23 カップ麺を食べよう
「これがラーメンですか?」
「そうよ。お湯を入れるだけなの。簡単でしょ?」
せっかく買ったのに中々食べる機会がなかったカップ麺。やっと食べれるよ。
「お湯を入れるだけですか。調理場は必要なかったですね」
マリーは私がマジックショップナナミで買った商品を作って食べると言ったことから調理すると思ったみたい。道理で一昨日は急には無理だって言うはず。私はお湯を入れるだけだからなんで無理なのかわからなかったんだけどね。
ここはルドリアさんに用意してもらった調理場。個人用らしくあまり広くない。
ノアとリリーが居るのはわかるけど、なぜかルドリアさんまで座ってる。困ったなぁ、カップ麺だけで足りるかしら。
マジックショップナナミで買ったカップ麺を5つ用意して、皆に配る。作り方がわからないようなので説明する。
「これ全部入れていいんですか?」
「その調味油って書いてるのは食べる直前に入れてください。お湯をこの線のところまで入れて、蓋を閉じて5分待ちましょう」
「5分待つのですか?」
「はい、この砂時計の砂が全部落ちたら5分なんですよ」
私はマジックショップナナミで買った砂時計をテーブルの真ん中に置いた。みんな真剣な表情で砂時計を見ている。
マリーが割り箸を配ってる。これもマジックショップナナミで買ったものだ。
マリーは箸を使える。私が教えたからマリーもメリーもサイラス様も使える。箸は私から聞いたサイラス様が特注で作らせたものだった。あれは置いてきたから今日は割り箸を使う。
「皆さんは箸を使えますか?」
私が聞くと使えると言われて驚いた。どうもタケル様が使ってることから、この屋敷では箸を使えるように指導されるらしい。
「「「いただきます」」」
挨拶まで日本式⁇ 蓋を外して食べ始める。
「これはスープがしっかりしてて、今まで食べたことのない味です」
ルドリアさんは麺より先にスープを味わってる。ノアとリリーは麺を苦労しながら食べてる。まだ熱いのか、ふーふーしてる姿が微笑ましい。
「ラーメンはすすって食べたほうが美味しいですよ」
ずずーって食べる。やっぱり美味しい。久しぶりのラーメンはインスタントのカップ麺だったけど、懐かしい味で美味しかった。
箸の使い方はみんな上手だけど、ラーメンの食べ方はまだまだだった。




