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王子様を放送します  作者: 竹 美津
本編

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光の中で光を感じて

スマホを出してメッセージを確認すると、メッセージグループ神々の庭へ、神様からだった。


メディコー

『神も独り言を言う事があるのだが。』


竜樹

「はい。独り言。」


メディコー

『暗闇にいると光がよく分かる。そしてそれはとても眩しい。光の中にいて光を見るのは、とても難しい。』


竜樹

「はい。」


メディコー

『私はよく見る為に盲目なのだよ。神なれば困る事はないが、生きている人のそれぞれの魂の瞬きは、とても眩く好ましい。竜樹は今、アミューズに触れて、何を問題だと思う?見えない事そのものか?』


竜樹

「•••いいえ。医療が、進めば良いな、とは思いますが、問題に思うのはアミューズが、見えない事を、隠さなければならなかった事について、です。」


メディコー

『ふむ。神も独り言に何か言ってくる人がいたら、何の気なしに聞いて応えるかもしれないな。それで?』


竜樹

「もしかして、この世界では、何かしら障がいがある人たちは、それを隠して、生きづらさを我慢して、生きているのかな、って思いました。」


メディコー

『うむ、そうだな。あまり公にはされない事が多いな。裕福でない庶民は仕事もさせずに隠しておける余裕がないから、不自由しながら、時には弱さにつけ込まれながら、細々と生きていく。裕福な商家や、特に貴族は、隠して一生を家の中だけで生きている者も多いよ。』


竜樹

「無理強いしたくはないですが、隠すより、公にして、サポートを得ながらやりたい事をやった方が、開いていって本人にも家族にもいいと、思ったりします。というか、俺は俺の子のアミューズが、生きている手応えをもって暮らしていけたら、そんな世界だったら良いなって思います。」


メディコー

『ふむ。その為には、どうする?』


竜樹

「アミューズにできるサポートを日々。子供達がやっていたように、寄り添って。白杖や盲導犬、点字や便利な補助グッズを少しずつでも、使えるように。一家に一台テレビが普及するようにして、その中で視覚障害のある人の、サポートの仕方や生活の工夫を放送したり。」


メディコー

『ふむ。しかし、テレビでは、視覚が不自由な者の当事者は、十全に情報が得られないな?』


竜樹

「それは、副音声で解説する放送とか•••音声なんだから、音だけで放送する、ラジオもいいですかね。音楽番組なんかは、テレビと一緒の番組でも楽しめるし、最初から全部番組作らなくてもいけるかな?そこに障がいのある人とない人を混ぜて雇ってもいいですかね。職場が増えて、お金が回って、生活に余裕ができて。切り捨てるんじゃなく、支えるだけじゃなく、支え合って。」


メディコー

『独り言ついでに。庶民に比べて、貴族は、位が高ければ高いほど婚姻に血が近くて、強い魔法の因子がぶつかり合う影響で、見えなかったり聞こえなかったりする者も多い。家の中で匿われて、表に出さないが、もし、そのラジオ番組が出来れば、支援したい者は増えような。』


竜樹

「•••はい!」


メディコー

『視力の治療の情報も、医師に伝えるように。独り言だが、竜樹の世界の技術に、魔法で迫れるかもしれない。』


竜樹

「はい!そうなると良いです!」


ランセ

『ラジオ番組も できるんだね。

資金は大丈夫かい?』


竜樹

「それは、テレビもなんですけど、やり過ぎない程度に、広告を入れて協賛を募ったりすれば、資金は得られるかな?と思ってます。あとは、テレビやラジオを買う時と、魔石の交換時に、ちょっとだけお金もらおうかな。教育番組は、税金からでもいいかなと、思います。」


ランセ

『うん うん。』


メディコー

『竜樹。光の中で、光は見えないが。光の中で、光の暖かさは感じられる。願わくば、光に焼き切れる事のないよう、穏やかに、慎重に、そして大胆に開いていってやってくれ。』


竜樹

「はい。重々に。」


ランセ

『ではね 竜樹。

障がいがあって 隠されてる

貴族のリスト スマホに

送っておくよ。

役立ててね!』


竜樹

「助かります!ありがとうございます!」


神様に、個人情報は筒抜けである。


「今度はらじお?なのですね。まだ教育番組も作っていませんが•••。」

緊張しながらスマホを見せてもらったミランが、ふー、とため息をつく。


「タイミングには意味があるよ。というか意味を見つけていくよ。」


竜樹はニヤ、と笑う。

お父ちゃんはやる事がいっぱいなのだ。



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