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7-9 略してガンチュー

既に9話目ですが……………7章はほのぼのまったりです(*´∀`*)ノ


20話近く続いちゃう予定ですヒイィィ(゜ロ゜;三;゜ロ゜)ヒイィィヒイィィ(゜ロ゜;三;゜ロ゜)ヒイィィ





「という訳で冗談は言ったがみんな本当に気になっているんだ。」


「まぁ、私もテンパってすみません。これ旨いですね。」


「シロが好きなプーだよー!おいしーねー!」


「これプーだったんだ。珍しい味付けだったから気付かなかったなー。シロちゃんプー好きなんだね!」


「アイナが好きなカルカルの煮付けもありますよ?」


「どれどれ……くぅー!!久しぶりの下町の味だわ!これよ!この味!まさにカルカルは川のカレイね!」


「あっ、ほんとだな。カレイの煮付けに似てる。懐かしい味だな。」


「そうなんですよ!私も城下町で食べたときには泣きそうになりましたよ!」


 食事をしながら談笑しているとアイナの機嫌も回復してきたようだ。


 無理矢理にでも飯にして正解だったな。チョロいぜ。


「なぁアイナ。今はパーティーの仮要員ではあるんだが、アイナは俺達を仲間だと認識しているのか?」


「随分急に直球な質問ですね。ルカは元々友達だったし、シロちゃんは強さも可愛さも掛け持った最強生物だし、ハルトさんは奇跡の出会いですし。まぁ、仲間なんでしょうね。」


「だったら俺も正直に言うが……アイナ。」


「はい。なんでしょう。」


「俺はお前と一緒に旅をしたいと思ってる。シロもルカも同じだ。色々な弊害や立場や状況等もあるだろうが、仲間になってくれないか?」


「……ハルトさんの正式なパーティーに?」


「そうだ。」


「なんで私なんかを?ルカやシロちゃんの足元にも及ばないですけど。」


「今はな。だがアイナはルカやシロにも負けず劣らずの強い信念がある。だから必ずもっともっと強くなれる。それにその信念は勇者をやろうが俺達と居ようが最終的に辿り着く先は一緒の筈なんだ。だったら傍に居て一緒に強くなった方が手っ取り早いし、安全だと思う。」


「辿り着く先……ですか。リスキア様と繋がりがあったり、わざわざ神の持つ力を与えるなんて大事なんだろうとは思っていましたけど……敵は誰なんです?」


「敵は分からない。だがこの世界をまるで玩具のように考えている奴らが掌握しようとしている。それを阻止して、この世界を守りたい。仲間になってくれるなら詳しく話せるんだ……どうだ?」

 

 俺がそう伝え問うとアイナは何か考えているようで黙ってしまった。


 沈黙が食堂を包む。


 そして長い静寂の後、下を向いていたアイナが顔を上げた。


「皆の事は大好きです。一緒にいると毎日驚きがあるし笑顔がある。それにこの短期間でこんなに成長もさせて貰いました。…確かに勇者は魔王が現れた際には、敵対国同士であろうと戦争中であろうと手を取り世界を守る使命があります。ハルトさんの敵の話に関しては詳しく知りませんが、今聞いた限りでは最終的に辿り着く先も同じなんだろうと思います。」


「そうだよー。だからアイナも一緒に冒険しよー?ねー?」


「だけど……辿り着く先が同じでも、今向かうべき所やそこまでの道のりは違います。私は王都の勇者なんです。だからと言って王都だけを守ればいいわけじゃないというのは分かってます。ですが王都の皆に助けられてここまで来たんです。だから……ハルトさんでも苦戦するような敵が世界を手中に治めようとするなら尚更最初の一歩は王都からじゃないと駄目なんです。地球に帰りたい気持ちは変わりませんけど、それとは別なんです。王都も大切な故郷だから。」


「……そうか。分かった。仲間は取り敢えず諦める。」


「ハルト様、宜しいのですか?」


「理由聞いただけでも芯が強くて頑固なのが分かるくらいだ。しつこくしても嫌われるだけで結果は変わらないだろうからな。」


「そうですが……。」


 珍しくルカが全肯定しなかった。あれ、間違えてるのかな俺。


「えー、アイナと離れるのはいや-!妹なんだからお姉ちゃんの言うこと聞かないとだめだよー!!!」


「シロちゃん…ごめん。」


「シロ、我慢だ。アイナはただの自己中なんだから気にするな。頑固な自己中……ガンチューだ。」


「ガンチューは眼中にないー?」


「くっ……この雰囲気でもそんなことを言いやがりますか。」


 あんまり仲間内でしんみりとかは恥ずかしいから好きじゃ無いからな。


「アイナ。取り敢えず王都へは真っ直ぐ最短経路で向かってやるし、ゆっくりでいいならゆっくり向かっていく。そのさじ加減はアイナが決めて良いから、一つ頼みを聞いてくれないか?」


「頼み?何でしょう。嫌な予感しかしないですけど。体は駄目ですよ?」


「やっぱりアホか。」


「阿呆ですねハルト様。」


「ぐぅっ…こっちがボケると失言扱い。卑怯な手を……。」


「まぁふざけてると長くなるから止めよう。面倒くさい。」


「ハルトさんが先にふざけたんでしょうが!!って何ですか……いきなり真面目な顔して。」


「…………アイナ。俺と勝負しろ。」


「へ?」


 アイナは俺の言葉に完全に固まっている。屍か?


「ダンジョンでは殆どまともにやれていないし、俺は身体能力や強いスキルはあるが圧倒的に経験値が足りてない。だから戦ったこと無い奴とやりたい。俺の訓練に付き合え。」


「ちょっ!無理ですよ!ダンジョンで簡単にAランクのレーテルフィッシュの群れを倒してたじゃないですか!勝てるわけがないです!」


「今のアイナなら同じ位のことは出来るんじゃないか?それに俺に勝てなんて言ってないし。」


「だって怖いですもん!リスキア様に世界を託される程にハルトさん強いんでしょ?」


「そうですね。ハルト様は私などとは次元が違います。私で例えるならプーとレッドドラゴン。ゴブリンと魔王、村民と戦神と言ったところです。」


「ほら!!無理無理無理!!絶対無理!!模擬試合で誤って殺される!!絶対戦いませんからね!!」


「ご主人様は優しいから大丈夫だよー?死にはしないと思うよー?即死しなければ治してくれるよー?たぶんねー。」


「半殺しも嫌よ!」


 仲間の誤射のせいでアイナは強烈に拒み始めた。仕方ない、俺が説得するか。


「じゃあ聞くが、アイナは絶対的強者と戦わなくては行けないときに立ち向かう覚悟は出来てるのか?」


「……勇者として、敵に立ち向かう以上は覚悟出来ているつもりです。魔物の命を奪う以上は奪われる覚悟もしろと教えられましたからね。」


「じゃあ、王都にお前じゃ手も足も出ない程の奴が攻めてきたらどうするんだ?」


「勿論、命懸けで戦いますけど。」


「なのに負け戦だと言って訓練は拒むのか。だったら王都なんてアイナより少し強い奴がきた時点で滅ぶなぁ。死ぬの確定で命懸けで戦って英雄ぶられても迷惑だろ。……王都への思いも薄っぺらいもんだ。勇気も希望も無いアホな捨て身勇者なら、勇者なんて止めた方がいい。残念だ。ルカ、俺の先見の明は無かったらしい。」


「…………喧嘩売ってるんですか?」


 よし、雑魚が安い餌に食い付いた。アイナはほんとチョロインだなぁ。

 だから雑魚扱いされんだぞ。ガンチューめ。


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