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お色気公共事業

 貨幣の単位は「エン」にする事にした。


 硬貨も紙幣も分類は一緒で、発音それにした方がわかりやすくていいと思った。


 おれは舘の前の地面に1エン硬貨と1000エン紙幣を並べた。


「リーシャ」


「はい」


 赤い宝石に触れ、リーシャを取り込んで炎のエターナルスレイブ改にした。


 魔力を込めて……振り下ろす!

 炎の刀身が硬貨と紙幣を焼く。


 お金が燃え上がった――かのように見えたが、それは魔力による炎だった。


 炎が消えたあと、1エン硬貨も1000エン紙幣も、全くの無傷のままそこにあった。


 硬貨と紙幣を拾い上げる。


 硬貨を曲げてみようとする。紙幣を破いてみようとする。


 曲がらないのはもちろん、材質が紙の1000エン札も破けなかった。


「メニューオープン」


 今度はDORECAをもちだして、「解体」を選んだ。


 硬貨と紙幣を両方を魔力で破壊した。


 色々やって、いくつかわかった。


 DORECAの魔法で作ったお金は多分物理的に破壊できない、破壊するには同じDORECAの能力が必要だ。


 それも、結構な魔力がいる。


 つまりこのお金は偽造ができない上に、破壊もかなり難しいって事になる。


「今までで一番反則だよなあ、これ」


 われながら、しみじみとつぶやく程の代物だった。


     ☆


「ご主人様、今日は何から作りましょうか」


 次の日の朝、リーシャがいつも通りに聞いてきた。


 なじみの台詞、これを聞くと色々やる気が出る。


 その横にミラもユーリアも立っている。奴隷三人勢揃いだ。


「娯楽的な何かを作りたい」


「娯楽ですか?」


 リーシャが首をかしげる。


「ああ、衣・食・住、どれもそれなりにどうにかなってる」


 そういって窓の外を見た。


 窓からもいくつか魔法陣が見える、町の住民の生活を改善するための魔法陣だ。


 住む家だったり、家具だったり、服だったり、食料だったり。


 DORECAで出した魔法陣に、町の人が素材を集めて作ってる。


 ちなみにプシニーとか、町の共有財産になるものの素材を集める住人には新しい貨幣で給料を払ってる。


 ユーリアが提案した、公共事業みたいなものだ。


 それで貨幣を少しずつばらまいていこうって事になった。


「そろそろ、娯楽になるような何かを作ろうかなって思ってる」


「さすがご主人様です」


「どんな娯楽を作るんですか?」


 ミラが聞く、目がワクワクしてる。


 三人の奴隷の中で、一番性格的に娯楽を楽しめるのがミラだからこその反応だ。


「そうだな」


 おれは少し考えた。


 いろんな物を考えつつ、なんとなく三人の奴隷をみた。


 エターナルスレイブ。


 金髪に尖った耳、そして普通の人間よりあきらかに美形な見た目。一言で言い表すのならエルフのような見た目。


 美しい三人の奴隷をみて、おれはピーンと来た。


「銭湯だ」


「「「せんとう?」」」


 声を揃える三人。何を言ってるのか、って顔をする。


 おれはメニューの中を確認した。


 銭湯そのものはないけど、組み合わせ次第でなら。


     ☆


 それは町の真ん中に出来た。


 今までで一番でっかい建物に、解禁されてたわき水(大)、そして溶岩のモンスターからとれたラーバの魂。


 それらを組み合わせて、作ったものの位置を調整して、銭湯を作った。


「どうしてこんなものを作ったんですか?」


 完成した銭湯を前にして、リーシャが不思議そうに聞いてきた。


 もちろん、それに対する答えは用意してある。


「これはものすごく重要なものだ。ある意味娯楽の施設だけど、町の衛生を保ち、病気とかを無くすためにはものすごく重要だ。風呂に入らなくて汚いままだと病気になりやすいだろ」


「はい!」


 ミラが勢いよく答えた。


「だからこういうのは必要なんだ」


「なるほど」


 こんどはユーリアが頷く。


 他の二人も納得した。


 まあ、それは本当のことだ。


 現実世界でも、かつてのローマは全部の町にすくなくとも一つは公共浴場を作っていた。


 それだけ重要な物なのは間違いない。


「さすがご主人様です!」


「領主様としてみんなのことを考えてるんですね!」


「町が栄える未来がみえる」


 三人がそれぞれ言った。


 全員が感心している。


 感心されるのはいいけど、今回これを作ったのはもう一つ理由がある。


「リーシャ、ミラ、ユーリア――脱げ」


「「「え?」」」


 三人が声を揃えた驚く。


「ぬ、脱ぐんですか?」


「ご主人様の命令ならしますけど」


「どうして?」


 疑問を呈する三人、それに対するいいわけも当然用意してある。


「これを町のみんなに使わせる前にテストしなきゃならん。もちろんテストは町の住民じゃだめで、おれでもだめだ。ならあとは奴隷のお前達しかいないだろ?」


 三人は口を揃えて「あ」と言った。


「それとも、ご主人様のおれがやるべきなのか?」


 聞くと、三人は大声をだした。


「とんでもありません!」


「人体実験は奴隷の仕事です!」


「わたしたちが、やる」


 三人はそう言って、同時に服を脱ぎだした。


 おれが作った光のドレスを脱ぎ捨てて、湯船に向かっていく。


 ――魔力が3,000チャージされました。


 ――魔力が7,000チャージされました。


 多分リーシャとミラの分の魔力がチャージされたけど、それはどうでもいい。


 おれは誰も入って来れないように丁寧に出口を塞ぎつつ、エルフの見た目の、三人の素晴しい体を目で堪能した。


 三人の白い肌はとても素晴しかった!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 正直、一円とか五円とか要らないんだけどな。 ソレが使われるようになったのは消費税が導入されてからだぞ。 国がしっかり利益をだして運営、資金繰りできれば無用なんだよ細かい金なんて。
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