11.魔法使い聖女様、灼熱のきらめきを放つ
「ステータス」
基本情報に変化なし。
まずは称号のチェックから。
聖女、魔王、魔神、王族、天賦の才、鏡竜撃破、機竜撃破、魔竜撃破
前の2竜と同様、魔竜撃破の効果は魔竜の力を得るという物。
それが魔法拒絶領域と破魔の秘法ってわけだね。
次は魔法タブを表示っと。
「!?」
私、目をゴシゴシするAAを貼りたい気分です!
生活魔法:E
ライト、クリーン、魔法の袋
便利魔法:G
ステータス
火魔法:S
小火球、極大プラズマ火球、小爆発、灼熱地獄
水魔法:S
小水球、氷弾、洪水、絶対零度、凍結地獄
風魔法:S
暴風、雷霆
土魔法:S
隕石群、地震
豊饒の土
光魔法:SSS
神聖滅却光
回復、範囲回復、仲間回復、自動回復、完治
蘇生、範囲蘇生、仲間蘇生、自動蘇生
過剰回復魔法*
闇魔法:S
冥府幽閉闇、魔法拒絶領域
六種類ある属性魔法のヤバい魔法を軒並み覚えてるんですけど!?
天の声が獲得を告げたのは、魔法拒絶領域だけなんですけど?
よく見ると、熟練度ランクも上がってるし、火と水以外は初級の攻撃魔法をすっ飛ばしてるね。
これは……。
……。
なるほどね。
王権発動が仕事して、ラーミアスが覚えてた魔法をゲットした。
属性魔法の熟練度ランクがSなのは、魔法拒絶領域の取得に必要だったからか。
それじゃ、新しく覚えた魔法をザッと説明しておこう。
最初は火魔法。
小火球は火球を飛ばして攻撃する初級魔法。中級魔法は火球、上級魔法は大火球よ。
極大プラズマ火球は火球系の究極魔法。火球系だけど、見た目は光球と言った方がいいわ。
小爆発は爆発魔法。中級魔法は爆発、上級魔法は大爆発よ。味方も巻き込むので、使うときは要注意よ。
灼熱地獄は火魔法のヤバい奴。分子振動で対象の温度を一気に上げるの。たいていの物は、溶けるか燃えるか蒸発するわ。
次は水魔法。
小水球は水の球を飛ばして攻撃する初級魔法。中級魔法は水球、上級魔法は大水球よ。当たるころには球じゃなくなってるけど、それは言わない約束になってるわ。
氷弾は氷を飛ばして攻撃する初級魔法。中級魔法は氷塊、上級魔法は氷山よ。ちな、氷山は上から落ちてきます。
ここからはヤバい奴よ。
洪水は大量の水を(どこかから)召喚して洪水を起こす。処理前の下水が召喚されたりしら、別の意味でもヤバいわ。
絶対零度は、対象を構成する分子の運動エネルギーを、問答無用で全て奪う。相手は死ぬわ。
凍結地獄は対象の全ての活動を問答無用で凍結する。絶対零度と違い、広域にも使用できる。絶対零度と同様、相手は死ぬわ。
続いて風魔法。これはヤバい奴しかない。
暴風は、その名の通り。暴風で広範囲を攻撃できる。範囲内にいると、使用者も巻き込まれるので注意。
雷霆は広範囲に無数の雷を落とす。使用者は雷に当たらないけど、倒木などの二次被害には巻き込まれるので注意。
土魔法もヤバい奴しかないわ。
隕石群は隕石の雨を降らせる。使用者が注意する点は雷霆と同じ。あまり大きいのを落とすと、生物の大量絶滅を引き起こす恐れがあるわ。
地震は直下型地震を起こす。広域破壊が可能。当然、使用者も巻き込まれるので注意。
光魔法もヤバい奴だけだね。
神聖滅却光は、神聖な光で全てを極微に返す。わかりやすく言うと、全てを原子に分解する。
闇魔法も負けてない。
冥府幽閉闇は、脱出不可能な謎空間に対象を閉じ込める。最も神に近い男に聖衣の修復家が手を貸しても脱出できないって言えば、凄さがわかるかしら?
魔法拒絶領域は、全ての魔法を無効にするエリアを使用者の周りに作る。エリア外からの魔法攻撃も無効化する。
最後は戦闘系スキルね。
体技スキル
拳:S
魔法拳、千花裂孔拳*、毛枯破細拳*
流星拳、彗星拳、闘気拳、闘気弾、千花裂孔弾*
体術スキル
防御:B
回避:A
回復力上昇スキル
HP回復速度UP:A
MP回復速度UP:S
ST回復速度UP:A
冒険者スキル
鑑定:S
戦闘補助スキル
ラーニング、行動分析、行動予測、破魔の秘法
称号スキル
瘴気浄化、王権発動
拳スキルが増えてるのは、昨日の訓練の成果よ。
○○拳は直接殴る攻撃、○○弾は闘気を飛ばす攻撃になるわ。
そして、破魔の秘法が戦闘補助スキルに入ってる。
その効果は……魔法やスキルの破魔力を極限まで上げ……る……?
またしてもチートスキルキターーーーーー!!
これ、相手は魔物限定だけど、初級魔法の威力を上級魔法並みに、初級技の威力を上級技並みにしてくれるスキルよ!
ラーミアスが大火球並みの火球を使ってたのも、このスキルの効果だったわけね。
……ん? それだと、ラーミアス視点じゃ私も魔物……? まあ、ステータスに大災害級認定されてるから、魔物には違いないわね。
これでスキルのチェックは終了。弩竜との戦い方も決まったわ。
私は弩竜の扉を開け、最後の試練の場へと向かった。
☆
「なっ!?」
真っ白な異空間に着いた私は、思わず身構えた。
弩竜……どんだけデカいんだよ!!
その姿は、鉱石っぽい甲羅のカミツキガメ。但し、頭は竜っぽい。
そして、もう一度言うが、デカい。
魔竜より大きく見えてるのに、明らかに魔竜より遠くにいる。距離感が怪しいこの場所で、そう言い切れるほどデカい。
例によってファブラージュの弩竜と外見が違うので、200mかどうかは不明です。
弩竜が口を大きく開き、頭を動かす。ブレスじゃない。これは……咆哮?
「!」
不意の危機感!
私は両手で耳をふさぎ、防御の姿勢をとった!
「GWAOOoooooooo!」
とてつもない大音量! 大気が震えた! 衝撃波が通り過ぎた!
いやいや、これ、音量兵器じゃん。踏ん張らなかったら、私、飛ばされてたよ?
モーション見てから音が来るまで二秒ほど。……ってことは、600mは離れてる? じゃあ、弩竜は250m超えてるってか……?
ついでに、倍返し能力の意外な欠点が判明した。
今のは弩竜が吠えただけ。つまり、攻撃の意思はない。
こんなトンデモな破壊力があるのに、単なる咆哮だから攻撃と判定されない模様……。
うん。過信は禁物やね~。
弩竜が口を動かした。今度は何か言った模様。長めの言葉は、少し遅れてやってきた。
「オレサマ、バリモーア。ドレッドノート・ドラゴン。オマエ、ツヨイ。オレサマ、ウレシイ」
この話し方、脳筋な魔物のテンプレだね。
そして弩竜はドレッドノート・ドラゴン。ファブラージュと同じく、デカくて強くて脳筋な竜だ。
バリモーアが突進してきた!
足運びのペースはアフリカゾウ並み。でも、メッチャ大きいのでメチャメチャ速い!
謎素材の床が揺れる! そこを走るのは、正直、めんどいです。
でもね、それは問題にならないの。
だって、この勝負は大魔法で勝つって決めてたからね。
私から近付こうが、バリモーアが近付いてこようが、やることは同じなの。
私は両手を前に突き出し、魔法力を集めた。そして破魔の秘法を使い、呪文を唱える。
初級魔法の威力を上級魔法並みにするスキルを究極魔法に使うとどうなるか?
その答えは、これよっ!
「極大プラズマ火球!」
私の両手の先にプラズマ火球が現れ、神龍っぽい龍の形になる!
その色は深い青。それは、とてつもない高温の証!
龍は宙を泳ぎながら、急激に大きくなる!
巨大化しながら、バリモーアに向かう!
そして大きく口を開き、バリモーアを飲み込む!
ジッ。
短い音だけを残し、バリモーアは消えた。
龍は体をくねらせながら上昇。上空でとぐろを巻くと、七つの球に分かれて飛び散って消えた……。
いやいやいやいや、どこのドラ○ンボールだよ!
しかし、まさかプラズマ火球が龍の姿をとるとは……。
これは、大魔王のメ○ゾーマが火の鳥の姿をとったのと関係が……?
《条件を満たしました。オリジナル魔法<天帝の龍撃>を習得しました》
《条件を満たしました。称号<弩竜撃破>を獲得しました》
《称号<弩竜撃破>の効果により、スキル<倍マックス>を獲得しました》
『弩竜の扉クリア。選択の間に戻ってください』
天の声に続いて御使い様の声。
これで試練を全部クリアしたわけだけど、まだ実感がわかない。
とりあえず、選択の間に戻ろう。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
攻撃魔法の名前、頑張って考えました。全部じゃありませんけど……。
火と水以外の初級攻撃魔法が無いのは、ラーミアスが覚えてなかったからです。
それっぽい名前を思いつかなかったからじゃ、ありませんよ?




