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7-14 最高傑作



「私にもプレゼント下さい!!シロちゃんのもプレゼントらしいじゃないですか!私もハルトさんにプレゼントしてもらいたいです!」


「突然何を言ってんだ。何でパーティーの誘い断った奴にわざわざプレゼントしなきゃならんのだ。」


「今は同じパーティーですし、送別会でもプレゼントは贈りますよ!!」


 シロのはプレゼントって言うより応急処置的な意味合いの方が強いんだが。


 それに送別会やらないし。


「アイナ。プレゼントは気持ちですよ?アイナを心配して下さってこうして付加をプレゼントしてくれてるのですから、わがままは止めなさい。」


「ぐぅぅ~。そう言われるとなぁ。」


 ルカに諭されたアイナはぺちゃんこになってしまった。あくまで脳内イメージだけど。


 まぁ、アイナのことは大切に想ってはいる。それにまさかまさかの同郷だしな。


 少しだけ甘やかすか。


「アイナ……そのうちな。」


「やたーーーー!!!!ハルトさんはやっぱり優しいですなぁ!!!!ツンデレたまりません!!!大好き-!!!」


「……やっぱり止めようかな。」


「そうですね。調子に乗ってしまっていますし、それが一番正しい選択かと。」


「だぁぁーっ!!!嘘です冗談ですって!!!もぉー早とちりして二人ともぉー!!!」


「はぁ。…これじゃいつまで経っても終わらないから、とっとと続きをやるぞ。」


「はい!!お願いします!!!」


「アイナ、次はどうするのですか?」


「身体能力とは別にスピードが欲しいかな。出来ますか?」


「スピードねぇ。」


 素早さとは別の早さってなんだ?


 抜刀の早さ。移動の早さ。


「ハルト様、アイナのネックレスなら転移でも付加を出来そうでしょうか?」


「転移があったか。アイナ、短距離の転移なんてどうだ?俺が戦った限りじゃ厄介極まりない能力だったぞ?」


「転移……ロマンが溢れる能力ですねっ!!!!短距離の転移が出来れば私の単純な戦闘スタイルが大きく変わりそうですね!!!それで行きます!いや、それしか無いです!!!!」


 それしか無いんじゃ困る気がするけど。実際アイナの既存のスキルや成長した剣技に転移も付けられたら化けるのは間違いなさそうだ。


「よし、じゃあ短距離転移にしよう。マジック・クリエイト。」


 転移ってかなり容量取りそうだけどいけるといいな。


 すると魔力が吸い込まれていく感覚がして成功を確信した。だが付加を乗せた魔力をネックレスに送り始めたが、今までに無い魔力量と時間が経過した。


「ハルト様大丈夫ですか?」


「なんか……今までに比べて凄く長いし魔力を使いすぎてませんか?!」


 確かに相当持ってかれてるな。だが余力はまだまだある。少しクラッとするな。


 やっぱり付加する能力によってかなり魔力を必要とするみたいだな。

 当たり前か。そもそもこんな魔力の量に耐えられる物も少ないだろう。


 そんなことを考えているうちに転移の付加が終わった。


「出来たぞ。ヤバいなアイナ。」


「ヤバいですねハルトさん。現実味を帯びたらちょっとビビってしまいました。」


「ルカもそのうちもっと付加を付けられるようにしような。」


「ありがとうございます。」


 その後も付加を続けた結果、シス・ルーンのネックレスの鑑定結果はこうなった。


 シス・ルーンのネックレス(亜神チート改)


 ・魔力上昇

 ・魔力量上昇

 ・身体能力上昇

 ・光属性上昇

 ・片手剣剣技上昇

 ・短距離転移

 ・サーチ(小範囲)


 やはり短距離転移が相当容量を使ったようで、短距離転移以降は光属性上昇と小規模のサーチしか入らなかった。


 しかし小規模でもサーチが有れば短距離転移も更に使いやすくなるだろう。

 

 敵さんなんかは気付いたときには真っ二つにパッカーンとなってる可能性が高い。


 そう考えると邪神の欠片の力ってハンパない感じだな。俺の付加の方も負けてないだろうけど。


 一体誰が邪神の欠片の付加能力を付けているのだろうか。ボスっぽいあの人とやらはまだ復活してないわけだし。


 つーか、ルカの時もだけど亜神とかチートとか何なんだ。


「アイナ、最高傑作の完成だ。ほれっ。」


「あわわっ!神様からの贈り物を投げ渡すなんて罰当たりですよ!!」


 必要以上に早く低めに投げるとアイナは慌てた様子でキャッチした。面白いやつだな。


「これでとりあえずやれることはやった。後は王都に着くまでにシロと訓練して使い熟してくれ。じゃあ寝る。」


「ハルトさん…本当に感謝しています。ありがとうございました。」


 俺が恥ずかしいから素っ気なく部屋に戻ろうとすると、アイナははにかみながらも真面目にお礼を言ってきた。


 余計照れくさいからやめてほしい。


「ご主人様~?ねるのー?」


 すると突如寝ていた筈のシロの声がした。


「部屋一つにしてくれたー?」


 ぐはっ!忘れてた。今度じゃ駄目かな…。



 結局シロが目覚めたせいで俺は部屋に戻る事は許されず、仕方なく個人部屋を二つ壊して四人部屋へと改築させられた。


 通路を挟んで片側が四人の寝る部屋となりキングサイズのベッドを設置した。


 反対側には個人部屋をそのまま残し、一つが俺の部屋でもう一つは女性陣の共同部屋となった。


 飛空艇ハルルシアを飛ばす前に一度全員一緒に寝ているが、あの時は俺が寝てから皆忍び込んできたから、ビックリはしたがよく寝れていた。


 だが今回は最初から美人二人と美少女に囲まれて寝るのだ。どう考えても落ち着かない。

 というか寝れないだろこれ。


 せめて少しでも落ち着いて寝たいので、ポジション取りの為に一番乗りでベッドへ飛び込んだ。


 結果壁際をゲットすることに成功し、壁から俺・シロ・ルカ・アイナの順番になった。


 アイナは不満があるようで最後まで何か言っていたが、疲れていたようで俺はすぐに眠ってしまっていた。


 気付いたら浪漫飛行開始から二日目の朝を迎え、朝から今晩の不眠の心配をしているのだった。



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