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マリ・キテラ、復讐に目覚める!

マリは目を覚ました。

起き上がり周りを見渡してみた。

いくつかのベッドがこの部屋一室に何個も並んである。

どのベッドももぬけの殻だ。

さらに右側には窓が見えた。外では小鳥がちゅんちゅんと鳴いている。

見たことのない部屋、見たことのない場所。


やはり本当に転生したらしい。


マリは今までのやり取りと過去を覚えていたが、信じられないでいた。


(夢だったのかも・・・?いや、むしろまだ夢の中?)


そういって半信半疑の中ふと自分の手を見る。

それは大人の女性の手ではなく、ぷにぷにした子供の手があった。


「ほえ??」


ふと出た声も酒で枯れた自分の声ではなく、あきらかに別の幼子の声であった。

急いで近くにある洗面台の鏡に駆け寄る。


「ひょえ!!」


思わず声を上げてしまった。鏡に映っていたのは幼い女の子であった。

年齢は10歳くらいであろうか。


これが転生後の姿。

ほっぺはぷにぷにしており、少し釣り目で、不機嫌そうな顔をしている。

寝起きだから黒い髪の毛はぼさぼさだ。


そうだ、これが自分の姿だ…。


この体に入る前の「マリ」についての記憶をたどる。


(たしか、私の名前はマリ・キテラ…。今年で10歳の女の子だ)

(そして、確か黒いしゃべる猫、クロロを飼っていたような…)


そうおもって、周りを見渡すとマリさっきまで寝ていたベッドに丸くなっている猫を見つけた。


「クロロ、おきておきて!!!」


そうやってクロロを揺らすと、眠そうに返事をした。


「なんだにゃ…まだねむたいにゃ…」


「それどころじゃないって!!起きてってば!!」


そうやってさらにクロロの体を揺らす。


「んにゃー、なんだにゃ…せっかくいい夢見てたのにい」


そういって眠い目をこすりながら、クロロはマリをみつめた。


「私、転生してきたの!」


「は???」


クロロは目を白黒させながら、こちらを見つめた。


マリ・キテラは孤児院に住んでいる女の子であった。

マリが住んでいる孤児院は10人ほどの子供を引き取っており、

どの子も魔法の才能があると認められた子であった。


マリももちろん闇属性の黒魔法を操る女の子として迎え入れられていた。

黒魔法はこの世界では珍しかったが同時に恐れられている魔法でもあった。

ましてやマリの才能が芽吹いたのは消滅魔法という危険極まりない種類の魔法である。

そのためマリは同い年の子ばかりか大人も近づかれず育つことになった。

まるで危険物を扱うかのように、接しられる日々。

マリは孤独に育ち、友達を持つこともなかった。

ただ一匹、使い魔である猫のクロロ以外は。


「それで目が覚めたら、自分が復讐のために生まれたことをおもいだしたってことにゃ?」


事情を説明するとクロロはふわあっとあくびをした。


「そうなの。クロロには話しておこうと思って。」

マリはぼさぼさの髪をツインテールに結いながら言った。ツインテールはマリのトレードマークの髪型である。


「まあなんとなく、いままでのマリとは違う感じはするけど」


そういってクロロはマリをしげしげと見た。

クロロにとってマリは飼い主であると同時に友人だ。

ただマリはクロロに依存気味で、何かあればしょっちゅうクロロに泣きついていた。

口を開けば「寂しい」や「なんでこんな力持っちゃったんだろう」と嘆く言葉しかいわない少女である。

正直なところ、クロロはうんざりしていたが今日のマリは違う感じがした。

目がらんらんときらめいているのである。そして、不敵な笑みを浮かべている。

獲物を狙う猫のようだな、とクロロは思った。


「それでマリはどうやって復讐するのにゃ?」


クロロは毛づくろいをしながら、マリにそう聞いた。

マリはクロロに近づきにんまり、と悪そうに笑った。


「ききたあい?」


「いいたくないのならいわなくてもいいにゃ」


「あ、ウソウソ。私も言いたいから教えてあげる!」


そういってやけにご機嫌そうに黒の隣に座る。


「私は悪い黒魔女になるの。フフフフフ」


マリの作戦は簡単にはこうだった。


①スキャンスキルで転生した元カレを見つけ出す

②不老スキルで美女のマリは色仕掛けで元カレに近づく

③男の×××を消滅魔法で消す


「ふーん。スキルを駆使するわけだにゃ」


「そう!せっかく神様にもらったスキルだもん。活用しないわけないでしょ」


「まあ、そのためにえらんだスキルだもんにゃ~。いいんじゃにゃいか。」


そうやって適当に流そうとクロロがしたそのとき、マリは立ち上がっていった。


「それでクロロに手伝ってほしいことがあるの!」


「えー、、、なんにゃ?先に行っておくけど去勢だけはごめんだにゃ」


「ちがうよ!まあ、したいんならそれでもいいけど…」


といってマリはいやいやいや、と頭を振った。やっぱりちがくて、と続ける。


「フルーツを用意してきてほしいの!」



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