4話 ジンと魔明かしの魔法
4話目、書けてしまいました。
3話あがったのが昨日、4話目書けたのが今日。
自分でもびっくりするくらい4話目は書きやすかったです…
新しいキャラも登場してるので
好きになってくれれば幸いです!!
感想、コメント、随時募集してます!
ピピピ…ピピピ…ピピピ…
「ん…」
朝6時にかけたアラームが部屋に鳴り響く。
「もう朝…?」
ベットからでて、洗面台に向かう。
「ふぅ…」
顔を洗い終え、制服に腕を通した。
「はぁ…遠くなったなぁ…」
アリスは憂鬱そうに呟いた。
※※※
「おはよ〜」
「…おはよ…」
ジンは眠そうに答える。
「寝れなかったの?」
「いや、帰って飯食って風呂はいってすぐ寝た」
「そっか…」
「とりあえず行こうか。」
ジンはメモを取り出し、歩き始めた。
「うん。」
アリスがじんの後ろについていく。
校門にいる警備員にお辞儀をすると、難なく通してくれる。事前にクレア先生から用件を聞いていたようだ。
「そう言えば朝ごはんは食べたの?」
アリスがジンに問う。
「いや、帰りに何か買ってこうかと」
「そっか。」
「アリスは?」
「私もそうする。」
他愛もない話しをしていると、目的地についた。
「ここ…であってる…よね?」
「ここ…であってる…よな?」
2人がハモるのも無理はない。
その場所にたっている建物は石造りではあるがボロボロで、所々ツタやコケが生えている。まるで廃墟のような建物だったからだ。
「とりあえず…」
ジンはノックしようとドアに近づく。
するとドアが勢いよく開いた。
ドカッッッ!
ジンは扉に強く額をぶつけた。
「うっ…いってぇ…」
「ジンくん大丈夫!?」
「わぁぁぁすいません!!!!」
聞き覚えのある声がする。
「…?この声…?」
「あ…この子…」
「?」
背丈は低く、少女と言うより女児に近い少女がその場で首を傾げる。
「暴走爆発っ子…」
ジンが呟く。
「なんですか!!!その呼び名は!!!たしかに適性検査で暴走させましたが…!!!私にはマリって名前がちゃんとありますっっ!!!!」
「あー…ごめんごめん」
ジンはまだぶつけた頭が痛むようで、右手で額を抑える。
「えーと…ごめんね、マリさん?」
アリスも謝る。
「いいえ!お姉さんは何もしてないじゃないですか!悪いのはこの無礼な男ですよ!!!」
「ぶつかってきたのはお前だろうが」
「うるさいです!お姉さん、お名前は?」
「アリスよ。で、こっちがジン。」
「別にこの男の名前なんて聞いてないですよーだ」
マリはジンに向かって舌を出した。
「ちっ…」
「まぁまぁマリちゃん。落ち着いて。」
アリスがなだめる。
「それよりも私の家にこんな朝早く何の用ですか?」
マリがアリスに向かって問う。
「残念ながら、用があるのは俺だ。」
ジンが答えた。
「何なんですか!あなたには聞いてません!」
マリがジンに突っかかる。
すると家の奥から声が聞こえてきた。
「朝から騒がしいのぉ…」
「あ…おじいちゃん…起こしちゃってごめんなさい」
元気だったマリが急にしおらしくなる。
「いいんじゃよ。ところで朝早くからお客さんかい?」
「あ…初めまして。私はアリスといいます。」
「初めまして。ジンです。」
二人はお辞儀をする。
「ふむ。うちの孫が迷惑をかけたようじゃな…すまんのぅ…」
「おじいちゃん!私迷惑なんてかけてないよ!」
「そうです。大丈夫ですよ。」
アリスがフォローする。
「そうかそうか。優しい人たちじゃ。とりあえず中に入りなさい。」
「ありがとうございます」
ジンとアリスはマリの家に入る。
家の中は生活感に溢れ、多少ボロさはあるものの清潔に保たれていた。
真ん中にあるテーブルの手前側にジンとアリス、奥側マリとおじいちゃんが並ぶように座る。
「それで、どんなようでここに来たのかな?」
おじいちゃんが口火を切る。
「クレア先生の紹介で。俺の魔法が特殊だから魔兵器が支給される前にここに行け…と言われまして。」
「あぁ…そういうことじゃったか。そうなると二人で話した方がいいのぅ…マリや」
「なに?おじいちゃん。」
「朝の買い出しは終わったのかね?」
「あ!!まだだった!」
「そうかいそうかい。アリスくんや」
「はい?」
「来て早々すまんがマリと一緒に買い出しに行ってくれんか?」
「…はい。わかりました。」
アリスはジンを心配そうな表情で見たが、すぐに笑顔を作り直した。
「すまんのぅ…」
マリとアリスが席を立つ。
ドアが閉まると、マリのおじいさんは話し出した。
「さて、話の続きをするかのぅ。」
「はい。」
「診断書は持ってきたかね?」
「はい。これです。」
ジンはポケットに入れてある4つ折りの診断書をおじいさんに渡す。
「ふむ…」
おじいさんはメガネを取り出すと、その診断書を読んだ。
「たしかに特殊じゃのぅ…ちょっと診せてもらってもいいかい?」
「はい?」
「いいわすれておった。ワシの固有魔法は魔法を診るモノなんじゃよ。」
「魔法を診る?」
「そうじゃ。触れたものにかかっている魔法、その物が持っている魔法、もちろん触れた人の固有魔法も詳しく知ることが出来るんじゃ」
おじいさんは席を立ち、クローゼットから白いフード付きのマントを取り出して羽織る。
「そのマントは…」
「そうじゃ。わしも魔兵士の一人。魔明かしのレビィと呼ばれておる。」
「魔明かし…」
「そうじゃ。この固有魔法で魔法で受けた傷の治療や魔法解析を行なっておる。」
「……」
ジンは言葉を失った。
「という訳じゃ。診させて貰っていいかの?」
「……はい。宜しくお願いします…」
「そんな緊張しないでおくれ。なぁに、痛くはないから安心せぃ。リラックスじゃよ。」
レビィはジンの頭に手を乗せるとゆっくりと目を閉じた。ジンもそれを見て、ゆっくりと目を閉じた。
※※※
「うわぁ…」
朝市はかなり賑わっていた。
「アリスさんは朝市初めて?」
マリが問う。
「うん。朝ごはんは寮の食堂で食べてたから。小さい頃はお母さんが買ってきてくれてたし。」
「そうなんだぁ…あ!おじさん!このお魚下さい!」
「はいよ!マリちゃんはいつも元気だねぇ!」
マリは慣れた様子で次々と食品を買っていく。
「はいどうぞ。マリちゃん。朝から元気でいいわねぇ。」
「おぉ、マリちゃんじゃねぇか。今日はいいのが入ってるよ!」
市場の店員さんはみんなマリのことを知っているようだ。
「マリちゃん有名人なんだね。」
「うん。何年も前からおじいちゃんと二人暮らしで、朝市にはほぼ毎日通ってるからね。」
「そうなんだぁ…なんかいいなーそういうの」
「それはそうとさ、アリスさん。」
「どうしたの?」
「なんで私と一緒に来たの?ジンと一緒にいたかったんじゃない?」
「あー…バレちゃった?」
少しアリスが俯く。
「わかるよ。顔に出てるもん。」
「なんかね…ジンくんの魔法が特殊だからって、まぁしょうがないかなーって諦めてるんだけどさ…」
「アリスちゃんはさ、ジンの魔法のこと知ってるの?」
「ううん。特殊だってことしか知らない。」
「それさ、自分から聞いたの?」
「え…?いや…ジンくんが話したくないのかなーって…」
「だめだよ」
少し前を歩いてたマリが荷物を置いて振り返る。
「大切な人なんでしょ。知りたいことは聞かなきゃ分かんないよ。逃げちゃダメだよ。」
アリスは驚く。
「うん…そうかもね…」
「なーんて、ね。アリスちゃんジンといた時、不安そうな顔してるからさ。心配しちゃった。」
「うん…ありがとう。」
「まぁ、それに気付かないジンは本当にダメ男だけどね!!!!」
「そうね。」
アリスが微笑む。
会話をしてるうちにアリスとマリは朝市の出店をすべてまわり終えていた。
「よし、帰ろうか。」
アリスが言う。
「うん。手伝ってくれてありがとう。アリスさん。」
2人は互いに微笑みながらマリの家に向かって歩き出した。
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