XX(一部改稿)
ブクマ&評価、ありがとうございます。
※感想にて、歌詞の引用についてご指摘をいただきましたので、本文の一部(※~※の間に出てくるアニソンについて)を改稿しております(ご迷惑をお掛けします)。
多少具体性はなくなりましたが、ストーリーに影響はありませんので元の文に関してはご想像にお任せいたします。
「真田くん! 真田くん!!」
一見気弱そうで小柄なクラスメイトの男の子、真田勇気の名を呼び、絢音は彼の自宅玄関の扉を叩き続けた。
(お願いよ──出てきて──!)
ここに着いてから既に十分近くはこうしているだろうか。
絢音の色白な繊手は扉に当たる部分が赤く変色し痛々しく腫れてきている。
やがて──
「おね、がい……っ、いかない……でっ」
とうとう力尽き、絢音は扉に縋りつくように膝をついた。
「うっ……うぅ」
泣いている場合じゃない。しかしどうしようもない無力感から熱いものが込み上げてしまう。
このままでは彼がこの世界からいなくなってしまう。絢音にはそんな確信があった。
彼の内情にはそれほど詳しいわけではない。ただ、絢音は昨日の放課後、少し話しただけで直感的に理解していた。
真田という少年はたしかに少々気弱なところがあるかもしれないが──だからといって、あれは決して意志薄弱な人間ではない。
むしろ、どちらかといえば頑固だろう。
昨日、絢音が「どうして抗わないの」と尋ねたときの目。そこには己の矜持を傷つけられた者の特有の光が宿っていた。
彼は彼なりに抗っていた。「ひたすら堪える」それが彼の選択だったのだ。それを何も知らない絢音からとやかく言われたのが──言い方は悪いが──気にくわなかったのだろう。
あのとき彼は、瞳に、一瞬だが絢音を射殺さんばかりの──それこそ憎悪といっても過言ではない色を浮かべて見せた。
だからこそ思う。きっと彼は自ら幕引きを行う。
自殺、ではなく自決。
逆らうよりも堪えることを選ぶ彼なら、もはや堪えることもできなくなったそのとき、あっさりとこの世で生きるという道を捨て去ってしまったとしても驚かない。きっと彼は、彼のルールに従い決着をつけるだろう。
ひとによってはそれを「逃げ」と呼んで非難するかもしれない。──いや、大半がそうだろう。
けれど絢音には、彼を責めるつもりなど毛頭なかった。
悪いのはそういう決着を彼に選ばせた周りの人間だ。
それは佐伯たちであり絢音や学校関係者ら傍観者であり……そして、あまり言いたくはないが真田をそういう人間に育ててしまった彼の両親だろう。
(──だからって)
今、絢音が真田の生存を諦める理由なんてない。
たとえそれが彼の望みだとしても。
「絶対に死なせないわよ……っ」
自分でもよくわからない、沸々と沸き上がる熱い義侠心を胸に、絢音はもう一度立ち上がった。
するとそれを見計らったように背後から声がかかる。
「お嬢さま」
振り返ると、いつの間に車から降りてきたのか神崎志桜里が控えるように立っていた(志桜里は絢音の父親の複数居る秘書のひとりであり、普段は主に絢音の付き人のようなことをしている女性だ)。
なに?
そう絢音が視線で問いかけると、
「ここは強引にでも踏み込むべきと具申いたします」
志桜里は真剣な面持ちでそう答えた。
「え」
あなた何を言ってるの?
絢音は一瞬だけぽかんとした。
しかし、
「……そうよね。もはや四の五の言ってられないわ!」
決断は早かった。
だてに生まれつきお嬢さまなどやってない。これがたとえ自分の勇み足で終わったとしても、そんなものは後で白百合家の力でどうとでもなる。今はやらぬ後悔よりもやる後悔だ。
「行くわよっ、神崎!」
絢音は志桜里を引き連れ真田家の敷地を駆けた。
庭に回り、中はおそらく居間か何かであろう最も開口の広いサッシ戸に目をつける。
絢音は躊躇わず志桜里に命じる。
「神崎──やってちょうだい」
「はい」
命じられた志桜里にも一切の躊躇はない。
彼女はどこからか取り出した伸縮式警棒を使って一撃でガラスに穴を開けると、そこから手を入れクレセント錠を外しサッシ戸を開いた。
「どうぞ」
やっていることは空き巣そのものだが、志桜里の所作にはそんなことは微塵も感じさせないだけの恭しさがあった。
「ええ!」
絢音は靴を履いたまま室内に踏み込んだ。
「──真田くん!」
そこは事前に予想したとおり、真田家の居間であるらしかった。
いわゆるリビングダイニングキッチンと呼ばれるタイプだ。
「真田くん!?」
しかし、求めていた姿はそこにない。
「おそらく自室でしょう。──念のため、バスルームも確認すべきかと」
絢音に続いて室内に入ってきた志桜里がそう提案する。
「そうね」
絢音は志桜里に頷くとすぐに駆け出した。
「真田くん!」
真田家の詳しい間取りなど知るよしもなく、
「どこ!」
手当たり次第に扉を開けて行く。
「どこなの!?」
「……あとは二階だけですね」
「そうね……」
二階建てとはいえそう広くもない一軒家。一階の捜索はすぐに完了した。幸い、というべきかバスルームにも異常はなかった。
「行きましょう!」
あらかじめ見つけていた階段を駆け上がる。二階には扉が三つあった。
一つ目。
「真田くん!」
違った……おそらくは彼の両親の寝室。
次!
「真田くん!?」
物置……っ、ここも違う。
ラスト!
「真田くん!! ──っく、……開かない!」
間違いない──ここだ──この扉の向こうに、彼は居るはず!
「真田くん! ──私! 白百合絢音よ! 居るんでしょう!? お願い──ここを開けて! 真田くん!!」
ドアノブをガチャガチャと揺すりつつ、絢音は扉に向かって呼びかけた。
「真田くん! 返事して!」
しかし何度呼びかけても、さらに扉を叩いても返事はない。
そして──
「神崎……っ」
どうしよう、と。
そばに控える志桜里を振り返ったそのときだった。
扉の向こう側でドンッ! と、何かとても重いものが床に落ちたような……。そして状況からしてとてつもなく不吉を予感させる……大きな物音がした。
「……っ」
絢音は肩を震わせ、思わず息を飲んだ。
「お嬢さま! 下がってください!」
「!?」
姉のような従者の、滅多にない剣幕に気圧され、絢音は言われるまま一歩後ろに下がる。
それを確認すると志桜里は、
「──ッ、らあぁああああああっ!!」
裂帛の気合いとともに、扉に向かって後ろ回し中段蹴りを放った。
ドゴンッと、ちょっとした交通事故のような音がして、扉が内側に向かって吹き飛ぶ(かろうじて蝶番は無事だ)。
「………………」
絢音は大きな目を丸く見開いて、一瞬だけ呆けたものの、
「っ! 真田くん!!」
すぐに我に返り、室内へと駆け込んだ。
するとそこには──
「……っ、真田くん!?」
黒髪の小柄な人物が床にうつ伏せに倒れていた。顔は見えないが背格好からして真田に違いない。
素早く視線を走らせれば天井には梁に結ばれ半ばから千切れた荷造り紐、そして彼の首元にはその片割れらしきものが巻きついている。
(やっぱり!!)
絢音は自分の予想が間違っていなかったことを確信するとともに慌てて真田の体を抱き起こす。
「真田くん! しっかり──」
が、
「え……?」
そこで絢音は固まった。
「……だれ?」
顔色は最悪だが……パッと見は勇気に似ている。
けど。
(ご兄妹……とか?)
いや、そんな話は聞いたことがないし状況からしてこの場にいるのは本人以外にはあり得ないだろう。
そう、あり得ないのはずなのだが、
(だとしたら、これは一体……)
絢音の視線が、自分の抱き起こした人物のある一部分に釘付けになる。
しかし絢音の抱いた諸々の疑問は──
「お嬢さま! 考えるのは後回しです。彼女は息をしていません!!」
「!?」
志桜里から放たれた衝撃の一言で一旦、先送りとなった。
※
~~~♪ ~~~♪
~~~♪ ~~~♪
「ねえねえ、おかあさん! ゆうきだって! ぼくのなまえとおんなじだね!」
それは勇気がまだ小学校に上がる以前の記憶だ。
大好きだった子供向けアニメのエンディング曲を聞いていて、その中に自分の名前と同じ言葉が出てきたことに気づき感激した記憶。
「あら? そうよう。あなたの名前はね、そのお歌とおんなじなの。ようくわかったわねえ」
偉いわね、と母親が頭を撫でてくれる。
「わあい」
褒められてはしゃぐ勇気に母親は優しく語ってくれた。
「お父さんとお母さんはね? 勇気がまだお母さんのお腹の中にいた頃、お医者さんから『生まれるのは男の子ですよ』って聞いて、それからふたりで一生懸命名前を考えたの。何日も何日もよ? けど、なかなか良いのが浮かばなくって」
「ふうん?」
「そんなときだったわ。たまたま点けていたテレビから、あのお歌が流れてきたの。さっきみたいに、勇気の~♪ って。そうしたら、お父さんが『これだあ!』って飛び上がってね? 俺たちの息子の名前は勇気にしよう、って子供みたいにはしゃぐの。お母さん、初めはそんな簡単に決めちゃうの? って、思ったんだけど……でも、よおく考えてみたら『勇気』ってすごくいい言葉じゃない? だからお母さんもだんだんその気になってきちゃって……気がついたらお父さんと一緒になって歌ってたの。勇気の~♪ って。笑っちゃうわよね」
「なにがおもしろかったの?」
ふふふ、と笑う母親を見て、勇気は首を傾げた。
「………………。んー、勇気にはまだちょっと難しかったかしら」
「むつかしいかった!」
「あらま。ごめんなさいね」
「んーん、いいよ!」
「ありがとう。ねえ、勇気?」
「なあに?」
「あなたの名前には、勇気の大好きなあのヒーローみたいに悪者や自分よりも強い相手にだって負けずに立ち向かえる強くて元気で勇ましい男の子に育って欲しいっていう、お父さんとお母さんの願いが込められているのよ」
「いさましい?」
「怖いものや嫌なことにも逃げずに向かっていける、ってことよ?」
「んー……?」
「やっぱりまだ難しかったみたいね」
母親は小さく苦笑いする。
「おかあさん! ぼく、わかんないけどがんばるね?」
よくわからないなりに、母親からの期待を感じ取り、勇気は彼女に向かって宣言した。
「うんうん、それでいいわ。ふふっ、勇気はいい子ねえ」
勇気の答えに満足したのか、母親はそれからしばらくの間勇気の頭を優しく撫で続けてくれたのだった。
※
「………………ん」
何か夢を見ていたような気がする。勇気はゆっくりとまぶたを開けた。
「………………あれ?」
見覚えのない真っ白な天井が見えた。
「………………え、どこ?」
しかしそんなことよりも、
「………………生きてる」
なぜ? 全部、夢?
「真田くん?」
「え?」
すぐ側で声がして、勇気は首を右に捻った。
「白百合……さん?」
なぜかそこには丸椅子に腰掛けた白百合絢音が居た。
彼女は薄く微笑むと、
「ええ、私よ……真田くん。というか……やっぱりあなたは真田くんなのね?」
などと妙なことを言う。
「……へ? そりゃ……僕は僕だけど?」
もし、そうでなかったら何だというのか。
「なるほど……。自覚はないのね……」
白百合が頬に手を当て美麗な顔に困ったような表情を浮かべる。
どんな表情でも美少女は美少女なんだな、と勇気は暢気な感想を浮かべた。どうもまだ頭が上手く働かない。
「頭が痛いとか、そういうことはない?」
「んー……うん、少しぼんやりするけど大丈夫」
まあ、寝起きだし。
「起きられそう?」
「え? うん」
「そう……なら、起きて自分で確認してもらったほうが早いわね」
「……? う、うん」
何を? とは思ったものの、勇気はとりあえず言われたとおり起き上がることにした。
体を軽く捻りベッドに肘をつき、上体を起こそうとしたところで、
「ああ、無理しないで。手伝うわ」
そう言って、白百合が左手を握り背中に腕を回し介助してくれた。
「えっ、ちょ……っ!?」
「いいから。ほら、遠慮しないの」
甘い匂いが鼻腔をくすぐり、柔らかなあれこれがあちこちに触れる。
(うわあ、うわあ、うわあ……!)
気遣ってくれているのに不謹慎だろうとは思いつつも、やはり本能に根差す煩悩には抗えずつい、勇気は左手と背中、そして右半身に全神経を集中してしまう。
(仕方ないよね……だって男の子だもの)
などと戯けたことを考えていると、
「そういうところはやっぱり男の子なのね」
!?
(バレてるうううううう!)
下心はしっかりと見透かされていた。
その事実に戦慄する。
とりあえず、
「ごめんなさい!」
勢いよく謝った。
しかし、
「ああ、いいのよ。気にしないで」
当の白百合から返ってきたのはそんな軽い言葉だった。
何の気負いもなく、特に嫌悪のようなものも感じさせない、ごくごく軽い口調。
「………………」
勇気は思わず、まじまじと白百合の表情を窺った。
(てか……うん、やっぱり超美人)
「なあに? さすがにそんな風に見つめられると照れるのだけど」
「……ああ、いやごめん、つい。綺麗だなあ……って」
「あら、どうもありがとう」
「………………どういたしまして?」
いや、なに言ってんだろ僕。ナンパ野郎かよ。
「でも、あなたもかわいいわよ? ──すっごく、ね」
「へ?」
いや、なにいってんだろこの子。からかわれてんのかな。
「一応、言っておくけれど……別にふざけているわけじゃないわよ?」
「……はあ」
そう言われてもリアクションに困る。
たしかに勇気は男にしては小柄だし、撫で肩で、顔立ちも母親に似てどちらかといえば女顔だ。けれど、だからといって同級生の女の子からかわいいと言われて素直に喜べるかといえばそれは……微妙すぎる。
「うーん……ダメね。どうせなら自分で気がついて欲しかったんだけど」
何を?
「……ねえ、真田くん。自分の胸に、手を当ててみてくれる?」
「胸に……?」
本当に絢音は何を言いたいのだろう。いわゆる「自分の胸に聞いてみろ」というやつだろうか。
(やっぱり、怒ってる? いや、この感じは違うよなあ……うーん)
何が何だかさっぱりわからないが、とりあえず言うことを聞いておくか。と、勇気はなんとはなしに右手を選び、自分の左胸──ちょうど心臓の上辺り──に手のひらを当ててみた。
むにゅり。
「!?」
──と、手のひらが、何か柔らかな物体を掴んだ。
「………………」
むにゅ……むにゅ……むにゅ……。どうして……っていうか……うん、これは非常に癖になる。
いや。
癖になるどころか……なんだかきもち──
「ふっ……ぅんっ」
!?
「はい、ストップ。……真田くん、そこまでよ」
「ひゃうんっ!? ………………って、白百合……さん?」
「ええ、私よ」
「………………。!? ぼ──っ、ぼぼぼっ、ぼくは今、一体なにを……っ!?」
ぼくは何をっていうか僕、ナニしちゃったの!?
てか……さっきのって完全に聞かれてたよね!?
(うわあああ! し、死にたい……っ、なんでか生きてたんだけど、今すぐ消えてなくなりたああああああい!!)
無様に取り乱していると。
白百合が、
「いいから……ほら、大丈夫よ。落ち着きなさい」
と言って、勇気の右手を両手で包むようにして優しく握ってくれた。
白百合は勇気よりも体温が低めなのかはじめはひやりとしていたが、しばらくそうしているうちにだんだんと温まってきて、そうなる頃には勇気もそこそこ落ち着きを取り戻していた。
それを見て、
「もう大丈夫みたいね」
と白百合が微笑む。
「……うん、ありがとう」
まだ多少ぎこちないが勇気も笑みを返した。
「どういたしまして。お役に立てて良かったわ。……それでね、真田くん。さすがにもう、気がついてると思うけど──」
「まあ……」
そりゃ気づくだろう、という話だった。
「そうよね。でも……やっぱりまだ、ちょっと認めがたいと思うから……あえて私からはっきりと伝えさせてもらうわね」
「うん」
「いい? 落ち着いて聞くのよ……?」
「……うん」
勇気がしっかりと頷くと、
「こほん」
白百合はひとつ咳払いをした。それを合図に向かい合う。
「………………」
「………………」
互いの視線が交差し、否応なしに緊張が高まる。
そして──。
「まず、見てのとおりだけどここは病院よ。どうしてかは……わかるわよね?」
「……うん」
「それで……ここからが本題なのだけど」
そう言って、彼女は握っていた手にぐっと力を込めると、その力とは反比例するように、なぜか、どこか申し訳なさそうに口を開いた。
「ええと……ね。真田くん? なんというか……その、こうして改めてとなると大変言いにくいのだけど……。あなたはこの度……えー……こほんっ、失礼。んっ、んん! あー……そのう、より具体的にはあなたというか……あなたの肉体が、というべき話なんだけどね? 勝手だけど眠っている間に色々と調べさせてもらったの。そこはまあ必要なこととして許してくれると嬉しいわ。それでね……うん、その結果それがあれでソレでアレがこうでコレなの」
「し、白百合さん?」
「……っ、ごめんなさい、取り乱したわ」
「あ、うん」
白百合はすううっと息を吸うと、表情を引き締めた。
「今度こそ単刀直入に言うわ」
「……」
白百合の剣幕に勇気はごくりと生唾を飲んだ。
「真田くん。あなたのDNAを調べた結果、元来XYであった性染色体の組み合わせが現在XXに変化していることがわかったの」
「?? ええと……?」
「詳しくは割愛するけど、性染色体というのは二十三対四十六本存在するヒト染色体うち性別を決定する一対二本のことよ」
「はあ……」
テレビで見たのだったか、授業で習ったのか……その辺は忘れたが一応、なんとなく聞きかじった覚えがある。勇気は曖昧に頷いた。
「難しい話をすれば色々とあるのだけれど……遺伝学上、ヒトを含む多くの哺乳類は性決定様式において『雄ヘテロ:XY型』というグループに分類されているの。このグループに属する生物の場合、正常な雄(男性)とはX染色体とY染色体の両方を持つ『XY個体』のことを指すわ。翻ってX染色体のみを二本持つ『XX個体』の場合、その性別は──」
勇気は自分の胸元を見下ろし、
「………………。雌、つまり……女性」
「と、いうことね」
白百合は深く頷いた。
「どうしてこんなことになってしまったのかはわからない。色々と調べたけれど現時点では何もわからなかった。けど、これだけははっきりしているわ。真田くん、中身の方はともかく。肉体的な面でいえば──今のあなたは紛れもなく女の子よ」