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始まりの異世界  作者: てぃあべる
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第53話-1人の語り草-4

私は姿を消す……

その光景に観客が驚く事はない、そう……誰から見ても『つまらない魔法』だから

それでも私は、この能力を使い目の前のリノエに挑む


しかし……私の魔法を見てもリノエは両腕を組み、つまらなそう顔で

私のいた場所を見ながら独り言を言う


「……なるほど、それで『俊隠』ですか、実に……」


その後の言葉をリノエは話さず、鼻で私を笑うような仕草を取る

私はそれにイラつく事なく、リノエの後ろに走る


数秒……実際の時間なんて調べた事ない

30秒、60秒……それとも、もっと長い? そんなのは知った事ではない

この魔法は何度でも使えるが、1回使えば大抵の人にばれてしまう

だから1戦に一度切りの魔法


『……悪いけど』


私のリノエの背後から隠しもっていたナイフを

リノエの背中めがけ、両手で持ち突き刺す

しかし……リノエは見えないはずの私の両腕を掴み、攻撃を止める


「まったく……そんな良い魔法があるのに、とうの本人は

 それを理解できず……本当にもったいない」


「っ……」


私はリノエを睨むがリノエは私に呆れたような表情を浮かべ

一瞬、私から両手を離すとその場で素早く一回転しながら私に回し蹴りを放つ

その蹴りが私の胸辺りを直撃し……私は吹き飛ばされる


「助けにいかなくていいのかい?」


「へっ……あの程度でやられるようなら俺のパートナーには合わなかっただけだ」


「そうかい……」


クラウはリーナが吹き飛ばされるのを見ながら目の前のエイナスに言うと

エイナスはリーナの方を見ず、大剣を構え直しながらクラウに言う

それはクラウにとって『過去』を思いだすような光景である


『こいつも彼奴と同じか……自分が強いから、他はどうでもいい』


「考え事をしてんじゃねぇ!」


エイナスはクラウに向け、大剣を振り下ろす

それをクラウは横にかわすと

エイナスはそれをわかっていたような笑みを浮かべ、大剣を横に払う


「ちっ」


クラウはロングソードでエイナスの攻撃を受け止めるが

その威力から後ろに吹き飛ばされ、地面を擦りながらも耐えた場所は

リノエの目の前である


「よっ……」


「何してるんですか、あなたの相手は向こうですよ?」


「知ってるよ……でもちょっと手が痺れてな、少し変わってくれ」


「……はぁ、実に頼りがいのないパートナーですね」


そういいながらもリノエは一瞬でエイナスの目の前に現れる

それを見たエイナスは嬉しそうにリノエに言う


「……縮地か、お前さんはどれだけ俺を楽しませてくれるのか実に楽しみだ……」


『縮地』

ただ、高速で地面すれすれを飛び、着地と同時に地面を蹴り、それを繰り返す

それだけなら簡単に見えるのだが……それを実際にやろうとすると

簡単にはできず、鍛錬に鍛錬を重ねそれに飽きず

只管に鍛錬を重ねた者こそが辿りつく1つの集大成ともいえる技の1つ


「別にあなたを楽しませる必要はありませんが……」


「へっ……その前によ、お前さん、どんな魔法を使っている?

 俺は『力の増加』だ、お前さんのも教えてくれよ」


「……私は魔法を使いませんよ」


「あん?」


エイナスのリノエのその言葉にイラついた顔でそう答える

それはリノエがふざけたのか、それとも舐めているのか

そのどちらかにエイナスは捉えてしまった


「……まぁ、いい、ならお前の魔法を引き出すまでだ!」


エイナスは大剣をリノエに向け、叩き下ろす

しかし、リノエはその大剣を避けず、右手1本で受け止める


「……ふん、やっぱり魔法を使ってんじゃねぇか」


「だから使ってませんって……あなたの馬鹿みたいな振り方じゃ

 剣に力が込められてないんですよ、剣に遊ばれてるだけ」


「あんだとぉ……!」


しかし、エイナスはリノエから剣を引きはがそうとするが

その剣がリノエの持っている手から離れる事はない


「所詮……そう所詮、魔法に頼った力

 それに溺れ、慢心した結果が……こんな雑魚を生む」


クラウは手の痺れたまま、リノエを見ている

その光景は……本当の強さを自分に見えてくれてるように見えた

そう、クラウが思った時……クラウの横からリーナが現れる


それはリノエに吹き飛ばされたリーナが起き上がり、クラウの視線が

リノエの方へ向いている一瞬、魔法を使い……距離を詰めた


「もらった!」

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