5-1 ステータスだよ!
ステータスの設定あるのに何故載せないんだと言う話を何度か頂いてたので、急遽ねじ込んだ回です。
俺達は今、ムーバルの皆様が門前から解散しない為いつまでも歩かされている。
余り目立ちたくないがビクサールのお陰で十分目立っているので、もう飛んじゃってもいいかなぁとも思う。
だがルカと手をつなげているので全く焦りはない。
焦るつもりもない。
「そういえばここの所忙しかったからステータス気にしてなかったな。結構戦ったからレベル上がったかな。」
「ハルト様は鑑定が使えるので、自分の成長がすぐに確認出来ますね。」
「そうだね。ルカのステータス見てあげようか?」
「宜しければお願いします。」
確かルカを鑑定したのは草原地帯での聖教国との戦いの前だった。その時のステータスはこんな感じだった。
ルカシリア・クラウドバル
種族:ドラゴニュート
称号:氷龍姫
レベル:25
TP:300
MP:500
攻:400
防:350
魔:450
敏:400
器:450
といった数値だった。
人族のレベル、ステータスの標準が10なので、当時でもかなりの数値だ。
「じゃあ鑑定するね。」
ルカシリア・クラウドバル
種族:ドラゴニュート
称号:氷龍姫
レベル:63
TP:750(1050)
MP:950(1250)
攻:850(1150)
防:800(1100)
魔:900(1200)
敏:850(1150)
器:900(1200)
となっていた。因みに()はブルーアクラ装着時のステータスのようだ。
「ルカ、レベルがヤバいことになってるね。」
「詳しく聞いても宜しいですか?」
ルカに単独でクズ勇者と戦っていた頃と、今の鑑定結果を伝える。
レベルが一気に上がったのは、勇者や魔王との戦いのおかげだろう。
ルカ曰く、倒しただけでなく窮地に追いやられる程の戦いが成長を促すとのことだ。
「信じられませんが、ハルト様の鑑定結果ですからね。ハルト様のお陰でこんなに強くなれたのですね。」
信じられないのもやまやまだ。戦闘特化した種族の№1であるグナシアを遥かに凌ぐステータスだからな。
因みにグナシアは600平均といったところだ。
あと、俺のお陰じゃ無いよ。ルカの努力のお陰だよ。
「ハルト様も大きく成長されたのですか?」
そういえば最後に鑑定したのって、太古の森でレベル4だったのが最後だからな。
あれから草原地帯、ヌーバ、大司教、クズ勇者と魔王、ガンマダと魔物達。
有り得ない位に経験値は稼いだはずだ。黒石鳥やその他の数匹の魔物達ですらレベルが三つ上がったんだから、相当上がっているはずだ。
因みに最後の鑑定結果がこれだ。
ハルト・キリュウ
種族:マッチレスヒューマン
称号:異世界人
創造人
レベル:4
TP:1170
MP:2400
攻:1220
防:1200
魔:2000
敏:1060
器:1270
ルカでも38レベルも上がってるんだから、もっと倒した俺は大分上がったのではないだろうか。
ワクワクドキドキしながら自分に鑑定をかけてみる。すると……。
ハルト・キリュウ
種族:マッチレスヒューマン
称号:異世界人
創造人
狩人
雷人
大量虐殺者
ムッツリ王子
創造神に愛されし者
レベル:15
TP:3340
MP:6850
攻:3480
防:3420
魔:5700
敏:3020
器:3620
11レベルしか上がって無かった……。そういえばフォル爺にレベル4になったとき相談したら、レベルが上がりにくい種族なのかもとか言っていたな。
それに加えレベルが上がるほど上がりにくくなる設定も普通より重い設定なのだろう。
でもステータスの伸び率はかなりのものだ。3倍近くまで上がったし。
だから、ガンマダとの戦いで結構余裕があったのかな。
戦いはステータスだけじゃないと聞くが、クズ勇者との戦いの頃よりは相当強くなっているから、多少の環境や状況に左右されなくなったのか。
とりあえずはこのまま慢心せずにどんどん強くなろう。クズ勇者より強い奴は間違いなくいるだろうし。
クロトワなんかまさにそうだ。
色んな魔法を生み出したが殆どが魔導の極みに含まれるのかスキルは増えていなかった。
それ以外には何故か固有スキルに解呪と錬金術が増えていた。
ただ非常に気になるものがある。それは称号だ。
大量虐殺者ってなによ。聖教国との戦いは正当防衛だろ。あとムッツリ王子はただの悪口だし。
何より気になるのが創造神に愛されし者だ。
愛された?リスキアに?
利用はされても愛された記憶がないな。まぁ見なかった事にしておこう。
「俺も結構成長していたよ。レベルはそんなに上がらなかったけどね。」
「そうでしたか。ハ、ハルト様ずっと頑張ってましたからね。」
ルカが申し訳なさそうに、少し気恥ずかしそうにしている。あー、ルカは可愛いなぁ。
「おっ、もうそろそろいいかな。」
振り返るとムーバルの街がかなり小さくなっていた。少し先に森があるので、横道にそれて森に入ってから空へと飛び立つことにした。
「じゃあ行こうか。ルカ、自分で飛んでいく?」
「はい。練習にもなるので、自分で行きます。」
そうして、俺達はムーバルを完全に後にした。




