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叶う愛もあれば…叶わない愛もある。

昨晩は愛ちゃんとの深夜ドライブで⤵かなり疲れ切っていたのだが、朝陽とともに登場した恭子さんは眩しいほど輝いていた。


恭子さん

「あら?義君…疲れた顔してるわ⤵でもあなたが荻窪の親分さんに披露した姿は素敵だったわ!」


青年おやっさん

「ありがとうごさいます⤴でも必死でした…筋道外したら⤵中嶋さん含めてご迷惑おかけすることになりますから…必死のパッチでしたよ!」


恭子さん

「あら⤵そんな風に見えなかったわ…?初めて出逢った時のように、義君はとてもいい顔してたわよ!」


またそんなん言って⤴恭子さん!!あの時…本当は⤵いかにしてここから逃げ出そうかを…真剣に考えとったんです。でも逃げ出すと…とんでもない闇の世界から一生追いかけ回されることになるだろうと!!出たとこ勝負に勝ち目の確率は⤵低いけれど…もし任侠の世界にいる自分ならどうするかを?考えておったんです。芸は人を助けるもんです。広告宣伝文句を作る時は⤴徹底してその会社の成り立ちや歴史を調べますから!


青年おやっさん

「恭子さんは…怖くなかったですか?あの場所で??」


恭子さん

「義君⤴北新地でクラブする方が、よっぽど度胸がいるのよ!財界や政治の世界の人の方が⤴もっと蠢くドロドロした闇があるから…」


恭子さんの言葉には説得力があった!実際に僕がクラブで呑んでいる時も…政界と財界のワニ眼やヘビ眼した人物が夜な夜な⤴汚い職話をしていたのを…ちょくちょく小耳に挟んだものだった。


恭子さん

「朝ご飯まだなんでしょう!?お口に合うかどうか?分からないけど、義君のために早く起きて作ったから⤴一緒にいただきましょう!」


青年おやっさん

「嬉しい限りです。恭子さんのご飯が食べれるなんて⤴」


ええんやろか?きっと疲れているのに恭子さんも…⤵でも⤴せっかくのご厚意なのでありがたや♪ありがたや♪


恭子さんは⤴持参して来た三段お重を包んだブロード素材の布地を解くと、漆塗りのお重を取り出した。


ほんまにエエんですか?朝から恭子さんのお手製お重弁当食べても⤴


一段をオープンすると⤴そこには!?真っ白に輝く銀シャリの中央に大振りの紀州南高梅が3個並んでいたのであった。


青年おやっさん

「おぉ〜!日の丸ならぬ日の三丸ですね⤴」


恭子さんの⤴じっと僕を見つめる表情に吸い込まれそうになる…!


そして二段目がオープンする⤴


そこには鰹出汁たっぷりのだし巻きと、季節の野菜の含め煮が厳かに並んでいた。


恭子さん

「義君って⤴確かお祖母様に育てられたのよね⤴」


青年おやっさん

「よく覚えておられましたね。婆ちゃんが作ってくれた煮物で大きくなったようなもんですから⤴」


恭子さんが最後の三段目をオープンすると⤴?

鴨のローストや海老のカクテルサラダやデミグラスソースのミートボールが登場した。


青年おやっさん

「これはあきません…⤴ほんまあきません…!」


恭子さん

「ええ…!?なにが駄目なの…??」


青年おやっさん

「こんなにも胃袋つかまれると…!」


恭子さん

「あら⤴嬉しいこと言ってくれるわね」


恭子さんは持参して来たポットから熱々の緑茶をお湯呑みつぎながら微笑んだ。


日航ホテルのスィートルームのダイニングテーブルに向かい合わせになって⤴恭子さんお手製のお弁当をいただくのであった。


青年おやっさん

「そういえば恭子さん?三木さんとは、どうなんですか?」


三木さんが恭子さんを愛してるのを、僕は薄々感じていた。


恭子さん

「あら?ストレートな質問だこと!三木さんは…荻窪の親分さんと義理かけしたから、もう逢うことはないのかも…」


青年おやっさん

「三木さんは⤴どんな環境や立場にいても、恭子さんを想う心は続くと思いますよ⤴」


そのように思えるには…小さなきっかけがあった!荻窪の親分との義理かけが終わり⤴見たこともない任侠の世界を垣間見た僕は…緊張から開放されトイレに立った。しばらくすると…三木さんがトイレにやって来て僕の横で連れション!


三木さん

「驚きました⤴あなたはこの任侠の世界で恐れることなく振る舞われ見事に言霊を披露されましたね!」


青年おやっさん

「恐縮です…本当は脇の下から冷や汗が華厳の滝のように流れていました⤵」


三木さん

「実は…男と見込んでひとつお願いがあります」


青年おやっさん

「ひょっとして⤵恭子さんのことですか?」


三木さん

「そうです…彼女とは腐れ縁とでも申しましょうか⤵私がこの世界に舞い戻ったことで、もう逢えることもないでしょうから…この手紙を渡して貰えますか?」


青年おやっさん

「分かりました!下世話なことは聞きませんから…必ず恭子さんにお渡しします!」


三木さんから恭子さんへの手紙を受け取った僕には…どんな内容書かれているのかは想像出来た!なぜならば三木さんの悲しみの瞳の中に見え隠れしていたのは…並々ならぬ恭子さんへの愛情だった。


青年おやっさん

「恭子さん…!実は三木さんから手紙を預かっております。今、お渡ししてよろしいですか?」


少し驚いた表情をした恭子さんは…。


恭子さん

「せっかくの朝ご飯が湿っぽくなるので…一緒にいただいてから受け取ります…今は義君との時間を大切にしたいから!」


お重から取り分ける恭子さんの手が少しだけ震えていた…。僕は⤴その手を握りしめてあげようと思った!だが…必死に心を封印した!!


青年おやっさん

「もの凄く美味しいです⤴毎日でも喰いたいです⤴お世辞抜きで!明日もお願いしていいですか!?」


恭子さん

「また…そんなこと言って⤴」


精一杯の笑顔の中に⤵深い哀しみがあるのに…。


青年おやっさん

「ご馳走さまでした!今から最終的な企画書のチェックしますので、13:00にお待ちしております!中嶋さんにもよろしくお伝えください!」


恭子さん

「ええ…一緒に来ますので⤴楽しみにしています!では後ほど…義君」


叶う愛もあれば…叶わない愛もある。僕には三木さんと恭子さんの愛は…これからもきっと続くと確信した。お互いの環境や立場が違えど、きっと2人には結ばれた固い愛情が存在していると!


三木さんからの手紙を受け取った恭子さんは…静かにドアを閉めて…こう言った。


恭子さん

「義君…ありがとう」


To be continue.

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