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22 イルディア国フォーサイス



イルディア国フォーサイスに連れてこられて10日ほどになる。のどかな街でとても気に入った。

タケル様に紹介されたルドリアさんは元貴族で今はタケル様の代理をさせられてる人。私たちのことを託された時、呆然としていた。タケル様はルドリアさんに私達を預けるとどこかへ消えてしまって今だに帰ってこない。


「いつものことです」


ルドリアさんは諦めたようにため息をつくと私たち2人の部屋を用意してくれた。侍女もつけようとしてくれたが、マリーが私の仕事ですと言って譲らなかった。だが結局、下働きとしてマリーの下に2人付いている。そんなに要らないと思うんだけど、彼女たちの為にも使ってくれと頼まれて断れなかったそうだ。なんの事か分からなかったのでマリーに尋ねると、女の就職率が悪く、断ると彼女たちはまた働く場所を探さないといけないらしい。


「王都に行けば仕事はあるみたいですが、この街に親兄弟が居るから離れたくないと言われて断れませんでした」


マリーが申し訳なさそうに言う。


「ふふ、マリーは優しいですね」


2人の名前はノアとリリー。二人とも青い瞳と黒髪で、初め見た時は驚いた。


「黒髪って珍しいのかと思ってた」


私は王宮から出た時はいつもフードで髪を隠してた。珍しいからだとサイラス様は言ってた。


「この国には多いと聞いてます。それでも黒髪に黒い瞳はあまりいないでしょう」


マリーが答えてくれる。でも疑問は残る。


「どうしてベリートリア国には少ないの?」


マリーは言いにくそうに口ごもる。


「それは今度サイラス様にお尋ねください。私からは言えません」


どうやら教えてくれそうにない。そういえば昔、サイラス様に尋ねたような気がする。答えがわからないという事はうまく誤魔化されたのでしょう。


「それよりカホ様は今日のお昼は要らないと言われたそうですが、ダイエットでも始めるのですか?」


「え? それはダイエットが必要だってマリーは言いたいの?」


聞き捨てならない台詞です。


「そういう事ではありません。ただ昼食を抜くのが初めてだったので、健康な女性が食事を抜くのはダイエットが多いと聞いたから伺ったのです」


「それならいいけど.....。もし私にダイエットが必要だと思ったら絶対に言ってよ。隠し事は駄目ですよ」


私が真剣に頼むとマリーは笑って了承してくれた。

昼食を要らないと言った理由を言うとマリーにそれは準備が必要なので明日にしましょうと困ったように言われた。


え?じゃあ今日のお昼はどうなるの?








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