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15.厨二でムー脳な聖女様、世界をレクチャーする

 最初に言っておくわ。

 今回は説明回よ。


 幕間に入ってるから予想できると思うけど、ストーリーは進まない。


 なんでこんな愚挙に出たかというと、第一章が狭すぎる範囲の話だったからよ!


 第一章は全13話で四万字超。それだけ使って、私が何をしたか……?


 聖域ディルムンで竜を4体倒して龍の聖女になった。これだけよ!


 私以外に名前があった登場「人」物は一人だけ!

 私の行動範囲は聖域のごく一部だけ!


 なのによ、第二章じゃ、どうなると思う……?


 私の両親とか兄弟とか、登場人物が一気に増える!

 事情があって、国中をアチコチ出歩く!


 それと並行して世界の一般常識とか国の特徴とか説明してたら、話が進まないのよ!

 無駄に文字数を使うのは、厨二な技名とネタだけにしたいのよ!


 というわけで、幕間を一話で済ます予定を急遽変更。

 バレても構わない範囲で、インキビットのアレコレを説明することにしたわけ。

 本編で初出の際にも軽く触れるけど、予め知っておいてもらえると助かるわ。



 それじゃ、地理編からスタート!


 はじめに大海があった。そこから龍神が現れた。

 龍神は星をめぐり、羽休めできるところを探した。

 龍神は星に陸がないことを知ると、力強く羽ばたいた。

 大いなる羽ばたきは、大海の水の半分を吹き飛ばし、さらには海底の土も吹き飛ばした。

 宙まで飛んだ水は二つ所に集まり、夜空を照らす月となった。

 それが大の月アンサルと、小の月キサルの始まりである。

 飛ばされた土は一つ所に集まり、広大な陸となった。

 水を飛ばされた大海は、陸を覆うことができなくなった。

 それが超大陸パンゲイアと、超大洋パンサラーサの始まりである。


 マルクト教の創世記には、そう書いてある。

 なので、私たちが住んでる大陸は、パンゲイアと呼ばれてる。


 そして海には、海岸線を領土に持つ国の名前が付いてる。

 エリシュは大陸東部の大国。なので、東の海はエリシュ海と呼ばれてる。

 そんな感じで西の海はバトランチス海、南の海はディマンド洋だ。

 東西が海で南が洋なのは、大陸が東西に長いからよ。


 海に面した小国もあるけど、大国に彼らの声は届きません。

 実際の話、小国は簡単に滅ぶからね~。

 その都度海の名前を変えるなんて、迷惑で面倒以外の何物でもないです。


 北の海だけは例外で、北パンサラーサと呼ばれてます。

 というのもですね、北部の大国は、神の名がついた宗教国家なのですよ。

 それを海の名前にするのはちょっと……って話です。


 そんなインキビットの海の沖合には、半端ない数の魔物がんでます!

 ○NE PIECEの海Oh!()類なんて目じゃないのがゴロゴロしてます! あ、ウジャウジャの方が適切かな?

 そうだねー、今の私でも航海に出たくないレベルって言えば、わかってもらえるかな~?


 なので、2000年以上あるインキビット史上、コロンブスみたいに新大陸発見の航海に出た人はいません。


 まあ、これは創世記に書いてないからってのも、理由だけどね。


 神の声が実際に聞けるインキビット人は、割と真面目に教典を信じてます。

 龍の聖女が都市伝説扱いされてたのは、教会に記録がなかったから。根拠なしに教典を疑うなんて、おそれ多くてできません。


 実際の所、パンゲイア以外の大陸がある可能性は低いと思う。

 理由は、聖域に修行に来てた聖女が全員、パンゲイアの出身だったから。

 神託は世界中で下ってる。パンゲイアの外にも国があるなら、当然、そこからも聖女が来てたはずでしょ?



 パンゲイアには、いろんな種族が住んでいる。


 一番数が多いのは、私たち人間。全ての能力が平均的なのと、英雄や聖女が生まれやすいのが特徴ね。

 数が多いのと、突出した力の持ち主が出やすいおかげで、四つある大国のトップは全てが人間よ。


 次に多いのが獣人。ケモミミとシッポがある人族ね。犬、猫、ウサギなど多種多様。人間が耳とシッポを付けたレイヤーみたいな人もいれば、リアルな着ぐるみを着てるような人もいる。レイヤーな人の中には、感情の高ぶりなどで獣化する人もいるわ。

 特徴はベース――と言っていいのかな?――になってる獣と同じよ。鼻が良かったり、耳が良かったり、力が強かったり。


 その次に多いのはエルフ。とがった耳が特徴の人族よ。魔法に優れるけど筋力は残念な人が多いわね。長命な精霊種よ。

 無印のエルフの他に、ハイエルフ、ダークエルフ、エロフなんかもいるわ。


 エルフの半数ぐらいしかいないのがドワーフ。がっしりした体型の人族よ。筋力に優れるけど魔法は苦手な人が多いわね。

 エルフと同じく精霊種なんだけど、寿命の個体差が激しいわ。エルフ並みに長命な人もいれば、人間より短命な人もいるの。

 それがほとんど遺伝しないので、人類学上の謎とされてるわ。


 数が極端に少ないのが魔族。青みがかかった肌が特徴の人族よ。エルフ以上に長命で、すべての能力が人間の上位互換という、とんでもないチート種族!

 出生率が極端に低いことだけが、種族としての弱点ね。


 いま挙げた五種族が、インキビットの人族よ。

 人権が認められてて、種族を理由にした差別は禁じられてるわ。建前上……だけどね。

 エリシュではあまりそういう話を聞かないけど、大陸の西の方では差別が横行してるところもあるらしいの。



 人語を解して直立二足歩行する生き物は、他にもいるわ。

 ゴブリン、コボルド、オーク、オーガ、デーモン、それとゾンビやグールなどのアンデッド系よ。

 こいつらは魔物。人族との線引きは、交配で混血種ができるか否か。

 魔物と人が交わって生まれる子は、親の性別にかかわらず、100%魔物になる。


 魔物は人族に害をなす存在。

 見つけたら討伐する以外の選択肢はないわ。


 ただねー、デーモンの討伐は、結構大ごとなんだよね~。

 デーモンの下っ端・レッサーデーモン1体の脅威度はB。これは、街の冒険者ギルドが総力で挑むレベルです!

 但し、勝てる保証はありません!

 はい。そ-ゆーことなんですよ……。



 話の流れで冒険者ギルドが出てきたから、次は社会編。


 インキビットにも冒険者ギルドがある。ついでに商業ギルドもある。

 どちらも国という枠組みを超えた組織なので、ギルドカードは世界中で身分証として使える。

 また、ギルドカードに記されるランクは、世界共通の基準で算出されている。

 だって、「A国のBランク冒険者がB国でBランクの討伐に参加したら、完全に戦力外だった」なんてことになったら、困るでしょ?

 実際の運営は、各国の本部が取り仕切ってる。国との力関係も、それぞれ異なってるわ。


 冒険者ギルドは、手に職を持たない者や失業者を救済する役割も持ってる。

 最低ランクの依頼でも、真面目にこなせば食事付きで安宿に泊まれるぐらいは稼げるからね。



 マルクト教の教会も、国という枠組みを超えた組織だ。

 龍の聖女な私は聖域直属だけど、普通の聖女は教会の所属になる。

 教会は街や集落のほぼ中央に建てられ、聖女はそこに常駐または滞在して、瘴気しょうきを浄化する。

 芳香剤が香りを広げるみたいに、浄化パワーを広げるイメージだね。

 一度浄化したところは、しばらくの間、瘴気が発生しにくくなる。

 なので、聖女は各地を巡回できるわけ。

 全ての教会に聖女が常駐するのが理想なんだけど、現実は厳しいわ。


 教会には孤児院が併設されている。

 そして、孤児院でスレずに育った女の子は、聖女の神託を受けることが多い。

 これは偶々(たまたま)かもしれないけど、実はそうじゃないのかもしれない。



 マルクト教は奴隷を認めてるから、インキビットには奴隷制度がある。

 奴隷の大半は犯罪奴隷よ。刑務所がないから、代わりに奴隷として働くってわけ。

 王城や聖域じゃ見かけなかったけど、今後は街に出ることもあるだろうから、見かけることもあると思う。



 最後に、技術レベルや文化レベルを話しておくわ。


 まず、いわゆる機械はない。電気や化石燃料がないからね。

 その代わり、魔法力で動く魔道具が普及しつつある。そーゆー物を創る名人が、エリシュにいるからね。

 今のエリシュは、昭和の高度成長期が始まった頃の日本ってイメージかな。

 ただ、その当時の日本と違って、お手本がないからね~。

 どう進んでいくのかは、全く予想できない。


 意外に思うかもしれないが、衛生概念はしっかりしてる。

 うがいや手洗いはもちろん、上水と下水の概念もあって、キッチリ実践してる。

 これ、タネを明かせばマルクト教の教典に出てるからなんだけどね。

 Q約な聖書の十戒みたいな感じで、しっかり書いてあるんです。


 なので、しずく目線で見ても、「田舎の生活」レベルだね。「アリエナイ」レベルじゃありません。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


 作中でも触れた通り、設定の一部をまとめて先出ししました。

 これで、今後は話の展開が少しは速くなるはず……。

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