7-5 お風呂タイム
「ふぁあぁぁ~!生き返るぅ~。久々の温かいお湯……たまりませんなぁ。」
「そーだねー。」
「うわっ!びっくりしたーッ!!シロちゃんいつの間に……もしかして忍者?!」
「ふっふっふ。よくぞ見破ったアイナよ。ニンポー水手裏剣~ちゅりゃりゃりゃ!!!!」
「ぶはっ!シロちゃん待った!!ぶばば!!シロちゃんがやると普通にダメージくらうって!!!たんまたんま!!!」
「アイナ?そんなに騒いでどうしました?」
「あっ、ルカちゃん!!ルカちゃんも来てくれたんだ-!!!ありがとー!」
「救世主!!危うく身内に溺死させられるとこだったわ!!ってルカ胸デカッ!!!!何カップよ!前は私と大差なかった筈なのに。はっ……まさか!!ハルトさんは強さだけじゃ無くて胸まで成長させるというの?!」
「カップというのはよく分かりませんが、確かに最近胸の辺りが圧迫されていますね。ハルト様のおかげなのかは分かりませんが。」
「ルカちゃんもにゅもにゅ~。柔らかい~。」
「シロちゃん!くすぐったいです!!」
「ぐへへへ。その白い柔肌……アイナおじさんにも触らせておくんなましー。」
「もう!!二人とも止めて下さい!!これでは落ち着いて入れません!!!」
「そんなスベスベで真っ白くて柔らかい体してる方が悪いんですー。」
「ルカちゃんはもにゅもにゅふにふにだから悪くないよー?あれー?アイナは小さい-?」
「なっ!!小さくないわよ!!地球じゃ普通より大きいわ!ルカのスタイルが地球離れしてるだけよ!何その足首の細さは!何でカモシカみたいな脚でそんな強いのよ!サイボーグでしょ!ルカは009なのよ!!」
「サイボーグじゃなくて龍人だよー?」
「くっ…天然には私の高度な攻め方は逆効果か。………シロちゃん。シロちゃんも小さいね。わ・た・し・よ・り。」
「シロはまだ子供だもーん。大人になったらドガァーンキュッドガァーンだよー?」
「ボンキュッボンがショボく感じるねそれ。あっ、ハルトさんに私の胸が小さかったーとか誤った情報は与えちゃ駄目よ?」
「わかったー。ご主人様そろそろ起きたかな-?」
「少し疲れた顔してたから起こさないと起きないんじゃない?」
「そうですね。今日はゆっくりと休んで明日出発に変更しましょうか。」
「さんせー!!!じゃあシロが飛空挺番しようかー?」
「シロちゃんはルカと寝てなよ-。私がやるからさー!」
「私が結界を張りますので皆で寝ましょう。」
「「はぁーい!!」」
「あーのぼせる-。私先に出るねー。」
「はい。私はもう少し温まってから出ますね。」
「シロもー。ルカちゃん、ちゅりゃりゃりゃ!!!!あっ!ニンポー水手裏剣が凍ってる!!」
「シロちゃん、お湯が冷めてしまいますよ。」
「楽しそうに風呂入るな-!!出られなくなるだろー!!!よし、アイナ忍法水遁の術!!……ぐはっ!!ば、馬鹿な……。」
「アイナは早く出なさい。」
「私の水遁の術が……。ていうか、この氷解いてくれないと私動けないから出られないんですけど。寒っ!湯冷めした!」
「もう、二人とも今度は静かに浸かって下さいね。」
「「はぁーい!!」」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ふわぁー。」
仮眠のつもりだったのだが、外の明るい日差しが瞼ごしに光を知らせる。
疲れていたからかはたまた気持ち良くてなのか、まだまだ起きたくない。
でも出発が大分遅れちゃったからな。あんまり待たせても悪いしそろそろ起きようかな。
目をこすり体を起こし、ベッドに手をついた。
ベッドに、手をついたのだ。
それなのに……ムニュッという異常に柔らかい感触がした。
「あっ……ハルト様。お目覚めですか?」
「うわわわわっ!!!な、なんでルカがいんの?!つーか、アイナまで!!」
「ふわぁ、……ハルトさん朝から元気ですねー。おはよーございまーす。シロちゃんもいますよーってシロちゃんベッドから落ちてますねー。」
「グー……グー…。」
贅沢にベッドはクイーンサイズにはしてある。だが四人で寝るのは狭いだろ。
案の定シロは落っこちたようで床で寝ちゃってるし。
「はぁ。ルカ……ごめんなさい。」
「何がでしょうか?」
「いや、何でも無い。」
俺は何となく居心地の良いんだか悪いんだか分からないベッドを下りて、シロをベッドに戻した。
「先に起きてるから、ゆっくりしてていいよー。」
「いえ、私も起きます。」
「私も起きま-す。シロちゃんも起きれ-、ちゅりゃ!」
「ピッ!!!」
……愉快な仲間達だな。
歯を磨いて顔を洗い食堂へ行くとすぐにルカが来た。さっきまでの愛らしいドキドキするパジャマ姿ではなく、クールなルカとはまた印象の違った青と白の可愛らしい服とスカートだった。
「なんか雰囲気違うね。」
「アイナが貸してくれました。断ったのですがどうしてもというので。」
アイナグッジョブだ。最近アイナのグッジョブ多いな。
「似合ってるよ。可愛い感じの服着ると普段は美人なのに途端に可愛くなるね。」
俺が褒めるとルカはボンッと効果音の聞こえて来そうな程に一気に赤面した。
可愛い服で照れてるルカはほんと可愛いな。
「………ハ、ハルト様。朝食はすぐにご用意しますので少しだけお待ち下さい。」
あっ、話そらした。恥ずかしさの限界だったのかな。
「大丈夫だよ。ルカは座ってて。まだインベントリに食料はあるからすぐに用意するよ。」
「いつもハルト様ばかり働かせてすみません。」
「全然働いてないよ。ただ出すだけだしね。動きで言ったらルカの方がよっぽど動いてくれてるし。いつもありがとう。」
「ハルト様……。」
「ルカ。」
「おはよー!!!ご主人様~!!!!ちゅりゃ!!!」
「ぐはっ!!!」
折角これまた久々の良い雰囲気だったのに、いつもの如くシロの強烈おはよータックルで台無しだ。
「お、おはよーシロ。」
「……ハルトさんよくあの挨拶で今まで生きてましたね。」
「何とかな。」
インベントリからパンやスープを取り出して並べていく。皆も席に着き準備が整った。
「じゃあ食べようか。」
「「「「いただきまーす!!!」」」」
皆でゆっくりとる朝食は最高だ。とても美味しく感じる。
「柔らかくて美味しいパンですね。野菜やハムも新鮮ですね。」
「ここは冷えるから朝の温かいスープが身に染みる-。」
「ガフガブガブガブ……。モグモグモキュモキュ……。」
シロは黙々と食べてる。蟹じゃ無いのに黙って食べ続けている。よっぽど腹が減ってたのかな。
「そういえば冷えるな。氷の極地だから当たり前……おわっ、外凍ってる!いや。むしろ飛空挺氷漬けにされてる?!」
「あっ、ハルト様申し遅れましたが、飛空挺を守るために氷の結界を張らせて頂きました。」
そうか。俺寝ちゃってたもんな。ルカが守ってくれてたか。ルカはほんと気が利くな。
それにしても今朝は驚いてばかりだ。
「そっか。ルカ、何から何まですまんね。」
「ハルト様の為ですから当然です。」
少し見上げるように微笑むルカがとんでもなく輝いてみえる。この笑顔を見ているだけで心が癒されていく。
本日もルカシスが止まらないな。
今日も良い日になりそうだ。




