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充電できました

「とにかく連絡できた•••ふぅ。」


竜樹がほっと息を吐き、振り向くと、並んだ異世界人の、しかも貴人含むの皆々様が、興味深げに待ち状態となっていた。


「ギフトの御方、その、すまほとやらは、なかなか面白いものですね。遠くの人と連絡がとれ、向こうの様子も分かり、こちらの様子もあちらに届くのでしょうか?」


誰。ローブを纏ったいかにも魔法使い、といった風貌の灰色にメッシュ青長髪40代、がずずいっと寄ってきた。


「だ、誰?」

「チリと申します。」


チリって、誰?と王様を見遣る。

側にいた白髪まじりの緑髪イケオジが、代わって答えた。


「チリは魔法院の長です。ギフトの御方に、これからもお助けできる人物をこの謁見の間に集めております。」

因みに私は宰相のホロウと申します。


イケオジは言い、他にも貴族で要職を持つ者たち、騎士団の長や、商業の長など、まあいっぺんに紹介されても全然覚えてられないが、とにかく長たちが紹介された。その間にもチリがスマホをガン見して、竜樹の持つ手の上からガッシリと掴み、今にも取り上げてためつすがめつ、したそうである。


「便利なんだけど、これ充電きれたらただのツルッとした板なんだよね。連絡ギリギリできるだけしたいから、なるべくなら温存したいかな。見せてあげたい気持ちはないでもないんだけど。」

「充電とは、使われた雷の魔力に関係ありますか?非常に繊細な、波と力の元を感じましたが。」


そうそう、電気ね。ここにバッテリー入ってて。残りがここ、画面の右上に四角くその、力の残りが出てるんだけど。竜樹から説明され、ふんふんとチリはうなづき、むーんと目を瞑り、ぴっとスマホを指す。


ふわっ。


暖かい?いや、なんか風?


あっ充電、100%。


ニヤリ、笑うチリは、使ってみて下さい、壊れてませんよね?とドヤ顔した。

あちこちスマホを使ってみるが、特に壊れた様子はない。

「凄い凄い!助かった〜!これで仕事の引き継ぎ、困ったとこなんか電話でやりとりできるかも?実家のみんなとも心配かけるのなんとか少なくできるかも!」

良かった!また充電して下さいね!


「いえいえ、これですまほを見せていただけますよね!」

「個人情報のことがあるから、俺がいる所でなら。」

シェイクハンド。手を出せば、異世界でも合意の挨拶は同じようである。にぎにぎとした魔法院長官は、ではすぐにでも、と言いたげだったが、王様が待ったした。

「イヤ、ギフトの御方、竜樹殿。こちらに来られたばかりで大勢と会ってはお疲れだろう。今日はこういった者がいるという大まかな事くらいでよかろうではないか?どうかな。」

「それもそうなんですが、ギフトの御方って俺の事なんですよね。ちょっとそれとか、細かい事を説明して欲しいです。あっ、長の皆さんは、お忙しいでしょうから、ご存じそうな説明は一緒でなくて、お帰りになられても大丈夫ですけど。」


しかし長の皆は帰らない。そこここに笑顔で暖かく見守る様子である。今度のギフトの御方は、若くていらっしゃるがなかなかできておられるなあ。ホッホ、なんて、和やかムードだ。

いや、なんか大勢に見られながらじゃなくて落ち着いて説明聞きたかっただけです。言えずに、にこーとしていると(笑顔は敵意のないという意思表示で。異世界でどうかわからないが)椅子が運ばれてきた。長の皆んなにもなので、遠慮なく竜樹も促されて座った。





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