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26 マリーからの手紙ーメリーside



メリーはマリーからの手紙を読むとサイラス様のところに駆けつけた。あり得ないことだと思う。でもサイラス様がビビリな所があるのも知ってる。


「どういうことですか?」


マリーからの手紙を見せて聞く。


サイラス様はマリーからの手紙を読んで首を傾げた。


「これはどういう意味だ?」


「わからないんですか?」


「私のプロポーズが全く伝わってない? そんな事があっていいのか?」


「はっきり言って、プロポーズになってません。別れの言葉に思われた可能性もあります」


「そこまで言うのか? 父上のプロポーズを参考にしたのに.......どこで間違ったんだ」


メリーは呆れた。サイラス様の父と母は結婚する何年も前から婚約していたと聞いてる。カホ様とサイラス様の関係で参考になるはずがない。


「とにかく本当に結婚する気があるのならもう一度プロポーズやり直しです。いいですね」


「またするのか。あれほど緊張したことはなかった。振られたらどうすればいいのかと思うと夜も眠れなくなる」


プロポーズで緊張するのは当たり前だとメリーは思う。振られる事もあるだろう。それでもプロポーズしなければ前には進まないのだ。


「そうですね。以前とは違って外の世界を知ったんです。振られる可能性が増えたでしょう」


外の世界がどんな所なのかメリーにもわからない。でも籠の中の鳥の様な生き方をしていたカホ様がまたここに帰りたいと思うだろうか?


「そこは嘘でもいいから大丈夫だと言ってくれ」


サイラス様も不安なのだろう。頭をかかえている。


「タケル様が捕まえた犯人から黒幕はわかったのですか?」


「いや、若い女に頼まれたことしか分かってない。前金でいくらか渡されて、成功したら報酬をもらえることになってたらしい。似顔絵を描いてもらったが見るか? どこにでもいる顔だ......どうした。知ってるのか?」


メリーはサイラス様から渡された似顔絵を見て固まった。この顔は見覚えがある。あの毒混入事件の時に部屋に居た人物に似てる。


「知ってるというか、似てるというだけです。冤罪とか好きではないのできちんと調べてください。ただ毒混入事件の時にもそばに居た人物です」


「クリスティーナ嬢の顔じゃないぞ!」


サイラス様が叫んだ。

あの毒混入事件はクリスティーナ嬢とのお茶会の時におきた。あまりにも不穏な事件だったがクリスティーナ嬢の為だけに事件は葬られた。侯爵令嬢に悪い噂は与えられない。下手をすればカホ様が侯爵令嬢に罪を着せるために自作自演したと噂される可能性も考慮された。


「他にもいたでしょう。印象の薄い顔だったからあの事件の時以外に見たんだったら忘れてた顔です。でもあの時の事は鮮明に思い出せます」


「まさか.......だが...」


サイラス様にも誰だかわかったようだ。メリーにはこの人物が犯人だったとしたらどうなるのか、その事がとても心配になった。カホ様はここに帰ってくることができるのかしら。








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