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始まりの異世界  作者: てぃあべる
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第60話-かく乱-

気配に気づいた雅なのだが……1つ問題があった

それは右手に持っている短剣『スペル・エッジ』のこと

理由は簡単だ


『リノエも雅も短剣の事を忘れていた』


それだけで理由は十分だった

弓と矢筒を付ける事ばかり考えてたせいで短剣を納める場所がない

バンドなりを腰に付けてそこに固定すればいいのだが

今それを持っている物はいない


『……大事な物なのに……忘れてごめんなさい』


雅は右手で持っていた短剣を大事そうに抱きしめ、一度後ろを振り向く

しかし、先程の気配らしき物を感じとれなくなった雅は前を向き歩き出す


だが……雅の後方の建物に隙間に隠れるように私服の人物達が2人いた


「あぶないあぶない、危うくばれるかと思った」


1人はセミロングで茶色の髪の女性

その女性と一緒に隠れているもう1人は黒い髪でショートカットの男性


「……まさか目標が振り向くとはな」


「……でもさ、どうしてクラウじゃなくてあの子なわけ?」


「知らん、依頼をだした奴に聴いてくれ」


「依頼ねぇ……たしかにかなりの額のお金を前金でくれたから

 情報屋の端くれとか雇えたけど、見事に潰されてるし」


「……だが、本当の依頼は『雅と言う女を誘拐しろ』

 何か理由があるかはわからんがな」


「……ツヴァイ・ユニット・バトルで強いからじゃない?」


「そうなのか?」


「私も知らないわよ、そもそも依頼対象がツヴァイ・ユニット・バトル

 に参加してるなんて今の今まで知らなかったんだから……」


「じゃあどうして強いと?」


「誘拐しろと言うぐらいだしね、っと……目標が逃げるわよ」


「ああ、了解」


2人の男女は雅達の後ろをばれないように歩いていく

もちろん、私服姿なので怪しまれる事はないのだが

その気配に気づいているのは雅だけではなかった


「なぁ、後ろから付いて来てる奴らがいるな」


「ええ、そうですね」


クラウは歩く速度をリノエに合わせ、リノエの隣に行くと小さな声で話す

それを聴き流す形で歩きながらリノエはそれに答え、リーナに言う


「リーナ、1つお願いが」


「りょうかい」


「……私は何も言ってないんですが」


「雅を守って欲しいでしょ? わかってる」


「……お願いします」


そうリノエは言うとクラウと2人、後ろを振り向き元来た道を戻りだす

それに疑問を感じた雅は2人に話かけるとクラウがそれに答える


「クラウさんとリノエさん、どこに?」


「ちょっと2人で『雑用』をしに」


「それなら私もお手伝いを」


「大丈夫ですよ、簡単な内容です

 なので、先にリーナと一緒にお昼を食べててください」


「だ……そうだから、雅行こう」


リーナは雅の手を取り歩き出す

それを見送った後、クラウは小さな声でリノエに言う


「……多分だが『あいつら』だよな」


「ええ、そうですね」


「こっちから向かうと逃げられるから、ここは1つ」


「……しかたないですね」


クラウはリノエの手を握ると、笑顔でリノエに話かける


「さて、2人でどこに行くか……」


「私はどこでもいいですよ、クラウの好きな所に」


「やっと2人きりになったのに……もっとこうなぁ」


「……じゃあアクセサリ店でも行きましょうか」


「ああ、そうしよう」


その光景を遠くから見ていた2人はヒソヒソと話をする


「うそ……あの服の人、クラウの彼女だったの?」


「みたいだな……だが、目標を見失うぞ?」


「……それよりあの2人の情報が売れると思うんだけど」


「お前は金が儲かりそうな方にすぐ転がるな」


「もっちろん!」


そんな話をしているとクラウとリノエが2人に近寄る

そしてクラウは女性の方に話かける


「っとごめん、そこ通っていいかな?」


「あ、はい……すみません」


「すみません、通らせてもらいます」


リノエは女性と男性に軽く会釈をし通り過ぎ

クラウに話かける


「わざわざ人がいる所を通らなくても……」


「速く2人で行きたかっただ」


「……もぅ」


通り過ぎたクラウとリノエを見ながら女性は男性に話かける


「決めた、向こうを追いかける」


「おい、雅の方はいいのか?」


「だってそっちは期限ないし」


「どっちもないと思うが……」


「こっちのほうが高そうなんだもん」


「わかった、わかった……」


女性と男性はクラウとリノエの後を追う

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