ラブホ史上とんでもないルーム構想の全貌が!
愛ちゃんが戻ってくるまで、熱いシャワーを浴びてドタマをすっきりさせる。そしてルームなサービスで、2Pot coffeeとClubhouseSandwichを二人分Orderする。
ドアチャイムが鳴り愛ちゃんのご帰還。
愛ちゃん
「ボス!全部買って来ました!モロゾフプリンは倍の12個です。だって私、大好きだから!」
きたぁ~!
愛ちゃん!ええヒント言ったで!
青年おやっさん
「レディー!今、なんて?」
愛ちゃん
「え?私、変なこと言いました?モロゾフのプリン大好き!とは言ってたけど?」
青年おやっさん
「そこや!レディー!やはり女子はスイーツ大好きやろ!ラブホでモロゾフや551のアイスキャンディー食べれるルームあったら女子はワクワクせ~へん!」
愛ちゃん
「ボス!私、そのルームに一番最初に泊まりたいです!」
エエよ!僕と一緒な!
朝まで一緒にいよな!
本音はそうだ!
男の筋が邪魔しよるんです!
青年おやっさん
「レディー!このネーミングでどう?The Sweets room!」
青年おやっさんは6部屋すべてのアタマにTheを付けたろと考えていた。
愛ちゃん
「なんか私、クラクラしてきた!」
あかんて…愛ちゃん。
もっとクラクラしとるん僕ですけど。
青年おやっさん
「ほぼアイデア固まっているんで、一緒にアセンスで洋書買いに行こ。で、その前に腹ごしらえして、モロゾフプリンで前祝いしよか」
二人でスイートなルームでランチする。デザートはモロゾフプリンのダブル。
二人はアセンスで資料の洋書を数冊購入してカムバック!
青年おやっさん
「じぁ、レディー!リビングのフローリングに6枚の大きな画用紙を並べてくれる?」
愛ちゃん
「 OK!ボス!私ここに居て、とってもハッピーです!今からどこにもないラブホ計画が始まるんだから!」
青年おやっさん
「じゃ1枚ごとにルームネーミングから書いて行くわ!」
愛ちゃんは大きな瞳で青年おやっさんをじっと見つめている。
ルーム1
The Beatles room
ルーム2
The Water room
ルーム3
The Dark room
ルーム4
The Sweets room
ルーム5
The Bubble room
ルーム6
The Mad room
「The Beatles」と記入した画用紙にアセンスで購入した古いワーゲンのページを破り並べて貼り付ける。そして同じく購入したビートルズの洋書ページを破り貼り付ける。特にアルバム「アビーロード」のジャケフォトを画用紙の、どセンターに持ってくる。
「ルームプラン」
・古いワーゲンを1台購入して部屋の中に
・ワーゲンの内装を取っ払って、フカフカのマットレスでベットにする
・すべてをビートルズのアルバムカラーコピーで覆いつくす
・ピーター・マックス監修のアニメイエローサブマリンのムービーが流れる
・BGMはビートルズラブソングオンリー
愛ちゃん
「ボス!なんか面白そうな展開に絶対になりそうです!」
青年おやっさん
「そら真剣勝負してますから!」
「The Water」と記入していた画用紙には、日本ではまだ取り扱いが少ないウォーターベットの洋書ページを破り、貼り付けてゆく。
「ルームプラン」
・アメリカ製の馬鹿でかいウォーターベット
・海外のウォーターサーバーを6台設置
・六甲のおいしい水でお風呂に入る
・お風呂のエントリーには小さな滑り台
・アメニティグッズは天然水の化粧品
・BGMはハワイの波風オンリー
「The Dark」は愛ちゃんに頼んで1枚だけ購入した黒い画用紙に、各国の懐中電灯の洋書ページを破り、貼り付けてゆく。
「ルームプラン」
・部屋に照明はナッシング
・ひとつだけ照明の隠しスイッチ
・世界中から集めた懐中電灯が24種類
・BGMもナッシング
「The Sweets」はモロゾフの包装紙や紙バックのロゴタイプを切り取って貼り付ける。書き足したのは551アイスキャンディーと、大阪のスイーツをチェック!と。
「ルームプラン」
・ジェネラルモーター社の馬鹿でかい冷蔵庫
・ルームフラグレンスは甘い香り
・大阪や神戸のウエルカムスイーツ
・BGMはスイートサウンドオンリー
「The Bubble」は世界のShampooとジャグジーの洋書ページを破り貼り付ける。
「ルームプラン」
・アメリカの馬鹿でかいジャグジーがど~ん
・日本未発売のシャンプーとリンス24種類
・泡に関する洋書を24冊
・その日の株価を壁に表示
・BGMはポコポコとお湯が沸くサウンド
「The Mad」は美容に良い土で、泥レスリング出来るルームがあったらワクワクする!と思って世界の土に関する洋書ページを破り貼り付ける。
「ルームプラン」
・泥レス専用ルームを設置
・女性用と男性用の水着が24種類
・ルチャのメキシカンマスクが12種類
・アメニティグッズに泥パックがある
・泥パック美容の本がある
・BGMは全日本プロレス入場テーマ曲オンリー
すべてを書き終わる……。
愛ちゃんが潤った瞳で青年おやっさんを見つめる。そして黙ってモロゾフのプリンを差し出す。
青年おやっさん
「あんがと。あぁ~しんどかった」
愛ちゃん
「凄いです!本当に凄い!これが実現したら!私、絶対に全部の部屋に泊まりに行く!」
またぁ~、そんなん言う…。
もう男の筋ちゅう筋、全部切ってしもたろかいな。
限界近なってきよったで!実際問題。
青年おやっさん
「まだこれからこの6部屋に関連する小さな恋の物語考えなあかん。すでに構想はあるけど!」
突然閃きの神様が舞い降りる。
青年おやっさん
「そや!ラブホの名前。小さな恋の物語に決定やな。特に女子は恋愛ストーリー大好きやろ!どう愛ちゃん?」
愛ちゃん
「そんなラブホの名前、初めて聞く!桜ノ宮にも絶対になかったし。女の子はワクワクするはずです!で、このルームプランでしょ!私、ドキドキが止まらない!」
僕もドキドキが止まりましぇ~ん!
青年おやっさん
「明後日の夕方に愛ちゃんの女友達10人位集めてくれへん?ここでスイーツ食べながら、男子禁制の秘密ミーチングしよか?それまでに物語も作るから。お手伝いよろしこレディー!」
愛ちゃん
「イエス!ボス!」
テンションが上がった二人は、残っていたモロゾフのプリンをすべて平らげたのでした。
モロゾフのプリンを、すべて平らげても足りない二人が向かったのが、心斎橋筋にある551の本店。テイクアウトが基本なのだが、ここ本店はイートインもある。
愛ちゃん
「ボス!551って店内でも食べれたのですね」
青年おやっさん
「そやで!551ゆ~たら豚まんがメジャーやけど、モロゾフのプリン食べた後で豚まんはないやろ!ここ本店にしかない胡麻団子あんねんけど。愛ちゃんどう?」
愛ちゃん
「そんなん聞くまでもないですぅ~」
そんな!また語尾上げて!鼻声で!もぉ~!男の筋ぶち切ってもぉ~たろか!あかんて!辛抱せな!男の義理やねん!
青年おやっさん
「すんません!胡麻団子4人前お願いです!」
551店内で熱々の胡麻団子を、フゥフゥして喰っていると肩をトントン叩かれた。
「あんた!えらい別嬪さん連れて、久しぶりやないの」
振り返ると春子が仁王立ちしてた。
桑名●博の妹、あの桑●春子である。
青年おやっさんがL.Aに住んでいた頃、正博兄貴が付き合っていた神戸の彼女と知りあいになり、春子と一緒に遊ぶようになったのである。
青年おやっさん
「なんや春ちんかいな!東京行ったって聞いていたけど?戻ってきたん?」
春子
「そやねん!うち江戸の水に合わへんかってん。やっぱ浪速はエエわ。面白いおっさんやおばはんに囲まれて育ってきたから!ところで、あんたの彼女かいな?」
青年おやっさん
「いやぁ~?なんちゅうか?部下ちゅうか?秘書ちゅうか?仕事仲間ちゅうか?そんなもんですわ」
春子
「ちゅう、ちゅう、ちゅうって!どないやねん!」
青年おやっさん
「その突っこみ久しぶりや!」
春子
「ところであんた今なにしてるん?」
青年おやっさん
「LAPINEからちょいと離れてコピーライターしてんねん。そや!今、桜宮のラブホテルをプロデュースしてんねんけど!完成したら春ちんにタダ券贈るわ!」
春子
「ほんまぁ~?あんたのことやから、あほな部屋考えてるやろ!」
青年おやっさん
「流石や!春ちん!だてにL.A住んでたんとちゃうからな!一緒にマジックマウンテン行って、マ●ファ●しこたま吸ってコロッサス乗った仲間やで!」
愛ちゃんは二人の会話を不思議そうな顔で見つめていた。
愛ちゃん
「あのぉ~。私、春子さんのレコード全部持ってますけど。サイン頂けますか?」
春子
「そんなん嬉しいわ!なんぼでもしてあげるで!」
そんなこんなで、桑名●子のサインを貰った愛ちゃんはご機嫌モード。
青年おやっさん
「ところで春ちん!こんど正博兄貴戻って来たら南港倉庫でのシークレットライヴ行くからって言っといてや!」
春子
「エエよ!アン●イスも私も参加する予定やし!みんなで朝までぶっ飛びしよか!」
春子は551の豚まん6個入りを10ケース購入してバーイした。
愛ちゃん
「ボスって、謎が多い人です。春子さんや桑名●博さんとお知り合いなんて!」
青年おやっさん
「たまたまやて!大阪の遊び人の世界って案外狭いから。じゃ、そろそろ行こうか!」
とんだハプニングの心斎橋筋の551を後にしたのである。
To be continue