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始まりの異世界  作者: てぃあべる
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第58話-リーナの思い-

「さてさて……始めようか……」


クラウはリーナを横目で見ながら拳を構える

しかし……クラウは腰にあるロングソードを抜こうとしない


「へっ……武器なしで俺らに勝てるかっての」


フードの被った男らしい人物はナイフを右手で持ち

クラウに向かって走る


『……こいつら素人か?』


クラウはそう思いながらも、走ってきた男の右腕を右手で掴むと

それに気を取られた男の隙を付き、左手の拳を相手の腹めがけて殴る

それは男性の腹に直撃し、男はくの字に体を歪ませるとその場で力なく倒れる


「……」


「……」


その後、クラウはもう1人のフードの人物と睨み合う

その時クラウは何かを察したように思う


『……こいつ、今の雑魚とは違う?』


そう思った瞬間にクラウの右頬に薄くかすり傷が付く

それに気づいたクラウが横目で後ろを見るが……後ろに何も落ちていない

それにいち早く気づいたのはリーナ、遠くから見ていたからなのか

『その』正体に気づいた


『なるほど……あれは糸にくくり付けてナイフを投げたのね

 でも……あのナイフ捌き、さっきの奴らと違う』


クラウは今だにその正体に気づかず、その場に立っていると

今度はクラウの左頬に薄くかすり傷が付く

それを見たフードの相手は微笑んでいるように見える


しかし……そのフードの人物の優勢はすぐに終わりを迎える

クラウは投げてくる『何か』に興味すら感じず、一目散にフードの人物めがけ走る

それに対抗する形でフードの人物は後ろにバックステップし距離を空ける

しかし、その距離よりもクラウの方が速い

フードの人物が後ろに着地した瞬間にはもう……クラウは着地地点にいた


「残念だったな」


クラウの言葉と同時にフードの人物の顔をクラウは殴る

腹ではなく顔を殴った理由はリーナには分からないが

リーナはクラウの傍まで考え事をしながら歩く


『……まぁ、あのナイフ投げは味方がいたのなら強かったわよね

 しかし……クラウはどうして顔を殴ったのかしら……』


リーナはクラウの隣に行くとクラウは殴ったフードの人物のフードを取る

すると……その顔に気づいたのはリーナである


「この人……」


「知ってる人か?」


「え、ええ……情報屋の仕事でね」


「なるほど……」


クラウはそういうとその場を後にするために歩き、宿屋の前に戻る

それに付いて行き、リーナは疑問に思った事をクラウに聴く


「ねぇ……何か私に言う事があるんじゃないの?」


「ん? 誰にだって1つや2つ……聞かれたくない事があるだろ」


「それはそうだけど……」


「まぁ、所詮路上強盗は……よくある話だからな」


クラウはそう言うと両手を頭の後ろで組み、笑顔でリーナに言う

その行動を見てリーナは少し微笑むと『ある』事を決める


「よし、これから先はクラウ達に付いていく

 迷惑かけるかもしれないけどよろしくね」


「……ん? 元々付いて来る気満々だったろ

 誰も何も言わないし、雅ちゃんはリーナを気にいってるみたいだから

 俺は問題ないさ、後は……リノエの許可を貰ってくれ」


「わかった」


リーナはそういうとクラウの隣で両手を後ろで組み、笑顔を言う

それを見ながらクラウは腕を組み思う


『遅い』

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