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4お茶会



「カホ様、先日大変な目にあわれたと聞きましたわ。大丈夫ですか?」


クリスティーナ侯爵令嬢は入ってくるなり私に抱きついてきて、心配そうに顔を覗き込んでくる。

カホというのは私の名前である。山本香穂というのが正式な名前だが、こちらでは通用しないのでカホとだけ呼ばれてる。


「え? 知ってるんですか?」


「サイラス様がとても心配してましたわ。私とのお茶会の時のケーキだったとか。私が頂いたケーキは大丈夫だったから、カホ様のだけに毒が入っていたのですね。食べなくて本当に良かったわ」


サイラス様はクリスティーナ様にはなんでも話してるんですね。


「ふふ、いつ見ても素敵なお色の髪です。羨ましいです」


クリスティーナ様は私の黒髪をいつも褒めてくれます。この国では珍しい色の髪だからです。1年くらい前にこの国に来られた勇者タケル様の黒髪の事もとても素敵な髪だと言ってたから本当に黒髪が好きなんですね。始めの頃はお世辞を言ってるのかなと疑ってました。


「今日の服もよく似合ってるわ」


今度は服も褒めてくれます。とは言うものの私の服は全部彼女がデザインしてるのだから自分自身を褒めてるのかもしれません。

クリスティーナ様は服のセンスが抜群で、私にも似合う色の組み合わせとか流行する袖の長さなどファッションの話を延々とします。いつもお茶会はその話を聞いてるうちに終わりが近づいてくるのです。


「あら、もうこんな時間。もっとお話をしたかったのに残念だわ」


私は正直ホッとしました。


「本当に残念です。また話をしに来てください」


クリスティーナ様は立ち上がった時、


「そういえば、もうサイラス様からはお聞きになりました?」


と尋ねてきます。


「何をですか? 大事なことでしょうか?」


何の話でしょう。やっぱり結婚のことでしょうか。


「いえ、聞いてないのならいいのよ。これからも私と仲良くしてくれると嬉しいわ」


意味深な言葉を残して帰って行った。


お茶会の片付けをしているマリーとメリーに


「最後のサイラス様からの話って何だと思う?」


と聞いてみる。


「さあ、私にはわかりません」


とマリー。


「今日の夕食の時にでも話されるんじゃありませんか」


とメリー。


そうね。今日の夕食の時には分かることなんだから気にしないでおこう。









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