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7-13 アイナ付加会議



「まぁ、落ち着け。本題はここからだ。」


「え?本題?」


 唸って威嚇するアイナへ本題があると伝えると、瞬時に普段のアイナに戻った。


「あぁ。聞いているかどうか知らないが、ルカやシロには装備品にある程度の付加を与えてある。アイナの装備にも付加出来ないかと思ってな。一気にシロより強くなる訳じゃ無いが無いより良いだろうから。」


「なるほど。それで装備を気にしていたんですね!ハルトさんってほんとに優しいですよね。ルカやシロちゃんがあれだけハルトさんを好きなのも最近じゃ納得ですよ。お・も・い・や・り。オモイヤリ-。」


「おもてなしみたいに言うな。それで、装備に付加を与えると簡単には言ったが、与えられる付加の量は装備によるみたいなんだ。ショボいものだと与えられないし、良いと言われる程度だと少ししか付加出来ないと思う。そこでシス・ルーンのネックレスだ。レアっぽいから付加することが出来れば、結構いけるんじゃないかなと思うわけだ。」


「確かにそれなら私の場合ネックレスが一番良さそうですね。でも、付加することが出来ればってことは出来ないこともあるんですか?」


「よく分かってないからな。既にある付加は重複して付けられないみたいだし。」


「そうなんですね。ところでどんな付加を与えてくれるんですか?」


「それはアイナのリクエストに出来るだけ答えて決める感じだな。」


「要望していいんですね!!やった!!!」


 アイナはガッツポーズで嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。これはこの笑顔に答えてやらないとな。


「じゃあ早速決めるか。アイナの戦闘スタイルはスピードと一撃必殺のイメージだがあってるか?」


「はい。勇者だから沢山の人を守るために大量の魔物を相手にしないといけない場面があると思うんですけど、1対1に特化した技が得意ですね。」


「となると得意なタイマンを伸ばす方向にするか、苦手な広範囲をカバーするか。または防御とか結界…魔法もありか。」


「むー、悩みどころですなぁ。お師匠様ならどうします?」


「師匠やめろ。俺ならか……。俺なら得意な分野を伸ばせる付加を付けるな。中途半端になっても嫌だし、1対1に特化してれば負けることは確実に減るわけだから。目に映る範囲では守れるだろうからな。」


「兄貴ぃーッ!!感銘を受けました!!私…タイマン最強少女目指します!!」


「いや、いずれは広範囲攻撃や結界とかもいける最強オールラウンダーを目指せよ。それにネックレス以外にも付加出来るように装備を変えたり増やしたりすればそっちにも付加は出来るんだから。」


「ハルトさん~。」


 アイナは突然泣き出した。嬉しさのあまりのようだが……情緒不安定?


 ここから付加する内容を決めるために煮詰めていくわけだが、二人よりも四人の方が失敗が少ないだろうからルカとシロを呼か。


『ルカ、聞こえる?』


『はい。ハルト様。』


『ルカの装備付加についてみんなで決めたいからこっち来れる?』


『はい。すぐに向かいます。』


 念話が途絶え、アイナにルカとシロが来ることを伝えようとしたが、ルカはうつらうつらしているシロを小脇に抱えてすぐに現れた。


「お待たせしました。」


「いや、全く待ってないよ。突然悪いね。」


「とんでもありません。微力ながら参加させて頂きます。」


「じゃあアイナ。早速決めていこうか。」


「はい!お師匠様!!」


「アイナ、とても成長しましたね。素晴らしいです。」


「だから師匠はやめろ。弟子は取らない。つーか話が進まなくなるから普通にしてくれ。」


「あい。お願いしまーす。」


「シロは……寝てるからルカはアイナにどんな付加が合ってると思う?」


「そうですね。……私はとりあえず魔力量と魔力の上昇、あと身体能力上昇は外せないと思います。基礎的な能力は大事なので。」


「確かに基礎は大事!!ルカは良いこと言うね~!」


「じゃあとりあえずその三つは確定でいいな。シス・ルーンのネックレスに付加出来るかとりあえず試してみるか。アイナ、ネックレスを貸してくれるか?」


「はいっ!お願いします!!お礼に艦長の座は譲ります!!!」


「アイナ?ハルト様は最初から艦長ですよ?」


 うーん。いつの間にか俺の肩書きが艦長になっている。


「マジック・クリエイト。」


 シス・ルーンのネックレスを手に乗せ、身体能力上昇、魔力・魔力量上昇を送り込んでいく。


「とりあえずさっきの三つは上手くいったみたいだ。…………うん、鑑定でも確認出来たぞ。」


「早っ!!始めてから5分もかかってないですよ!騙してないですよね??」


「失敬なやつだな。で、次はどうするか。」


「私のブルーアクラよりも容量は大きそうですね。」


「じゃあ、一つわがまま言っても良いですか?」


「あぁ、いいぞー。」


「剣技の威力と射程距離を伸ばしたいんですけど……出来ますかね。」


「分かった、やってみる。マジック・クリエイト。」


 威力と射程距離……この二つは剣技のレベルアップでどうにか出来そうだな。


 と思ったら剣技レベル上昇は出来なかった。付加出来ないというより容量オーバーといった感じの感覚がした。


 となるともう少し内容を具体的にしないと駄目なのか?剣技だけだと全ての武器の剣技になってしまうとかかな。


「だ、駄目そうですか?」


「いや、ちょっと待って。アイナは武器は片手剣でいいんだよな?」


「そうですね。抜刀術使ってるのに勇者の剣なんで刀じゃないんですよ。」


「わかった。」


 今度は片手剣の剣技レベル上昇でやってみよう。


 再度シス・ルーンのネックレスに魔力を流し込むと、今度はすんなりと吸い込まれていった。

 ビンゴだったな。


「よし。鑑定……でもオッケーだな。アイナ、片手剣の剣技レベル上昇の付加が付いたから、これで威力や射程距離も含めて色々と上がったんじゃないかな。」


「ふっふっふ……これで最強ですね。」


「それは無い。で、次はどうする?このまま攻撃特化な感じで行くか、気配察知や魔力感知みたいな戦闘を有利に進めやすくするスキルにするか、もしくはルカみたいに俺と連絡取るみたいな特殊な感じにするかだな。」


「ルカはどうしたの?」


「私は全部です。」


「は?」


「得意な部分を伸ばしつつ基礎も育ててハルト様の居場所をいつでもサーチ出来て、尚且つ念話で会話をしつつ空も飛べます。サーチは迷惑になりそうな時は使いませんが。」


「え……嫁なの?ブルーアクラもハルトさんからのプレゼントだったりして!…………え?まじ?」


 ルカは恥ずかしそうに下を向いて顔を赤らめる。


 アイナは驚愕の表情で美人が台無しになっている。


「ルカばっかりずるいーーーッ!!!!!!」


 はぁ、何だかルカの時と違って面倒くさいのは何でなんだ。中々進まないし。


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