第9話-1発必中-
「とりあえずっ……メイド服の奴から倒すぞ!」
「いや、弓から倒したほうが楽じゃね?」
2人の男性の服装は皮服、それこそ一般人にも見えるような服
長袖の茶色の服で特に何かありそうには見えない
そんな2人の男性が話ながらリノエの方向へ走るが意見が対立している
そして結果……2人共、別々の人を狙う事になった
「……私に1人ですか」
「へっ、メイド服の女なんてただの護衛だろ?」
リノエとロングソードを両手に2本持った男性は距離を取りながら会話をし
男性がリノエへと走り込み、距離を詰めた時……リノエは男性の顔めがけ
盾を当てに行く
その行動は男性に予測できる行動ではなく、少し対応が遅れ
盾を顔面に直撃すると、走り込んだ反動で後ろへ吹き飛ばされる
「あなたはそこで寝ててください」
リノエは吹き飛ばされた男性にそう言うと……一気に走り出し
雅の元へ、急ごうとしたその時
「チッ……近寄れねぇ……下手に動いたら矢が当たる」
それは先程リノエの横を通りすぎ雅の方へ行った男性
その男性がリノエのすぐ真後ろまで下がっていた
しかもリノエに気づいていない
『……まったく、本番に強い子でしたか』
リノエはそういうとロングソードを構え、その男性の背中を斬る
しかし、切り傷は浅く、致命傷には至らなかった
「おっと……服の下に鉄板いれておいてよかったぜ」
切れた服のしたから鉄の鎧、しかしそれは中古のような傷がついていて
腕部分までは防げない、体だけを覆うような鎧
「背中ががら空きだぜ?」
もう1人の男性が起き上がり、リノエの後ろまで距離を詰め
リノエの背中めがけロングソード2本でクロス状に斬ろうとした時
男性の武器を持った武器2本を矢で吹き飛ばす
「な……なんで……? あの距離から当てて……くるん……だ?」
その男性は吹き飛ばされた武器を見ながら動揺している中
矢が飛んできた方向を見ると、そこには矢を放った後のように
弓を片手で持っている雅が見えたと言う
その光景を観客席で見ていたクラウは微笑みながら、その広場を見ている
『……ほぅ、さすが俺が見込んだ子だ、一発で相手の頭を打ちぬくとは
占いの婆さんが言った事は間違いなかったんだ……』
そう、クラウが雅の事を知っていたような事を言っていたのは
事前に占いの婆さんにお金を払い、占って貰った結果……
『異界から来る黒髪の子』と言われた、そうそれだけを目的にリノエに頼んだ
なのでクラウ自身は雅の事をちゃんと知っている訳ではなくのは秘密である
「おいおい……矢ってのはゆっくり飛ぶ物で、命中が悪いはずじゃ……」
もう1人の男性が動揺している隙を付き、リノエはその男性の腹を2回切る
しかし、相手の男性は微笑み、リノエを挑発しながら切りかかろうとした直後
男性の服と鎧が破れ、裸になる
それをリノエは見ることなく、後ろを振り向いている
「裸でも武器があるんだぜ?!」
「やめておきなさい……」
リノエが裸で切りかかろうとした男性のほうを見ることなくそういった直後
その男性の背中に矢が刺さる、それを背中の中心をうまく狙うように……
「……まじかよ」
当たりどころが悪かったのか、その男性は片膝を付き、その場にしゃがみ込む
それを横目で少し見たリノエはあることに気づく
『……弓の技量は元々あった? なら、今この男性が片膝を付いたのは
もしかして雅に何か魔法でも……』
そのリノエが思った直後、フードの男性がその場に現れ、大声で言う
「勝負ありっ! これ以上の戦闘を停止されたし」




