表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Waldeinsamkeit ヴァルトアインザムカイト

作者:鳥辺野 九
 一人の男が電子の海に溶け出して還って来なかった。
 
 ある電脳装備者は言う。電脳空間へダイブしていると、もっと深く、もっと深く潜りたくなる。仮想の海の真っ白な奥底に、何かが待っているような……。そう思う瞬間がある。
 
 近年になり、長期間電脳接続中に原因不明の意識喪失状態に陥り、電脳空間からの帰還が出来なくなる症例が報告されていた。電脳装備者達は未帰還者を、広大な海を漂流する者になぞらえて『ドリフター』と呼んでいた。
 
 これは厚生労働省電脳保健倫理委員電脳解析担当官、砂原園の対ドリフター治療に関する報告である。

 仮想と現実を行き来し、思い出を自在に編集し書き換えて、自分が何者なのか答えを求める。
 
 仮想世界から誰が還って来て、誰が還って来れなかったのか。電脳空間に溶けて失われて、そして還って来た者は、本当に元の人間なのか。電子の海に溶け出してしまったのは、誰なのか。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ