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36 返事

   


「えっ?」


 よく聞こえなかったみたい。ケッコンシテクダサイって言われたような.....まさか、そんな事あるはずがない。でも、この状況はプローポーズによくある。サイラス様は頭を下げたままだ。こんな風にサイラス様の頭を見たことがあっただろうか。いつも上から見下ろされてた。小さい私はいつも彼を見上げてた。

 どうしたらいいのだろう。はいと言っても本当にいいの?

 周りを見るとみんなが頷き返してくれる。


「私でいいのですか? 後で後悔しませんか?」


「君が、いいのだ。カホ、君でなければ私は後悔する事になる。どうか『はい』と言ってくれ」


 なんでだろう。目から涙が溢れてくる。


「はい。これからも...よろしくお願いします」


 サイラス様の手を私は泣きながら掴んだ。

 サイラス様は素早く立ち上がると私を抱きしめて


「カホのことも絶対に後悔させない。約束する」


と言ってくれた。幸せすぎて怖いくらい。ずっとこのままでいたい。


「二人の世界は後にたっぷり取ってくれ。今はこれから事を話してくれ」


「ふん。雪を降らせるのを忘れるなよ」


 サイラス様はタケル様に言われて私から離れると皆に椅子に座るように促した。


「結婚式はひと月後に行う」


「え?」


 彼の発言に驚いたのは私だけのようで皆が頷いてる。さすがにひと月で王様の結婚って出来ないと思うんだけど。


「招待状は明日朝一番に発送だ」


 発送する前に作らないといけないと思うんだけど....。メリーが『はい』と答えてる。えー。大丈夫なの?


「タケル様にはお願いがある。カホの後見人になってほしい。ノヴァーク侯爵家に頼む予定だったが、侍女が本当に独断でやったとは考えにくい。ノヴァーク家に頼むのは危険な気がする。タケル様になっていただければ、誰からも反対意見は出ないだろう」


「俺からの条件はただ一つ。絶対に泣かせるようなことはしないと約束しろ。それができれば後見人になろう」


「言われるまでもない。必ず守ると誓う」


「わかった。書類はもう出来てるんだろう。サインしよう。明日には帰るからな」


 トントン拍子で進んでいく話に驚いて声を出すこともできない。後でゆっくり聞くことにしよう。

 ひと月後に結婚とか明日から忙しくなりそう。本当に結婚できるのか不安もあるけど、これからは任せてばかりじゃなく協力して頑張っていかないとね。結婚ってそういうことだよね。

 その後のことはあまり覚えていない。気付いたら自分の部屋で眠っていた。





 








更新が遅れて申し訳ありません。

見捨てずに読んでくれている皆さん終わりまでどうかよろしくお願いします。

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