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3 マリーとメリー



私には侍女が2人いる。次女のお仕着せは同じ服なので双子だから見分けがつかない。でも長く付き合っていると自然とわかってくる。


「今日の予定はどうなってるのかしら」


妾とはいえ、予定はあるのです。王妃が決まってないせいもあるのでしょう。面会を求める方が結構いいます。私には陛下に意見を聞いてもらえる力は皆無だというのにご苦労なことです。


「本日は陛下が夕食をということです。大事な話があると言われてました」


とうとうこの時がきたのでしょうか?


「そ、そう。お待ちしてますと伝えてください」


「はい、わかりました。後、クリスティーナ侯爵令嬢が会いに来られます。陛下が許可されたそうです」


クリスティーナ侯爵令嬢はサイラス様が私の為に友達として用意してくれた令嬢です。あのパーティーの後、紹介されました。将来王妃になられる方と妹のように可愛がっている私の仲が悪くならないように気を使われたようです。


「お茶の用意をお願い。今日は2人ともそばにいてくれるの?」


「はい。この間のような事がないようにこれからしばらくは2人がついておりますので、ご安心ください」


この間の事というのは、侯爵令嬢とのお茶会で出されたケーキに毒が入れられていたことです。大好きなケーキなのに食べる気がしなくて残していた。侯爵令嬢が帰られた後、侍女のマリーが私が食べなかったことを変に思って調べたことにより毒が混入されていたことがわかった。

前にも似たような事があったのですぐわかったのです。その時は1人侍女が亡くなっている。私の残したクッキーをもったいないと食べて亡くなったのだ。

普通主人が残した物を食べる事はあり得ない事なので、彼女がなぜ毒殺されたのか皆首を傾げていた。ーー彼女がクッキーをコッソリ持って帰ったのを見た人がいなかったら今でも私が狙われてたとはだれも思わなかっただろう。私を殺して得する人などいないのだから。


「何も起こらないと思うけど.....」


どうやら私には女神さまの加護があるおかげで毒殺は無理みたいです。毒が入ってると食べたくなくなるのだから便利です。妾をクビになったら毒味係になってもいいかもしれないです。


「マリーもメリーも大変だろうけどお願いします」


「「はい、お任せください」」


クリスティーナ様とのお茶会は2人がいてくれた方が安心です。あの方は悪い方ではなさそうですが、一緒にいるのは疲れる方なんです。







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