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30/53

30.大部分は聖女様、最後は○○がお送りします

 エリシュは旧ディマンド領に関わらないと決めた。

 でも、他の大国はそうじゃない。


 北の大国――マルクト聖国は、聖女を使った勢力圏の拡大を公然と始めた。

 ディマンドが一つの国だった間は、聖女が分担で各地を巡回し、瘴気しょうきを浄化していた。

 でも、小国に別れた今、自国にいる聖女を他国に回す王など、いるはずがない。

 聖国はそこにつけこみ、聖女不在の小国を次々と配下にした。


 まず、「聖女を巡回させるから」と教会に転移門ゲートを設置するよう持ちかけ、移動手段を確保。

 聖女より先に聖騎士団を送り込み、支配下に入るよう要求したの。

 聖騎士団に勝てる戦力を持たない。なにより、瘴気の沼が生み出す魔物は、自分たちの手に負えない。

 小国は、聖国の属国か飛び地になる以外に生きる道がなくなったわけ。


 西の大国――バトランチス帝国は、不気味な沈黙を貫いてる。

 大陸最大の領土を持つこの国は、都市伝説的な噂以外は全てが謎。

 私が生まれたころに皇帝が変わったらしくて、それ以降は、実質的な鎖国状態なの。

 幸いにも地理的に離れてるから、エリシュ的には当面スルーね。


 と言うわけで、エリシュは対聖国に全力で備えてます。

 国境は接してないけど、間の小国は無いのと変わりないからね~。



 これだけの大騒動に深くかかわった預言者レイ・オニキスは、現在行方不明。


 私が消した勇者軍団の中に、金髪碧眼の人間はいなかった。

 茶髪碧眼とか、金髪黄眼はいたんだけどね~。

 目立ったところでは、ネコ耳とクマ耳の獣人が各一人、半竜人ドラゴニュートが二人いましたよ。


 何? なぜそう言い切れるのかって?

 それはだね、私は視力がいいだけじゃなく、見た光景ものを写真みたいに覚えているからなのだよ。自分に都合がいいところだけだけどな!


 実際のところ、預言者が最前線で敵とバトるなんて、そうそうないよね。普通は安全なところから、トンデモな方法で見てるよね。


 こそっと聖国に戻ってても、私は驚きませんよ。



 それじゃ、区切りがいいところで、現在の私のステータスを見せておこう。

 帰国してから色々調べてカスタマイズしたし、新しくゲットしたスキルの類は概要だけ触れてスルーしてきたからね。


「ステータス!」


 最初に、タブの説明。

 タブは追加・削除・並べ替え・名前の変更ができる。最初に表示されるのは、左端と決まってる。

 私は左から順に、基本情報、能力、魔法、戦闘系スキル、非戦闘系スキル、称号と並べてる。

 タブの表示項目は、追加・削除・並べ替え・名前の変更ができる。追加する項目は、リストから選ぶ形式だ。


 基本情報はデフォのまま。タブの並びも左端から変えてない。


 種族:人間

 名前:ティアーユ・マート・マルクト・エリシュ

 年齢:15歳

 総合力:SS


 こうしてるのには理由がある。 

 便利魔法の熟練度ランクがSになると、スタータスで他者――他の人や魔物・動物――のデータを見られるようになる。

 逆に言うと、熟練度ランクがS以上のステータス使いに、自分のデータを公開することになるわけ。

 その内容が、左端のタブ。

 チェックする時に楽だからと、そこにアレコレ集めると……。

 はい。そーゆーことです。



 今回は左から順番。次のタブは能力よ。


 HP:10000/10000(10000)

 MP:10000/10000(10000)

 ST:10000/10000(10000)


 STR:10000(10000)

 INT:10000(10000)

 DEF:10000(10000)

 REG:10000(10000)

 SPD:10000(10000)


 火耐性:D(C)

 水耐性:D(C)

 風耐性:D(C)

 土耐性:D(C)

 光耐性:B(A)

 闇耐性:S(S)


 聖女衣セイントローブを着てるから、耐性が1ランク上がってる。

 S(無効)からSS(50%吸収)へのアップは、聖女衣の効果(1/4軽減)を超えてるので無理な模様。


 能力値は変化なし。でも、新たに分かったことがある。

 それは、数値表示はカンストでも、実際にはそれ以上の値が、キチンと処理されてるってこと!


 気付いたきっかけは勇者王。

 私のスキルで弱体化してたはずなのに、(STR)防御力(DEF)は私以上だった。

 戦闘中に見てる余裕はなかったから、ばいマックスした私の力が2万ジャストだったと仮定しよう。

 勇者王の素の力は、スキルで弱体化してたなら20万オーバー。スキルを無視できてたとしても、2万を超えてたわけ。


 ついでに、自分の総合力がSSなのも納得したわ。



 次は魔法ね。


 生活魔法:D

  ライト、クリーン、魔法の袋

 便利魔法:S

  ステータス、鳳翼天翔フェニックスウイング*、鳳凰天駆フェニックスライナー

 火魔法:S

  小火球モスボ極大プラズマ火球(モスボルクダン)小爆発バゴ灼熱地獄スルトムゥジザ天帝の龍撃(インペラトルドラコ)

 水魔法:S

  小水球ビショボ氷弾グラバ洪水プリミラ絶対零度(アブソリュート・ゼロ)凍結地獄コキュートス凍結地獄・不殺(コキュートス)

 風魔法:S

  暴風ウラガン雷霆インドラ

 土魔法:S

  隕石群メテオ地震スィシモス

  豊饒の土(シノー)

 光魔法:SSS

  神聖滅却光マズダ

  回復キュア範囲回復エリアキュア仲間回復パーティキュア自動回復オートキュア完治パーフェクトキュア

  蘇生リザレク範囲蘇生エリアリザレク仲間蘇生パーティリザレク自動蘇生オートリザレク

  過剰回復魔法オーバーキュア

 闇魔法:S

  冥府幽閉闇アリマ魔法拒絶領域イテハクロギリ凍結幽閉ジュデッカ


 生活魔法は、とある目的があって、ランク上げ中です。


 鳳翼天翔フェニックスウイング鳳凰天駆フェニックスライナーは、オリジナルの便利魔法。

 便利魔法のランクがSになってるのは、新魔法――(イコール)オリジナル魔法を創るための条件だったからよ。

 本来は逆な気がするんだけど、もらえたモノは、ありがたく使わせていただきます。


 相手を殺さない凍結地獄・不殺(コキュートス)は、オリジナル。

 それを冥府幽閉闇アリマと合成した凍結幽閉ジュデッカは、闇魔法になった。謎空間に幽閉するのがメインだから、こうなったんだと思う。



 次は戦闘系スキルね。


 体技スキル

  拳:SS

   魔法拳まほうけん千花裂孔拳せんかれっこうけん*、毛枯破細拳もうこはさいけん

   流星拳、彗星拳、闘気拳、闘気弾、千花裂孔弾せんかれっこうだん

  蹴:S

   ふみつけ

  格闘:S

   タックル


 体術スキル

  防御:S

  回避:SS


 回復力上昇スキル

  HP回復速度UP:S

  MP回復速度UP:S

  ST回復速度UP:S


 冒険者スキル

  鑑定:S

  瘴気しょうき感知:B

  気配感知:C


 戦闘補助スキル

  ラーニング、行動分析、行動予測、破魔の秘法、ばいマックス


 称号スキル

  瘴気浄化、王権発動、龍聖女絶対領域、龍聖闘気ミーティアオーラ


 拳がSSにランクアップ! これは、人類史上最強レベルです。

 オーク軍団を吹っ飛ばしたり、冒険者ズを瞬殺したり、いろいろやったからね~。


 回避もSSにアップ。

 これは、格上の勇者王相手にヒット&アウェイで戦った成果だね。


 瘴気感知と気配感知は冒険者スキル枠。

 ランクが上がれば、魔物の種類とか、右手を挙げたとかも、わかるようになる模様。


 龍聖女絶対領域と龍聖闘気ミーティアオーラは、聖女衣セイントローブ着用時限定のスキル。

 脱ぐと、龍聖女絶対領域は龍聖女領域になり、龍聖闘気ミーティアオーラはグレーアウトします。



 次は非戦闘系スキル。


 生産スキル

  調合:S

  付与:SS

  栽培:S


 社交スキル

  礼儀作法:C

  会話:D

  ダンス:D


 聖女の羽を量産したので、付与がSSにランクアップ! これは、前人未到の偉業レベルです!


 社交スキルは3つとも1ランクアップ。

 母国で王族の自覚をもって生活してるから、自然に上がった感じだね~。

 やっぱ、座学&練習より実践ですよ。

 ダンスが上がってるのは、歩き方や仕草を意識してるからだと思われます。



 最後は称号。


 聖女、魔王、魔神、王族、天賦の才、鏡竜かがみりゅう撃破、機竜きりゅう撃破、魔竜まりゅう撃破、弩竜どりゅう撃破、龍の聖女、拳王


 拳がSSになったので、拳王が増えてます。

 効果は魔王と同様、パンチ攻撃が必ずクリティカル(必中&防御力無視&威力2倍)になります。


 ちな、勇者の称号は、勇者召喚された者に与えられます。

 なんでそんなことを知ってるかと言うと、ステータスのヘルプが充実したから!

 生活魔法のランクを上げてるのも、ヘルプで見たからです。

 何がどうなるかは、まだ秘密ですよ?



 当面の優先課題は、拳をSSSに上げること。拳神になると、パンチが貫通攻撃になるからね。

 勇者王みたいに魔法が仕事しない相手と戦うには、必須と言っていい。

 ついでに、蹴と格闘も上げたいね。技のレパートリーも増やしたい。


 と言うわけで、今日もアナト義母はは上とスパーリングしてきま~す!



  ★ ★ ★ ★ ★



 ディマンドを後にした私、レイモン・クラーク――おっと、今はレイ・オニキスだったな――は、とある小国に滞在していた。

 ワイ・ズマン敗北のしらせは、この国にも流れてきた。

 まさか!? という思いもあったが、やはり……とも思った。


 神の望みは世界の変革。

 ワイ・ズマンが勝てばエリシュが乱れ、負ければディマンドが割れる。

 どちらに転んでも、目的は達せられたわけか……。


「レイモンよ、エリシュの脅威を教会に訴えるのです……」

「!?」

 御言葉は意外過ぎた。

 神は聖国も変革なさるおつもりなのか……?



第二章 勇者という名の災厄 了

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


 レイのパートが短いのは仕様です。

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