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5 夕食



「今日のお茶会はどうだった?」


5年前キラキラだった男は今もキラキラ輝いてます。眩しすぎますよサイラス様は。


「クリスティーナ様のファッションの話がとても勉強になります。旦那様はクリスティーナ様からファッションの話を聞いたことがありますか?」


旦那様というのはサイラス様の事です。サイラス様が国王になられた時国王の部屋に移った。その時に私も部屋を替わった。たぶんその位の時期にこれからは旦那様と呼ぶように言われたのだ。


「クリスティーナは、ファッションの話かカホのことしか話さないよ」


私のことって何の話でしてるんですか?気になります。


「私のことですか?」


「そう、君のこと。今日の大事な話に関することだよ」


ついに来ました。サイラス様は少し緊張しているようです。先ほどから何度も水を飲んでます。


「実は、君も後2ヶ月で16歳になる。そこで私も嫁を娶ることにした」


一気にそう言うとまた水を飲んでます。


「そ、そうですか」


私に言えるのはその一言だけです。いつかは来ると思ってた日がとうとう来てしまった。


「いいだろうか」


サイラス様は真剣な顔で訊いてきます。名前だけの妾にも礼儀を尽くす方なんです。


「いいと思います。旦那様」


私はにっこり微笑んでみせました。


「そうか、君に嫌だと言われたらどうしようかと思ってたよ。ところで結婚式には勇者タケルも呼ぼうと思うのだが、どうだろう?」


「タケル様ですか?」


「君と同じ故郷から来た人だ。見てもらいたいだろう」


サイラス様の結婚式を見てもらいたいかと聞かれると別にどうでもいいと言いたいが、爽やかな笑顔で返事を待ってるサイラス様には断り辛い。


「わかりました。手紙で出席されるか聞いてみます」


「手紙?手紙のやり取りをしているのか?そのような事聞いてないぞ。手紙は全て検閲されてるはずだがどういう事だ?」


そう私への手紙は全て検閲されている。嫌がらせの手紙や取り入ろうとする手紙がほとんどなので、私の所に来る前に破棄されてるらしい。


「タケル様の手紙は直接私の部屋に来るので検閲されてないのです。いつの間にか机の上にあるのです。魔法でしょう」


「返事はどうするのだ?」


「返信用の封筒が数枚入ってるので、それに手紙を入れる封をすると次の日には消えてます」


「便利な魔法だな。どんなことが書かれてるんだ?」


「旅をしてるそうで、主にその街の事が書かれます。タケル様からは手紙の許可は頂いてるという話だったのですが、ダメだったのですか?」


「いや、許可はしてるので問題ない。さすがは勇者。結界がはられてる王宮に誰にも気付かれずに手紙を送れるとは......。だが、招待状はこちらで発送するからカホは気にしないでくれ」


サイラス様はそれだけ言うと立ち上がった。


「これから忙しくなる。カホも部屋を変わることになるから準備しておくように。衣装のことは今までのようにクリスティーナに頼んである。何か困った事があれば何でも言ってくれ」


「はい。そうさせていただきます」


サイラス様は私の頭を数回ポンポンと叩くと部屋を出て行った。私が小さい頃からの癖です。











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