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プロローグ 八
それから僕は夢中になってその小説を読み進めた。それは家ではもちろんのこと、中学校の読書タイムの時間にも僕はその本を読んだ。
ちなみに僕は今もそうであるが中学時代から眼鏡をかけていて、いわゆる「真面目なタイプ」の生徒であった。その眼鏡もおしゃれなタイプではなく、レンズの分厚いものだ。それにどちらかというと友達を作るのが苦手で、クラス内のいわゆる「目立つタイプ」の生徒たちからよくからかわれていた。
(しかし「いじめられた」という感覚を僕は当時持っていなかった。…単に僕が鈍かっただけかもしれないが。)