持ち、無いとは言えませんわ。』

「2人で来れたらよかったね。リアンは、さぞ実際に見聞きして勉強したかったろう。」


朗らかに向上心を持つ、リアン。

竜樹の発案したものが、どんどん広がっていく様を、カルネ王太子から聞くのを楽しみにしているリアン。


『その代わり、素敵な我が君が、お話して下さいますから、幸せよ。さあ、今日の球技大会、どんなだったか、お話してくださいな!』

2人は笑って、ワクワク、ドキドキを共有する。


「そうだな。まずねーーー。」




次回、やっと球技大会です

ラジオとテレビと教科書も忘れてないよ!

盲導ウルフもね!


今日は、我が家にある神の目の画像を確認せなばならぬ事があり(犯罪などがあった訳ではないです)、やり慣れない事で疲れました。

でも、神の目ちょう便利。実感です。

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