煩悩崩壊寸前!どうする?
ルームコールも終わって、明日のスケジュールをチェックしていると。ラウンジレディが。
「太中様。お電話が入っております」
ロビーにある電話を取ると、なんとなんと恭子さんからだった。
恭子さん
「義君。今、近くにいるけど行っていいかしら?」
青年おやっさん
「ええ!大丈夫です。ロビーラウンジにいてますから」
なんなんやろ?
ちょっと期待してもええんやろか?
あかん!あかん!
しばらくすると......。
エレガントでシックな恭子さん登場。
ダークネイビーのリネンワンピースと、マキシムの帽子。肩からコーチのショルダーバッグ。GUCCIのビットモカ!パーフェクトなスタイリングで颯爽と…。
恭子さん
「どうしても義君に逢いたかったの…」
ほんまでっか?
どうしょかな?
あかん!あかん!
青年おやっさん
「なにかあったのですか?」
恭子さん
「今日の夜、お時間ある?」
きたぁ~!
ついに!赤まむし3本呑んどこ…。
あかん!あかん!ごっつ!あかん!
青年おやっさん
「大丈夫にします。どこに行けばいいですか?」
恭子さん
「最上階のBarに22:00に来て下さる?」
青年おやっさん
「分かりました。必ずお伺いします!」
今日の恭子さんの表情は暗くなかった。
どちらかといえば潤んでいた。
え~と!え~と!
俺、スイートルームおるよな!
一人で…ほんで!ほんで!
恭子さんとBarで呑むよな!
そっから!そっから!
どうなる?どうなる?
煩悩崩壊…崩壊崩壊…
あかん!あかん!あかん!あかん!
ええがな!ええがな!ええがな!
悪魔と天使がバトルしとる…。
恭子さん
「義君。身体の具合でも悪いの?」
青年おやっさん
「いえ!ちょっと寝不足です…」
恭子さん
「しっかり寝ないとだめよ。じぁ、後でね」
残された青年おやっさん…。
一体どうすればええんやろか?
恭子さんが去った後、
青年おやっさん頭の中アジャーパ状態…。
突然!後ろから声がする。
愛ちゃん
「ボス!なんか変ですよ?」
あちゃ~⤵
アジャーパ顔を必死こいて戻す。
青年おやっさん
「寝不足なんかな?僕?」
愛ちゃん
「Meeting終わりました。私なりにレポートまとめましたので、お渡しします」
青年おやっさん
「じぁ!後で、チェックするね。愛ちゃん!お腹減ってない?」
愛ちゃん
「はい!ボス!どこに連れて行ってくれるのですか?」
青年おやっさん
「はり重のビーフワン知ってる?アメリカ村の外れの大宝寺にあんねんけど!」
愛ちゃん
「行ったことないです!ビーフワンって、洋食なんですか?」
青年おやっさん
「それは食べてのお楽しみで…」
南の老舗肉屋が経営する洋食屋。
ビーフワン?知らんやろな?
正しくは➡ビーフ椀!牛丼です!
ごっつ旨い牛丼です!
道頓堀店が本店だけど、大宝寺の店は風情と情緒がある。純和風建築で1階は、はり重ご自慢のすき焼きが堪能できる。相反して2階には、痺れる洋食が頂ける…。
この大宝寺店では、ビーフワンの上が頂けます。上質な肉と繊細な出汁のハーモニーは、南の食通の舌を唸らせたもんです。
青年おやっさん
「ここやで!愛ちゃん」
愛ちゃん
「え~⤴とっても素敵です?こんな繁華街に私、知らなかった!ボスって、本当にいいお店しってますね」
青年おやっさん
「やろ!美味しもん頂くと幸せなるやん」
弾けるような愛ちゃんの笑顔。
この笑顔!堪らんな…。
今やったらお尻触ってもええやろな⤴
右手が意思とは別に動いてくる!
左手で右手を抑える…。
愛ちゃん
「なにしてるのですか?右手と左手が変な動き方してますけど…」
青年おやっさん
「昨日の夢で関節技決められてん!新日本プロレスラーの藤原喜明に…」
適当なこと言って誤魔化す!
あかん!あかん!あかん!
筋や!男の筋や!辛抱せな!
恭子さんと愛ちゃんに手を出したら…。
確実に全殺しなんで俺…。