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龍の聖女ティア ~鳳翼の異名を持ち龍力を自在に操る光輝なる第13王女~  作者: 狩野生得
第一章 至龍の試練(しりゅうのしれん)
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6.伏線を張ってた聖女様、はしごを外される

 なん……だと……。


 扉の中は、真っ白な異空間。振り返っても扉はない。これはジの時と同じだ。

 そこで私を待ってたのは、ゴジラ立ちしたロボ怪獣。青っぽい金属でできてる感じだね。

 大きさと色は違うけど、3式○龍のイメージだ。あ、3式機○って言うのは、ミレニアムなメカ○ジラです。

 うん。確かに、いかにも機竜きりゅうって外見だね。


 ロボって言ったのは、体表から金属感しかしないから。ウロコも毛も、皮膚っぽさもない。

 はい。私の目には、全身像と各部の質感が両方見えてます。


 これは、いろいろとマズい状況だね~。


 一番マズいのは外見。

 ファブラージュの機竜はね、メカゴジ○と同じで怪獣王ベースだけど、ゴジュ○ス寄りのデザインなんだよ!

 私が機竜をメカ生命体って言ってたのには、ちゃんと理由があったんだよ!

 3○機龍ベースだったら、しずくはメカドラゴン的な設定にしてたと断言できるよ!

 こうなると、ここの機竜がファブラージュの機竜の設定とどれぐらい同じなのか、全然予想できないよ!


 ファブラージュの機竜は、身長20mの設定。でも、これから戦う機竜の身長は不明だ。

 だって、ここには比較して大きさがわかるようなものが、何もないんだもん!

 おかげで距離感もメッチャ怪しい。ほら、頭上を飛んでる飛行機を見上げた時って、大きさも高度もわかりにくいじゃん? それと同じことが起こってるんだ。


 結果、自分と相手がどれぐらい離れてるのかが全然わかりません!

 私の認識は、「デカいだろう奴の全身が見えてるから、それなりに離れてるよね?」なレベルです。

 これは、思ってた以上に厳しい戦いになる予感……。


「強者よ、ジとの戦いは見せてもらった」

 機械音声っぽい声が、大音量で届く。

「私は機竜プレシジョン・ドラゴンのカーズマ。全力で戦わせてもらうぞ」

 機竜と書いて、プレシジョン・ドラゴンと読ませる。これは、ファブラージュと同じだね。

 それじゃ、外見以外の設定はファブラージュと同じことを期待して、戦闘開始!


「!」

 カーズマは光のブレスを吐いてきた!

 うん。どう見ても口から出てるのは光線なんだけど、相手が竜だからブレスって言ってみました。

 そして当然……と言っていいかは微妙なところはあるが、私は雫ばりにブレスを回避。

 ふっふっふ。当たらなければ、どうということはないのだよ!


 ただ、今の状況は、あまりよろしくない。

 まず、先制攻撃をしてきた時点で、ファブラージュの機竜とカーズマの戦い方は別物だと確定した。

 ちな、ファブラージュの機竜は、序盤は相手の観察に徹し、攻撃の分析を終えたらカウンターを叩き込む。そーゆータイプです。

 なので、私が手を出すまでは、攻撃してこないと踏んでたわけ。


 私とカーズマの距離は、結構ある。

 カーズマの身長が20mだったとしたら、50mは離れてるんじゃないかな? 距離感がアレなことを考えると、もっと離れてるかもしれない。

 対する私は、すぐ目の前まで近付いて、踏みつぶされるリスク覚悟で足を殴んなきゃいけない。

 当然、近付くのは攻撃を避けながらってことになる。攻撃できるまで近付く際の難易度が、全然違ってきたわけですよ。


 ま、ここで愚痴ってても、何も始まらない。まずは、カーズマに近付かなきゃ。


 私はナルト走りで駆け出した。

 これは、雫がVRゲーム内で常用してた走り方。理由は、相手の攻撃を避けやすい気がするから。

 実際、今の私もそんな気がしてる。

 うん。カーズマはブレスの他に、目からビームを撃ってきてる。そーゆーのがバンバン飛んできてるけど、全然当たる気がしないんだ。


 当たらない理由の半分は、カーズマの攻撃が正確だから。

 プレシジョン(精密)・ドラゴンだけあって、カーズマの照準は超正確。一瞬でも足を止めたら、確実にられてる。

 機を見るに敏と言うだけあって、私の行動を読むのもうまい。走る速度や方向を変えるタイミングなんかを、高確率で予測できてる。

 でも、それは逆に言うと、カーズマのさらに先を読めれば、避けやすいところに攻撃を誘導できるということ。

 雫の身体能力を引き継いだ私には、それができるのだよ!


 そして、カーズマの攻撃を避けられるもう一つの理由。嬉しすぎる誤算があった。

 私の身体能力、想像以上に上がってた! モブ兵士なんて目じゃない! 聖騎士の中堅どころぐらいあるんじゃね?

 いや~、体が動く動く! 速いし全然疲れない!

 ヒャッホイ! テンション上がってきた!


  ☆


 私、カーズマの足元に到達。

 間近で見上げると、身長は7階建てのマンションより少し高い感じ。およそで25mかな? ファブラージュの機竜より、少しだけど確実にデカい。

 遠目で見た通り、体表は青みかかった金属。色合いからして、アダマンタイトっぽいね。

 この世界のアダマンタイトは、オリハルコンと並んで、硬くて丈夫な金属の双璧だ。

 攻撃系の魔法や効果を付与しやすいオリハルコンは武器に、防御系の魔法や効果を付与しやすいアダマンタイトは防具に向いてるとされてる。

 そんなアダマンタイトの装甲を持つカーズマは、千花裂孔拳せんかれっこうけんをお披露目するのに最高の相手だね。


 カーズマは足元にいる私に、目からビームを放ってくる。ブレスは照射範囲が広いので、足への誤射が怖い模様。

 そんなカーズマに、私は正直、感心してる。正確には、この世界の機竜をデザインした誰かに、だけどね。

 普通、ロボットってさ、関節がないから胴体は曲げられないんだよ。同様に、首も下を向かない。

 ガ○プラ作った人ならわかると思うけど、立った状態でつま先に視線を向けるのは、メッチャ大変。無理くり実現させると、超不格好になる。

 でも、カーズマにはちゃんと関節があって、不格好じゃない姿勢で足元にビームを撃ってるんだよ。


 ……うん。しょーもないことに感心してる場合じゃないね。


 私は自動回復魔法オートキュア自動蘇生魔法オートリザレクを使ってから、千花裂孔拳の準備に入る。

 体内で闘気を高め、全身を巡らせる。

 足を少し広げて腰を少し落とし、両拳を軽く握って腰にそえる。

 軽く息を吸ってから、カーズマの足を砕くイメージを浮かべる。

「千花裂孔拳!」

 力・スピード・闘気が三位一体となった私の両拳が、ペガ○ス流星拳ばりに炸裂! アクション的にはスターなプラチナの方が近いかな?

 カーズマの足に、小さなひび割れがいくつかできた。

 そして、拳が当たる度、私の体に半端じゃない反動! 自動回復魔法を使ってなかったら、マジ死亡してた……。


「むう」

 予想できてたけど、流星拳って、メッチャ丈夫な相手に不向きだね。

 まあ、最初の一回は、千花裂孔拳が効くかどうかを確かめるのが目的だったから、予定通りなんだけど。

 次からは彗星拳タイプで一点に集中しよう。


  ☆


「千花裂孔拳!」

 バキィーーン!

 彗星拳タイプの千花裂孔拳を叩き込むこと15回! カーズマの右足外側の装甲が砕け散った!

 メカメカしい内部が露出する!

 おっしゃー、もう一回!

「千花裂孔拳!」

 装甲と比べると明らかにやわいメカ部を、これでもかと殴る。

「グワッ!」

「!?」

 カーズマが苦痛の声を上げた。

 メカ部はベコンと大きく凹み、その表面がボコボコになった状態。

 装甲が砕けても平然としてたのに、何故……?


「ん?」

 ビームを避けてる私の目に、まったく予想してなかった光景が映る。

「!」

 マジ? カーズマのメカ部、ゆっくりだけど復元してきてるんですけど!

 これって、形状記憶合金? それとも、生きている金属?

 まさか、装甲の下には過剰回復魔法オーバーキュアが効く……?


 考えたと同時に体が動く。カーズマのメカ部に手をかざす。そして呪文を。

「過剰回復……!」

 過剰回復魔法を邪魔するような、カーズマのビーム攻撃。

 なるほど、カーズマは私とジの戦いを見てたんだった。

 でも、ありがとう。おかげで過剰回復魔法が効くってわかったわ。

 だったら、これでどう?

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


 前話のあとがきに書いた機竜と機龍のミス、やっぱりありました……。

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