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7 家出



『確かこの辺りだったと思うんだけど。あった!あの馬車だ』


城に朝早く来る馬車のことは、侍女たちの噂話で知っていた。新鮮な卵と野菜とミルクを運んでくる馬車だ。【かくれんぼ】を使ってその馬車に乗り込むことができた。心臓がドキドキしてる。誰にも見られてないことはわかってるのにドキドキが止まらない。


『早く、早く動いて。見つかったらきっと泣いてしまう。そんなことになったら困らせてしまう。お願い早く、動いて』


1秒が1時間に思える。願いが通じたのか馬車が動き出した。

豪華な馬車にしか乗ったことがないから知らなかったけど結構揺れるし響いてくる。クッションなんてないからゴロゴロ転がってしまう。

しばらく走って馬車が止まった時にはホッとした。

後ろの布が開けられて人が入ってくる。荷物を降ろすためなのか、キョロキョロと物を探している。ドキドキする。私の横の方に手を伸ばして袋を掴むと降りていった。私もその人の後から降りることにした。外に出ると知ってる場所だったので胸を撫で下ろした。ここからなら隣町に行く馬車の乗り場が近い。


ここから先は人がいるかもしれないから【かくれんぼ】は解くことにした。

寒さが身にしみてくる。もう少し着込んだほうがよかった。このままでは風邪をひいてしまう。【かくれんぼ】してる時は寒さを感じなかったから不思議です。


乗り場に着くと結構人がいました。みんな私とあまり変わらない格好をしてます。私はフード付きのコートで髪を隠しているのですが、他の人たちも寒さのせいか頭を布で覆っているので目立ちません。乗車賃を集めてる男の人に金貨を渡します。

金貨1枚で隣町まで連れて行ってくれるようです。


順番に馬車に乗り込みます。さっき乗った馬車よりは乗り心地が良さそうですが、クッションを用意しなかったのが悔やまれます。


端の方に座って目を閉じました。眠ってるように思われたら話しかけられることもないでしょう。

馬車が動き出しました。やっぱりすごく揺れてます。隣町まで大丈夫でしょうか?










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