49.閑話 少女たちのお茶会 その3
ここは真っ白な空間。
五人の女性が真っ白な円卓を囲んでいる。彼女たちの椅子も真っ白だ。
上座は青い髪の少女。
そこから左回りに黄色い髪のお姉さん、白い髪の少女、赤い髪の少女、黒い髪の少女になる。
上座の左隣には給仕用のワゴン。
黒い髪のお姉さんがメイド立ちで控えている。
彼女たちは世界の管理者。
普段はバラバラに過ごしているが、節目ごとに集まり、こうしてお茶会を開く。
話題をふるのは、主に青い髪の少女だ。
「ふう。今回はティアちゃん、ヤバかったね~。F、Z、A、GJ」
「フッ、お戯れを。いざとなれば、貴女様がなんとかなさるおつもりだったのでしょう?」
返したのは黒い髪のお姉さん。それが毎回のことなので、咎める者はいない。
「まあ、そうなんだけどね。でもね、あんな物まで黙認して、実際に使わせるとはね~。さすがに思ってなかったよ」
「えっ、そうだったんですか?」
驚いているのは、黄色い髪のお姉さんだ。
「うん。だってさ、魔法力を大量破壊兵器にまで使われたら、威力に歯止めがなくなるじゃん」
「ええっ!? じゃあ、私、止めなきゃいけなかったんですか?」
「うん。あれの発展形をティアちゃん級が四人で使ったら、世界どころかキミまで消せるよ?」
「えええっ!?」
「いいかい。私たちも不滅じゃない。理で消滅を免れてるだけだ」
「あ、はい。確かに、そうですね」
「じゃあ、理にない攻撃を受けたら、どうなると思う?」
「……? どうなるんでしょうか……?」
「フッ、理にある通りにダメージ計算され、HPが減るでしょうね。それで消えるとは限りませんが」
「はい、正解。それでだ、魔法力を応用した大量破壊兵器は、まだ理になってないんだよ。その威力が天井知らずに上がったら、ヤバいよね?」
「「「私たちも、そう思います!」」」
三人の少女が見事にハモった。
「ほらね。キミぐらいだよ、配下に任せっきりで、ただ見てるだけの管理者は」
「はわわわ……」
「フッ、私が少しだけ遊び心を出したばかりに」
「いいや、違うね。今回のは、遊び心じゃないだろう?」
「フッ、私は遊び心だと確信しておりますので」
「……まったく、見習いなのに、いい度胸してるよ。でもね、次はないから。覚えておくように!」
青い髪の少女と黒い髪のお姉さんの視線がぶつかり合い、激しく火花を散らした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回のお茶会も、安定の短さです。
でも、ここでしか書けないこともあるのです。
物語の進行には必要なのです。
余った時間で次章の展開を考えられますからね~(笑)
というわけで、次回は明後日更新の予定です。




