19 話し合い2
「あのカホ様、聞きたいことがあります」
「なんでしょう?」
しばらく二人とも考え込んでたため気づかなかったが大分時間が経ったように思う。もう部屋に戻ったほうがいいのではないかしら。
「あの....こういう事聞くのも失礼かと思うのですが...なぜ、カホ様は家出されたんですか? 」
「何故ってサイラス様の結婚が理由よ」
「サイラス様の結婚ですか?」
マリーは首を傾げてる。
「それは王様だから結婚するのは当たり前だけど、私みたいなのがいたら相手に失礼でしょう? 結婚してからだったらあれだけど、結婚する前からってないと思うの」
「それはどういうことだ?」
突然後ろから声がしてびっくりです。タケル様が帰ってきたようです。
「そのままの意味です」
タケル様もマリーも不思議そうな表情です。
「カホ様、家出する前にサイラス様と話したと思うのですがどういう内容だったか聞いてもいいですか?」
それは正直あまり話したくない。でもマリーは真剣な表情だ。タケル様も頷いている。
「えーと。嫁をもらうことにしたって言われて私に部屋を替わるようにって......」
私が仕方なくボソボソと話すと二人とも驚いたように
「「それだけ?」」
と聞いてきます。他に何かあったかしら? あったら覚えてると思うけど。
「ああ、そういえば私の年齢のことも言ってたような気がする。それと嫁をとるがいいかって聞かれたから、いいわって答えたわ。衣装のことも心配するなって言われたかな?」
タケル様もマリーも頭を抱えてます。
「ヘタレだ」
「そうですね。サイラス様の言ってた事と話が全然違います」
二人とも何を言ってるんですかね? さっぱりです。
「まあ、ヘタレの事はどうでもいい。これからどうするかだ。取り敢えず落ち着くまでは俺の領地にいたほうがいい。ここは相手にばれてるからまた襲われる危険がある」
「まだ狙われますか?」
「首謀者がわかってないから狙われると考えたほうがいい」
仕方ないですね。また狙われるのは怖いです。マリーもいるんだし我儘言えないよ。
「タケル様、カホ様はマジックショップナナミに行きたがってたのですが無理でしょうか?」
マリーが尋ねてくれてる。さすがマリー、侍女の鑑だよ。
「あー。さすがに行きたい気持ちもわかるから反対できないな。明日はマジックショップナナミに行ってから俺の領地に行くとしよう」
どうやらマリーのおかげでマジックショップナナミに行けるみたい。いったいどんな店なんでしょう? 楽しみですね。




