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始まりの異世界  作者: てぃあべる
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第6話-クラウヴィス・ストラ-

「俺の名前は『クラウヴィス・ストラ』、クラウと呼んでくれ」


その差し出された手を少し警戒した雅だが、左手で握手に応じる

するとクラウと呼ばれた男性は笑顔で雅に言う


「よければ君の名前を教えて貰えないかい?」


「あっ……はい、私の名前は九重雅です、よろしくお願いします」


「ああ、こちらこそ、よろしく頼む」


「あ……あの、クラウさん、リノエさんのご主人様ってどういう事なんですか?」


「それは、この子、リノエは俺が雇っているメイドさんなんだ

 ちょっと手が離せなくて、変わりに向かいに行ってもらったんだよ」


しかし、クラウの隣にいたリノエはクラウを睨むと

クラウの右足の脛を蹴り、雅に話かける


「……この人は一応、私の雇い主です、手が離せないのは前のパートナとの

 契約を破棄してる間の期間です、ようは暇人なんですよ」


「っ……暇人って酷くないか? これでも一応、この街の上位者なんだから」


「上位者?」


雅は脛をさすりながら苦笑を浮かべているクラウに首を傾げながら話かけると

その質問に答えてくれたのはリノエ


「ええ、この人は、ランキングを後少し上がれば次の街に行けるのですが

 何を考えてか、それまでの過程をぶち壊して雅と組むらしいんです」


「え……? どういう事なんですか?」


「そういえば説明してませんでしたね」


そう言いながらリノエは両手を腰に当てると説明をし始める

隣にいたクラウは雅に笑顔を浮かべると一緒に話を聴く


「パートナとなる人にも同じようにランキングがあります

 ですが……パートナとなる人と同じランキングになるわけで

 それも『下の人』と同じランキングまで下がるのです」


「って事は……私はランキング外? なのでクラウさんもランキング外? に?」


「そうなりますね、正し規定で『上下5までなら』上位者と同じランキング

 になれますが、これを悪用する人もいると想定してる運営側は

 認定を厳しくしてるようです」


「……じゃあ、私と組むメリットなんてクラウさんにはないんじゃ……」


「ええ、だから馬鹿なんですよ、この男は」


リノエは睨むようにクラウを見るが、クラウはニヤケ顔を浮かべながら

右手を頭の裏に回し笑っている、それに疑問を感じて、雅は質問する


「どうして私と……?」


「ん? それは感かな、俺の感が『君が良い』と告げているんだよ」


「嘘つけ……私を向こうに送り飛ばした時の条件は

 『黒髪で可愛い子』で『資格』に該当すればいいとか言ってましたよね」


「いやいや、そんな事はない、あの紙を運営側に作ってもらう時に

 ちゃんと『特定の人間』に該当するように頼んでおいたんだ」


「……なんて言ったんですか?」


「え? それは……黒髪でロングで遠距離武器が得意そうな子」


「随分とピンポイントですね、それもツヴァイ・バトルに不人気の遠距離」


リノエはクラウと話をしてる最中の眼は睨むというより呆れている感じなのだが

どこか『楽しそう』に話をしている


「まぁ、細かい事はおいて、雅ちゃん」


「え? はい」


「一応、今回はこのリノエと一度バトルに参加してみてくれ」


クラウはそう言いながらリノエの頭に手を置くとリノエは嫌そうにその手を払い

髪を両手で整えると、雅に話かける


「契約を結んでそうそうに破棄はさすがにまずいんですよ

 それに……一度結ばないと、この中には入れませんしね

 どうせ、この人はそこまで考えてなかったんでしょうけど」


「はは……面目ない、でも一度ぐらいやれば相性が悪かったという理由もできる

 それに……一度契約を破棄すれば、3日ぐらいは再契約はできない

 その間にいろいろ雅ちゃんに教えられるしね」


「……まぁ、いいです、雅、準備はいいですか?」


「よくないです」


雅は真面目な顔でそういうと何故か2人共頷き、歩いていく

雅はそれに疑問を感じながら付いていくと……そこは観客席の一番前


「見てもいないのに準備が言い訳ないですよね、とりあえずどんな物か

 見学してみましょう」


「そうそう……お兄さんの膝の上にでも座ってさ」


クラウは観客席の空いている席に腰かけると、膝を叩きながら雅にそういうが

それを聴いたリノエはクラウの頭を掌で叩きながら言う


「……あなたは少しは遠慮しなさい」


それを見た雅は周りの目線を気にせずクラウに近寄り膝の上に座る

それを見た2人は驚いた顔をし、リノエは呆れ顔で首を振り

クラウは嬉しそうな顔を浮かべる


クラウの身長は175cm、髪はロングの金髪、鎧は上下、銀色

腰にロングソードを1本鞘に入れている


雅がどうして膝の上に座ったのか……それは雅の内心だけが知っている


『……かっこいいとかは置いといて、この人がどんな人か知りたい

 それに……少しは……仲良くしないと困りそう……』


雅自身は大人しく引っ込み思案、それを理解できれば仲良くできるのだが

その性格にイラつきを覚える人間はまず、仲良くなれない

雅自身はそれをよーく理解しているため、相手が自分に怒るタイプなのか

それとも、怒らないタイプなのか確かめる所から始める


雅が初めにクラウに感じたのは『優しそうなお兄さん』次に膝の上に進めた

と言うことは、雅と仲良くしたいのか、それとも『女性』と仲良くしたいのか

後者ならばリノエ1人で十分、それならば前者と言うことになる


そこまで考え、雅はクラウの膝の上に座ったのだが……

2人がそこまで雅を理解しているわけなく、リノエは座りながら膝の上に肘を置くと

雅を見ながら、呆れ顔で言う


「あんまりその人の言う事を聴くとろくな事ないですよ……

 周りをよく見たほうがいいと思います」


クラウの嬉しそうな顔を余所に雅は周りを見ると、男性、女性ともに

クラウを見ながらヒソヒソ話をしており、その声が雅にも聴こえる


「おい、あれクラウじゃないか? どうしてまだここにいんだよ」


「どうせ前のパートナに切られたんだろ? で次は膝の上のガキと」


「でもさ、クラウって強くなかった?」


「強いかもしれないけど……男の敵だからな、アイツは」


そんな言葉を余所にクラウは微笑みながら広場の戦いを見ている

雅はクラウと言う男性がよくわからず、広場の戦いに集中することにした

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