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始まりの異世界  作者: てぃあべる
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第63話-世界は狭い-

そして……しばらく待った頃

お店の主人である女性が平たいお皿に料理を乗せ雅とリーナの前に置き笑顔で言う


「おまたせしました、ヤキソバ2つね」


雅が目の前に出された料理に眼をやると

そこには……自分の世界と同じ『ヤキソバ』が目の前にあった

もちろん……似たような素材とソースなのだろうけど

それは雅に取って自分の世界と同じ食べ物に見えた


「はい、お箸ね」


女性は割り箸ではなく、洗って使い回せる黒い箸を2人に渡し

それを2人は受け取り、雅は食べ物に箸をつけ、食べ始める

その光景を横で不安そうに見ているリーナは心配そうに雅に言う


「美味しい?」


「はいっ、とっても」


すると雅は満面の笑顔をリーナに見えるとリーナはそれに頷き一口食べる


「美味しい……」


「そう? よかった」


店の女性は笑顔で洗い終わった皿などを片付けながらリーナの声に答える


『……でもこれ、たしかにヤキソバかも……

 キャベツ? お肉……麺も細いし……』


雅はそう思いながら食べ続け……お皿を空にすると店の女性に話かける


「あ、あの……この料理をどこで知ったんですか?」


「え? えっと……けっこう前に上の街に行った人に教えて貰ったのよ

 その人、家の店で居候してたから……いろいろ聴けてね」


「そうなんですか……」


「もしかしてあなたが知ってる料理だったとか?」


「あ、はい……」


「そうなんだ、じゃあもしかしてその人の名前知ってるかもね」


「もしよければ聴いてもいいですか?」


「ええ、たしか『ハヤセ ユウ』君って名前なの男の子よ」


「早瀬さん……ですか」


「あら、知り合いじゃなかったみたいね、似たような年齢だと思ったから

 お姉さんてっきり知り合いかと思ったのよ」


「あ、いえ……もし、合ったら伝えておきます」


「あなたも『ツヴァイ・ユニット・バトル』を?」


「はい」


「そう、頑張ってね」


女性はそう言うと止めていた手をまた動かしだし片づけを追えると

雅とリーナにだした水の入ったコップに水を足す


「ありがとうございます」


「いいえ」


その後、女性は食べ終わった2人を急かさずまた別の片づけを始める

その光景にリーナは不思議に思ったのか雅に耳打ちする


「あんなに片付ける物あるのね」


「え?」


「だって……客、私達だけなのに」


「お昼過ぎてますし……お昼いっぱい来たんじゃないですか?」


「そうなのかしら?」


そこまでリーナが雅に話かけた時、店の女性はリーナに話かける


「ええ、このお店は意外と込むのよ、珍しい料理があるお店だって

 それに……少しばかり人気もあるのよ」


「そうなんですか……」


リーナは女性の言葉に頷きながら水を一口飲む

しかし……リーナは眼を女性を睨むような眼をしていた


『何……今の聴こえたの? たしかに2人しかいないけど

 少し離れてるし……雅と私の声は2人だけしか聴こえないはず』


「ふふ、お店が狭いから聴こえるようになっちゃったのよ、ごめんなさいね」


「え?! いえ……」


リーナは驚いた、まるで自分の考えが読まれてるように女性は笑顔で

リーナに言うと、話を続けるようにリーナに話かける


「それに、そんなに殺気を込められちゃうとお姉さん、片付けしずらいから」


「……」


「あら? なんでわかるって顔をしてるのね」


雅はただリーナと店の女性2人の顔を心配そうに見ている

その横でリーナは女性の言葉に言い返す事なく、ただ目を見ている


「……簡単な事よ、相手の顔を見ていれば見えちゃうのよ

 こういうお仕事をしていると尚更にね」


「見える……ですか?」


雅は2人のやり取りを心配し、女性の言葉に割って入ると

女性は笑顔で雅の質問に答える


「そう、人は言葉にださなくても顔に出すのよ

 もちろん……感情が表にでてる子もいるけどね……ただ」


「ただ?」


「こっちの子じゃなくて、弓を持ったあなたの感情だけ

 なんでか読みずらいのよ、なんでかしらね」


「……魔法を使ってるわけではないんですよね?」


「ええ、もちろん……私は魔法は使えないわよ」


そこまで、話をした直後、リーナは立ち上がり……女性に言う


「ねぇ、料理の値段はいくら?」


「え、あ……えっと、2人合わせて20ベルよ」


「ごちそうさま、美味しかった」


「そう? また来てね」


リーナはそういうと店の外に出る、それに続くように雅も立ち上がり

店の外に歩いていると……後ろから女性に話かけられる


「……頑張ってね、私も『見ている』から」


「……? はい、頑張ります」


雅は女性の顔を見、首を傾げると……笑顔で答え店の外に出る

すると女性は片づけをしていた棚から大きい水晶玉のような物を両手で持ち

1人事のように呟く


「……あの子がクラウヴィス・ストラが呼んだ子なのね

 うん、良い子だと思う、頑張ってね……九重雅ちゃん」


雅達が座った奥ではなく手前にテーブルに

前に配られた雅の記事がのっているチラシが置いてある

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