1話 適性検査と大惨事。
どうもおかぴです!
初書き、参考もなし。ただただ自分だけの世界を書きたい!って気持ちで書きました。あ、この設定ほかのアニメで見たことある!ありきたりだ!とかは目をつぶってください。お願いします。
ー人は生まれながらに魔力をもっているー
ー魔法世界歴史書 序文よりー
ー昔、西の国と東の国があった。西の国は魔力で栄え、東の国は物作りで栄えた。ある日、東の国の王が暗殺された。捕まったのは西の国の国民だった。この出来事が東西大戦争のきっかけとされているー
ー東西大戦争記録 1巻よりー
ー西の国は自分たちの魔力を最大限に発揮するために呪文を編み出した。言葉の力と心理を重ね合わせ、絶大な力を得た。東の国はある兵器を作った。その兵器に魔力を『喰わせる』ことで魔法の常時展開を可能とした。呪文と兵器のぶつかり合い。それこそが東西大戦争の被害を拡大させたと言われている。ー
ー世界魔法歴史書 1巻よりー
ー初めに固有魔法あり。その人個人個人が一つだけ所有できる魔法なり。固有魔法は、それぞれ力が拮抗する魔法なりー
ー魔法指導書 序文よりー
「きりーつ!気をつけ!礼ー!」
また退屈な授業が始まった。
ここは20xx年。東の国の東端、オレンという街の高等学校だ。
毎日毎日授業を行い、魔法の演習を行い、3年後に中央の街ウランダールに魔兵として招集されるまでに、魔法の基礎知識、兵器の扱い、軍用魔術の使用などを学ぶ場だ。
(西の国との戦争も終わった今…魔兵なんて必要あんのか…)
窓際の後ろから2番目。周りの生徒よりも一際憂鬱そうにしているのは、ジン=アストレアという少年である。
「おい!ジン!聞いてんのか!?」
魔法歴史学の女教授、クレア先生に授業が始まって二分で注意される。
「ジンくん…ちゃんと聞きなよ…」
隣の席で半ば呆れたように話しかけてきたのはアリス。ジンの幼なじみだ。
「このページはもう覚えたから大丈夫っす。」
「なら魔法戦争が起きたきっかけとなった国王暗殺事件は何年に…「15xx年」
「く…なら戦争終結は…「16xx年」
「うっ…なら東西大戦争の総被害者数は…」「約15万6千人」
先生の問をなん難なく答えるジン。
「こんな奴ほっといて授業を続けてください。クレア先生。」
ジンの席から右斜め後ろ。ジンのことをクラスの誰よりも睨みつけているのはアミレス。このクラスの学級委員かつ風紀委員長、学歴優秀という肩書きを持っている。
どうやらジンのことを気に入っていないようだ。
「そうだな…じゃあ教科書37ページを開いて…」
(今日も退屈だな…)
ジンの心境はおもむろに顔に出ていた。
※※※
「ジンくん!ジンくんってば!」
「ん…?」
「もう!いくら退屈だからって寝るのは良くないと思うよ…」
アリスがジンを起こす。
「あ、ごめんごめん…次の授業はなんだっけ?」
「魔力適性検査!体育館集合!!」
「マジか…ありがとう」
「もうほんとダメ人間なんだから…」
「授業中に少し寝たくらいでひどい言われようだな…」
「まず、授業中に寝ることがいけない事って自覚はないのかな?」
「う…」
ジンが席を立つ。
「ほら、もう行かないと遅刻するんじゃないか?」
「誰のせいでこうなってんのかな??」
「ごめんごめん…ほら行こうな」
こうして2人は体育館に向かった
※※※
「出席とるぞー」
魔力適性検査が始まった。
だだっ広い体育館の中、中央に一つの球体が浮かんでいる。全国の魔力高等学校に提供されている魔法水晶の一種だ。その周りを白いマントに身を包んだ魔兵が取り囲んでいる。
「なんでこんなに魔兵が…?」
「魔法適性検査ではその人の魔力を半強制的に放出させるから暴走する人もいるし念のためにって。」
「へー…」
「説明ちゃんと聞いてないんだね?」
「へい…」
アリスはまだお怒りのようだ。
「じゃあ始めるぞー!一番から位置について…」
「ほら、やっと始まったぞ」
基本的に個人の魔法は他人に伝えられることは無い。一応秘匿事項らしい。結局話す人が多くて意味を持たないが。なのでアクシデントが起こらない限り事務的な作業が続く。
時として二時間弱だろうか?ジンが浅い眠りから深い眠りに移行する直前。事件は起きた。
「ドッガァァァァン!!」
「な…なに?」
「ふぁ…なんだうるさい」
「うわぁぁごめんなさいごめんなさいぃぃぃ!!!!」
爆発音より少し小さな音量で少し子供っぽい声が聞こえてくる。
「なんかぐわーーーってなってそしたら爆発しちゃって…ごめんなさい!!!!」
「暴走しちゃったみたいだね…」
アリスは少し心配そうに騒ぎを見つめている。
「あの暴走で普通に…」
「どうしたの?ジン?」
「いや…あの爆発ってあの子の固有魔法だろ?あんだけ暴走させて普通に立ってられるってどんだけ底なしの魔力なんだ…?」
「たしかに…」
気のせいか魔兵たちも暴走させた本人に謝られることはそうあることじゃなく、謝られた方も困っているようだ。
爆発はそう被害が大きいわけではなく、魔法水晶自体に損害はない様子で、
30分ほどで検査が再開される。
「ほら、つぎアリスの番だろ?」
「あ、そうだ。じゃあ行ってくるね。」
アリスが体育館の中央に向かう。
「おい、ジン。」
「なんだ?お前が話しかけてくるなんて珍しいじゃないか。アミレス。」
「そんなことより気付いたんだろ?あの子…」
「あぁ。あの子とてつもない魔力量だぞ…」
「下手したら俺の兄と同じレベルかもしれないぞ…」
アミレスの兄は魔兵として中央都市で働いている。
「魔兵として何年も働いているお前のお兄ちゃんと同じって…」
「あぁ。末恐ろしい…」
「あれ?2人ともどうしたの?」
ここでアリスが帰ってきたせいで続きの会話は途切れた。
「おう、もう終わったのか。」
「うん。それより二人で話してるなんて珍しいじゃん。」
「まぁな、気になることがあって。」
ジンが答える。
「ふーん。それよりほら、つぎアミレス君じゃない?」
「そうだな。」
アミレスが席を立った。
「何の話をしてたのー?」
「別にたいしたことないよ。」
「そっか…それより私の固有魔法聞く?」
「いいよ別に。実技演習で大体わかるし。」
「そう?じゃあいいや。」
10分ほどでアミレスが帰ってくる。そこからはなんの会話もなく、淡々と時が過ぎていく。
「次、ジン君じゃない?」
「あ、そうだ。」
「行ってきなよ。」
「あぁ。」
ジンは体育館の中央へ向かった。
「さぁ…じゃあ水晶の上に手を置いてください…ジン君…」
魔法指導教官のアンナ先生の指示に従う。
アンナ先生がうっとりとした目をしているような気がした。
ジンが水晶の上に手を置く。
「…?」
水晶の中身が少しずつ曇り、渦巻いていく。
「10秒ほどで固有魔法そのものが水晶の中に出てくるからぁ…」
アンナ先生の声はジンの耳にはもう遠かった。
水晶の曇りが、だんだんと黒色に変化していく。
渦を巻くスピードもだんだんとあがっているようだ。
やがて曇りが漆黒に近づいていく。
これ以上濃くなることが出来なくなった時。ジンの頭の中に声が響く。
「モット…モットクワセロ…ゼンブ…クワセロッッッ!!!」
「うっ…」
ジンは自分の魔法が制御できなくなっていくのを感じていた。
「せんせ…これ…っ…うわぁぁぁぁ!!!!」
水晶を中心に、まるで海のさざ波のような漆黒の波動が体育館全体に広がる。
そして水晶の近くにいた先生達、魔兵、生徒達、の順番で次々と人が倒れていく。
「こ…これは…」
「みんな…どうしたの!?」
アミレスとアリスが周りの人たちの異変に驚く。
体育館で孤立していたジンが気を失ったのは体育館全域に波動が広がってから約3秒後だった。
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