表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/58

10 セルビアナ国ウータイ



船の旅は思ってたよりは快適でした。服を着替えると私たちに対する冷たい視線もなくなり、従業員の態度も全然違うものになったのです。


「カホ様。もうすぐウータイにつきますよ」


「もう様付けはやめてって言ってるのに......マリーも頑固よね」


「これはもう癖みたいなものだから治りませんよ。侍女役は目立つので友人同士で旅をしてる感じでいきましょう」


「だったらやっぱり様は変だと思うわ」


「そうですね。人がいるときはさん付けにしてみます」


それなら人がいない時も変えたほうが慣れると思うけどね。本当に頑固なんだから。


マリーとメリーとは城で家庭教師に勉強を習い始めた時からの付き合いです。1人で勉強するのは嫌だなぁ。日本だったら学友が沢山いたのにと言って愚図る私の為にサイラス様が用意してくれた学友なのです。だから2人とはタメ口で話すほど仲が良かったのにいつの間にか侍女になっていて、その途端他人行儀になって寂しかったのです。友達として用意されたクリスティーナ様とはマリーやメリーほどには打ち解ける事が出来なかった。この世界で初めてできた友達は何者にも代えられないのです。



「わー。ここがウータイなのね。活気のある街ね」


「迷子にならないでくださいよ」


キョロキョロしてる私を不安げに見てます。いくら何でもこの歳で迷子にはならないですよ。


「大丈夫よ。心配性ねマリーは」


私が笑って言うとやれやれという感じでため息をついてます。


「はじめに宿を探しましょう」


本当にマリーが一緒にいてくれて良かった。私1人だったら、ここに無事につけたかわからない。


「行きますよ」


動かない私に再度声をかけてきます。


「そうね。早く宿をとらないとウータイ焼きに辿り着けないものね」


サイラス様のいない街。ここで暮らすことになるのだろうか?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ