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王子様を放送します  作者: 竹 美津
本編

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金策、します

「金策なら、もう出来ているじゃないですか。」


カメラで撮影しながらの、ミランが、竜樹に話しかけた。ミランは撮影中は、あまり喋らなくなったのだが、それでも言いたい事がある時は遠慮なく話す。ドキュメンタリースタイル。


「郵便で、一体いくら儲けてると思います?皆がこぞって手紙や荷物を送るようになったんですよ。国営ですから、国庫が潤っているという事です。新聞も、まずまずで、これからでしょうが、公共のものに使うなら、ズバリ税金からですよ。」

お金のマークは、異世界でも共通らしく、カメラ片手にミランは手サインで人差し指と親指で丸くして、お金お金とかざして見せた。


「うーん、確かに。公にするっていうのは良いけど、儲かってない時に予算を縮小されちゃうかもなのがなぁ。税金と、あともう少し何か補助があればと思うんだよ。それと、教会とかって、学校とか孤児院やってないの?神々による、救いの場じゃん?」

「見習いとして受け入れることはやっていますね。必然的に、僧侶になる、という前提です。ああ、教会、そうですね、教会が、見習い以外も受け入れてくれたら、土地ごとに領主が違っても、同じように子供を教育保護してくれるかも。読み書き算術は、教会ならば教えられるでしょうし。女の子も、花街ばかりじゃなくて、拠り所があれば。」

む〜ん、とミランも考え出す。


「郵便の時みたいに、既存の組織や施設を使って、って良いと思うんだよ。冒険者組合でも、読み書きできない大人に講座をもってくれるとか、ないかなぁ。まぁ、教会も、冒険者組合も、タダではやってくれないだろうから、補助金出してやる形か。」

「ようちえん、お母さんしぇるたーとは、どんな施設なんですか?」


うん?と竜樹は、ツバメを抱き直して。

「幼稚園は、えーと、改めて聞かれると、どう言ったらいいかな。親が子供達を預けて、子供達は、お遊戯やったり、簡単な字をならったり、砂場で遊んだり。小学校の一個前の施設だね。保育所っていう、両親が働いてて、もっと小さい子を預かる所もあったな。」

「ふむふむ?」

「お母さんシェルターってのは、詳しくは知らないんだけど、お母さんと子供が逃げてこられたり、住む所や経済的に困ったりしてるのに支援が受けられる、っていうイメージなんだけど。」

「逃げてくる?」

あー。

「殴ったりする旦那とかから。」


あ〜。

納得のミランとマルサである。

悲しい事だが、そういうことは、あってしまう。


「やっぱり、教会がいいでしょうね。」

「お金足りるかなぁ。年賀はがきみたいに、クジでも•••クジ、宝くじか!」

「クジとは?」


「宝くじ、やるといいかも!全部違う番号が書いてある紙を売るんだよ。それで、抽選で一等を決める。当たったら、金貨100枚、なんて当選金がもらえる。5等か、6等くらいまで決めて、低い等級のは、10枚買ったら1枚くらいは当たるくらいにして。夢を売る、っていうかな。宝くじの収益金は、大抵福祉のために使われるんだよね。」

「みんなが買えば、当たらなかった分が収益になるということですね?」

「そうそう。あんまり頻繁にやり過ぎると、飽きられちゃうから、年末と夏の2回くらいでいいんじゃないかな。」


ふわぁう。ツバメが欠伸すると、竜樹も見ながら口をパクッとした。


「宝くじ、あんまり高額だと、当たった人が身を持ち崩すから、俺らの世界では換金しに行くと、高額当選者の人向けの冊子があったりするっていうよ。例えば、宝くじ当たっても、仕事は辞めないようにしましょう、とかね。」

「あ〜、目に見えるようだな、持ちなれない大金に、身を持ち崩すところが。」

マルサがポリポリ、顎を掻いている。


「たからくじ、かってみたいよ!ししょう!」

「お金、当たるの?」

「1人で何枚も買う人、いるんじゃない?」

「俺らでも買えるの!?」


おおーう。子供達も聞いてた。

お前たち、小さい内からギャンブルに生きるのではないよ。

「1枚ずつなら、買って良いんじゃない。夢を買うんだから、欲張らないんだぞ〜。」

「わかった!」

「いちまい、だけね。」

「当たるといいなぁ。」

「当たったら、どうする?」


そうそう、こんな風に、まだ売ってない宝くじでも、夢を買えてるっていうね。


そんなこんなを話しながら寮に帰ってくると、タカラが待っていて、ヤギ乳とオシメと赤ちゃん服が用意されていた。


「ツバメにお乳あげるよ〜飲むかなー。」

「はーい!」

「見たい見たい!」

「赤ちゃん、おちち!」

「みんなも、こんなに小さかったんだぞ〜。ではね、ヤギ乳、温めます。一回沸騰させた方がいいのかな?熱々じゃなくて、人肌に冷ましてね。」


ちゃっちゃかと動き、人肌のミルクを用意する。哺乳瓶は、ガラス製の重いもので、赤ちゃんが自分で持って飲むのは、大変そうだった。


「はい、どーぞ。」


ちゅ、ちゅむ。ちゅむちゅむ。


「飲んだぁ!」



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