表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

第八話(ジル視点)

「お父様! 絶対におかしいですよ。なぜミネアが私のフリをしてシュバルツ殿下と婚約しているのですか!?」


「知らんよ。そんなことは。ワシにも何が何やらさっぱりだ。知っていれば替え玉なんてことをするはずがないだろ」


「あー! 考えるだけで腹が立ちますわ! お父様! 私がシュバルツ殿下と結婚する方法を考えてくださいな!」


 どう考えても理不尽極まりありません。

 私の婚期が遅れて、ミネア姉さん如きがベルゼイラ王国の第二王子の妻になるなんて。

 どうして真面目に聖女として活動してきた私がこんな仕打ちを受けねばならぬのか……責任者を出せと言いたい気分です。


「無茶を言うな。ミネアがジルでないこと、つまり人質として別人を差し出したなどバレれば我が家の責任追及は免れない。ワシが爵位を失えばお前も路頭に迷うことになるのだぞ」


 お父様は私がまるで駄々っ子がわがままを言っているような感じの口ぶりでまともに取りあってくれません。

 そりゃあ、人質の替え玉がバレると国際問題に発展しそうなことくらい私だって理解しています。

 ですから、替え玉がバレることなく私とミネアを入れ替えて欲しいと願っているのですが、お父様にはそのニュアンスが伝わらないみたいです。

 

「お父様、こうは考えられませんか? 無能なミネア姉さんがシュバルツ殿下と婚約をしているこの状況――これは大ピンチであると」


「大ピンチ……だと? どういうことだ?」


「ですから、ミネア姉さんがボロを出す可能性が非常に高いということですよ。魔力が貧弱ということが知られれば一発で彼女が偽りの聖女であることが白日に晒されるとは思いませんか?」


 そうです。ミネア姉さんの魔力はカブトムシよりも貧弱。

 それこそ魔法の一つでも使わせたら粗が見えること間違いなしなのです。

 何やら怪しげな古代の術とかの勉強はしてたみたいですが、そんな小手先芸で乗り切れるほど聖女は軽くありません。

 

「そ、それは確かにあり得る。ぬぐぐ、まずい、まずいぞ、それは。ミネアがちょっとでも魔法を使わざる得ない状況になるだけで我が家は終わりではないか!」


 ようやくお父様は危機感を感じて下さいました。

 まったく、どうしてこんな簡単なことすら想像が出来ないのでしょう。

 我が家が助かる道は私とミネア姉さんを誰にも気付かれずに入れ替えることだけですのに。


「何とか、何とかならないものか。どうにかしてミネアを連れ戻さなくては」


「結婚式の前にベルゼイラに行くしかありませんよ。家族なのですからミネア姉さんと面会くらいは出来るはずですわ。そこでスキを見て私がミネア姉さんと入れ替わります」


「な、なるほど。さすがはジルだ。瞬時に我が家を救う方法を考えてくれるなんて。ワシは聡明なお前が誇らしいよ」


 お父様があまりにも考えなし過ぎて呆れてしまいましたが、何とかミネア姉さんと入れ替わる作戦を実行するように誘導することが出来ました。


 シュバルツ殿下と結婚するのは私です。ミネア姉さん、あなたには引っ込んで貰いますよ――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ