表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様を放送します  作者: 竹 美津
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

139/692

フリーマーケット開催です

「本日は快晴、雲一つない天気です!暑くなるかもしれませんが、絶好のフリーマーケット日和と言えるでしょう!」


スーリールが、生放送で広場のフリーマーケットの準備の様子をレポートしている。広場前大画面テレビで、放送しながらなので、音声がダブルで聞こえて、面白い。テレビを見ようといつものように集まった人達が、今、俺たちテレビに映ってる!とサワサワして、手を振っている。


「初の開催、フリーマーケット。広場では、魔法で、薄く覆いが空にかけられて、暑すぎる日光や、今日は降らないでしょうが雨を、遮るようになっています。フリーマーケットとは、何か?というと、見て下さい。みなさん、思い思いに、机にお店を広げていますね!ここでは一般の人が、参加料を払って場所と机を借り、いらなくなった、でも捨てるには勿体無い、家にある物や、自分たちで作ったものを、自由に売っていい事になっています!」

ちなみに、今回は、子供主体のフリーマーケットなのですよ!店員さんに、1名は、子供がいなくてはなりません。また、子供達の使わなくなった服やおもちゃ、それから子供達が工夫して作ったものなど、大歓迎です!売るものは子供関連に限らず、危険なものや毒物でなければ、なんでも結構です。会場での傷みや食中毒に気をつけてもらえば、自家製の食べ物や飲み物でもいいんですよ。

「こちらの、ピュールさんご一家に、話を伺ってみましょう。おはようございます!」

「「「おはようございます!」」」

クシャ、と藍色の癖っ毛の夫に、そっくりで父の腰くらいの背の息子、それから長くカールした、コーヒーとミルクの二色をした髪の妻が、緊張しながらも、ニコッと笑う。

「今日は、何を持っていらしたんですか?」

「息子の、ジャンティーの、小さかった時の服です。妻のボーが、可愛くて可愛くて、手放せない!って言っていたんですけど、誰かの役に立つかな?ってジャンティーが言うので、せっかくだから売ることにしました!」

「いいですね!工夫もしてらっしゃるんですよね!」

妻のボーが、照れ臭そうに、刺繍した服を見せる。

「やっぱり、使った服だから、シミなんかが少しあったりしたんだけど、綺麗に刺繍をポチッと入れたりして、より可愛くしてみました。これは、小さなシミに、てんとう虫を刺繍で入れています。」

「えー、シミだとはわからない!可愛いですね!」

「あとは色々あるんですけど、中でも子供の作ったものを、と言う事で、ジャンティーが作った、どんぐりのコマや、置き物なんかを、少し置いてます。」

「あら素敵。ジャンティー君、器用ねえ。このドングリは、お顔がついて、楽器隊になっているのね。他にも色々、可愛い置き物が!」

「そうなの。つくるの好きなの。頑張って、つくったから、みんな買ってください!」

「売れるといいですね!頑張って下さい!」

「「「は〜い!待ってま〜す!」」」

画面は、今度、商業スペースに切り替わる。

「今日は、商業スペースも設けられていて、飲み物や食べ物の屋台も出ています。フリーマーケット参加者の飲み物や食べ物もありますが、プロの味も味わえ、喉の渇きも癒せます。そして、今回は、明後日開かれるプール用の水着を売る、デザイナーのフィルさんのお店、シェリーが出張開店しています!とっても素敵な水着、必見ですよ!」

「スーリールさん、ぼくたち、わすれないで!」

カメラがパンして、ニリヤ王子や、新聞売りの子達の中から何人かが、報道、という赤い腕章をキリリとつけ、マイクを持って待っている。そこにはカメラを持ったミランも。

「あっ、すみません。そうなんです、今日は、ニリヤ殿下と新聞売りの子の有志が、子供報道員で、レポートしてくれるんですよね!」

「はい!そうです!」

「ぼくたち、ほうどういんは。」

「子供目線で、このフリーマーケットを、生放送で、時々レポートします!」

「今日のテレビは、一日中音楽を流しながら、ときどきぼくたちのレポートが流れます。良く売れているところや、かくれた名品など、はりきってレポートしますので、お楽しみに!」

「吟遊詩人のみなさんは、テレビでながす音楽に、ごきょうりょくください!一曲銀貨1枚ですけど、出演料が出ます。テレビで流れたら、みんな見てくれるかも。チャンスと思って、来てみてください。広場前大画面下の舞台で待ってます。よろしくお願いします。」

「今日は、他にも魅力的な商業スペースの出店があるのですよね?」

スーリールの言葉に、ニリヤが、ふむ!と意気込んで。

「はい!まずは、ネクターにいさまの、あらしももの、シェイクのおみせ。つめたくって、あまくって、おいしい〜んです!あらしナシや、あらしプラムのシェイクもあります!こおらせたかじつを、ミルクやヨーグルトとなめらかにくだいて、ストローでのむんですよ!」

ニリヤに対して、腰を曲げて視線を合わせながら、スーリールが合いの手を入れる。

「それは、美味しそうですね!それから?」

「オランネージュにいさまの、しゃしんかん!これは、だいこんざつがよそうされるので、にかしょにあります!ぎんかいちまいで、かぞくのしゃしんや、じぶんのきねんしゃしんが、とってもらえます!まってるあいだ、かがみがあって、おけしょうなおしたり、ふくをととのえたり。かしだしのおはなをもってとったりも、できますよ!こどものせいちょうや、なかのいいともだちのきねん、ふうふで、こいびとのすがた、うつくしいじぶんのいまこのときを、しゃしんでのこしませんか!」

「ええーっ!?それは良いですね!私も写真、とってみたいです!プロの写真家が、ブロマイドみたいに撮ってくれるとか。」

「はい!あと、きょうはとくべつに、こどもしんぶんをはっこうしています。ぼくたちや、しんぶんうりのこたちでつくりました!いつものひろばの、やたいのおいしいところちずや、テレビのあんけーとに、こじんでかえるみらいのテレビのはなし、ワイルドウルフから、じゅうじんとのえんかつなかんけいをつくるために、はけんされた、こーでぃねーたーのこと。こどもでもよみやすく、おとなにもよみごたえある、ないようなので、ぜひかってね。もじを、ならいはじめたひとにも、オススメ!いっしょにこないだできた、おかしやさんのおかしもうってます。」

「どんな新聞か、読んでみたいですね!お菓子も、魅力的!」

「おかしといえば、きょうかいからは、たいやきと、べびーかすてらと、もじびすけっとのやたいが、でてます!たいやきは、あんこや、かすたーど、あんずいりあんこ、ごまいりあん、しろいおまめあん、キャベツとまよねーずとひきにくのはいった、しょっぱい、おこのみたいやきもあります。べびーかすてらは、おとなも、1さいくらいのあかちゃんもたべられる、バナナいりの、やさしいあまさ。あかちゃんがたべられない、はちみつは、はいらないやりかたでつくりましたので、あんしん!ほかほかが、おいしいです。もじびすけっとは、かるくたべられて、べんきょうにもなるから、おみやげにおすすめです!」

「あんず入り餡、食べてみたい!ベビーカステラも、ちょっと気になります。今日はレポート、沢山ですね。頑張って下さい!」

「はーい!いっぱいみんなにきくから、まっててね!」

「子供報道員の皆さんでした。私たちは、サポートにまわり、交代で時にはレポートもしつつ、子供報道員と一緒にフリーマーケットを盛り上げていきます!是非のご来場を、お待ちしています!では本日も、みなさん、よろしくお願いしま〜す!」



「ししょう!がんばったよ!よくできた〜?」

ニリヤがカメラに映らない所にいた竜樹に、振り返ってニパッと笑った。

「良く出来た!頑張った、頑張った!みんなレポート、早口でなく、遅くもなく、はっきり分かりやすかったし、長い説明も、ちゃんと言えてたぞ!」

と竜樹が言えば、子供報道員の皆は、てへへ、と照れ笑いして。クシャクシャと竜樹に順繰りに頭を撫でられた。

スーリールも、上手でしたよ〜この調子!と褒めてくれて、はーい!と元気いっぱいの報道員達だ。


『皆さん、準備は出来ましたか?準備中、幾つか注意事項をお話しますね。準備しながら聞いて下さい。私は司会の、マルク・パージュです。よろしくお願いします。』


司会は、バラン王兄殿下の婚約者で、低く落ち着いた、まあるい声のパージュさん。ちょこちょこ週刊王子達のナレーションをやっていたが、満を持して司会としての初お目見えだ。

まだ出来てない〜!なんてワタワタしている人もいながら、わ〜っパチパチパチ!と準備が出来た人や、買い物待ちのテレビ前で集まっている人達が、拍手。

テレビには、上品で落ち着いた、オフホワイトのワンピースを着て、舞台の端でマイクに向かうパージュさんのアップ。響く声で、まずは注意事項を話していく。


『皆さん、フリーマーケットを楽しむため、困った事があったら、黄色の、運営、と腕章をした係に、気軽に相談してみてください。ここ、広場前大画面下の、本部にいます。会場もたくさん係が巡回していますよ。』

竜樹も、運営、の腕章を貰っている。


『心配事を減らしておきましょう。おトイレの事をお話しますね。おトイレは、広場近くのお店にご協力いただき、借りられるようになっています。どの商店も、快く貸してくださり、ありがとうございます。』

お辞儀をして、指を一本立てる。


『一点注意が。おトイレを借りるには、お礼として、銅貨1枚からでもいいので、任意のお金を、お店毎に用意してある、お礼箱に入れて下さいね。綺麗なトイレを維持するにも、経費がかかっています。もしよければ、ついでにお店の商品も見て行かれると、いいと思います。どのお店も、今日だけのお買い得、特別商品があるそうですよ!』

おお、そうなんだ。ヘェ〜、と、所々から声。


『おトイレが借りられるお店は、本部と、広場の四方に建てられた地図にも、載っています。また、混み合うと思いますので、なるべく行きたくなる前に、早めにおトイレに並んで下さい。お子さん達は、我慢しにくいと思うので、順番譲り合ってお願いします。』


『そして、やむなく無料でおトイレを借りたい人は、かなり混み合いが予想されますが、1箇所3個室だけ、臨時のおトイレが出来ています。広場の大画面テレビから見て、反対側の西側にあります。』


『赤ちゃんのオムツ代え場所は、広場の四方それぞれにあります。迷子の案内所も、本部にあります。落とし物も本部まで。大画面テレビを目印に、来てみてください。』


『注意事項は以上です。そろそろ準備も終わりましたか?良いですね?それでは、第一回、王都子供フリーマーケットを開催します。』


わわわわ〜っ!

パチパチパチパチ!!!


竜樹もニリヤも、嵐桃シェイクを準備しているネクターも、写真館のオランネージュも。子供新聞販売所のジェム達とアルディ王子も、売り場に一般参加のエフォールも。みんなみんな、満面の笑顔と少しの緊張、湧き上がる興奮と共に、フリーマーケットの、開催である!



「じゃあ、しゅざいしてくる!」

「行ってらっしゃい!」

ニリヤ達、報道員は、週刊王子用のカメラマンのミランと、護衛と、スーリール達ニュース隊を引き連れ、会場へと繰り出した。

ジェム達は、子供新聞の記者もやるので、まずは自分の所の子供新聞の売れ行きを取材先に選んでいる。


竜樹は、まずは吟遊詩人達の出演の舞台の様子を見る事にした。

リュートを背にした吟遊詩人達だけではなく、色々な楽器を持った人や、中には女性の歌姫さんなんかも、集まっているみたいだ。

誰が最初に、曲を聴かせてくれるのだろうか。バラン王兄が、「秋の競演会の練習になるね!申込書も配れるし。」と言って、パージュさんが見える位置、吟遊詩人達の中に入り、出演者の名前を聞いてメモし、誘導を始める。


『続々と吟遊詩人の方達、楽器がお得意な方達、素敵な歌姫さん達がみえています。どなたが最初に曲を披露して下さいますか?』

チラリ、チラチラ、とお互い見合った出演者達は、並んだ順繰りでいいんじゃ、喧嘩になるし、などと言っていたが。


「あ、そうだ。ギフトの御方様に、異世界の歌を聴かせて欲しい!」


え!?


サラっと美しい緑の長髪の、1人の吟遊詩人が、はいっ!と手を挙げて、そんな事を言い出した。


「それは、良いね!良いね!」

「一度、異世界の歌、聴いてみたかったんだぁ!」

「すっごく興味ある!」


音楽の人たちは、みんなバラン王兄かよ!


『あらあら。皆さん、最初はギフトの御方様に、異世界の歌を聴かせて欲しいようです。竜樹様、お願い出来ますか?』

パージュさん!俺じゃなくて良いのに。

まぁでも、最初に恥っかきで歌うのも、皆がやりやすくなって、いいか。

竜樹はお祭りの雰囲気を壊したくなくて、いっちょやったる事にした。

マイクを渡されて。


『私で良ければ、お耳汚しに。プロじゃないので、ご容赦を。』


そして、歌った歌は。


昔、歌われていた、クジラの陽気な歌を歌った。


みんな、ポカン、として、い、る、ね。


『お粗末様でした。私のいた世界では、クジラっていうデッカい魚は、歌を歌うと言われているんですよ。皆さん、どうぞ素敵な歌を、お願いします!』

ペコリ。次がやり易くなったであろう。


・・・わっ!!!


パチパチ拍手、いやそんな、良いから良いから。


「初めて聞く感じの曲だった!」

「でも、楽しい曲だよね!」

「なんか、夢広がるけど、ちょっと切ない所もあって、いいね!」

「旅するクジラ、歌を歌う!」


わあ、わあ。

いやいやそんな良くないから。素人のアカペラなんて、たかが知れているから!!みんな、ギフトの御方フィルターだよ!!


「竜樹君!是非後で、スマホで原曲を聴かせてくれたまえ!」

バラン王兄が言って、えええ原曲が!?聞けるとか!と騒然となる。


「皆さん、まずは歌を!皆さんの歌を!原曲は、後で聴かせますから!」

おおおおお!

パチパチパチパチ!

拍手喝采である。


『竜樹様、素敵な歌、ありがとうございました!ではお次は?』

パージュさん。

マジ助かる。


結局バラン王兄が次に歌って、後はじゃんけんで決めた。

その様子もテレビに流れたので、ジャンケン大会みたいになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ