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34 帰還



タケル様の魔法であっという間に王宮へ帰ってきた。私の部屋は本当に家出してたのかな? って思うほど何も変わってない。家出した時のままだ。てっきり部屋を替わるって言われてたから、元の部屋は物がなくなってるかと思ってた。


「まだ部屋がそのままなのね」


私は部屋を見回しながら呟く。


「カホ様がいないのに移動しませんよ」


ドアからの声に振り向くと侍女のメリーが笑顔で迎えてくれた。


「お帰りなさい、カホ様」


「ただいまです。メリーに会えて嬉しいです」


変わらないメリーの姿に涙が溢れそう。家出して数ヶ月。メリーの笑顔も、私を見る優しい瞳も変わってない。


「カホ様、それは何ですか?」


メリーは私の抱えてる物に首を傾げてる。そうだった。これ結構重いのよね。マリーが持ってくれるって言ったけど、どうしても自分で渡したかった。


「これはスイカです。冷やしておいて下さい。夕食の時に食べましょう」


メリーに渡すと腕が軽くなった。かなり重かった。


「それはカホ様が作ったんですよ。まだ食べたことはないけど、とても甘いそうです」


タケル様にどうするか聞かれて、スイカができたら王宮に帰ることを伝えた。それからスイカができるまでに色々な体験をした。王宮に戻ったらできないからタケル様に頼んで色々な所に連れて行ってもらった。あのウォータースライダーはすごかった! 是非また行きたい。サイラス様はどんな顔をするのかしら。


「陛下は執務中で来られません。夕食を一緒にと言うことです」


サイラス様に会うまでに少し時間がもらえるようで、良かったです。久しぶりのサイラス様はきっとキラキラしてると思うので心臓に悪いです。


「犯人が捕まったと聞いたけど、本当にクリスティーナ様の侍女だったのですか?」


「はい。クリスティーナ様は知らないみたいでしたが、ノヴァーク侯爵家が本当に関与してなかったのかは分かってません。これ以上何かするとは思えませんが、これからも気をつけた方がいいでしょう」


ノヴァーク侯爵といえばクリスティーナ様のお父様。見かけたことはあるけど挨拶さえしたことがない。私なんて相手にしないと思うけどな。


「タケル様は一緒に夕飯食べますか? 」


「ああ、あのヘタレがどうするか見たいから食べていくよ」


ヘタレ?何のことかな? まあ、タケル様がいるなら少しだけ安心だね。これからの事を今度はきちんと話し合わないと前に進めない。サイラス様に何をしたいのか言わないとね。






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