表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始まりの異世界  作者: てぃあべる
54/70

第52話-1人の語り草-3

「で、エイナス……作戦はあるの?」


私達は闘技場に入り、お互いが入る西口と東口に別れ

私達は東口に向かう、その道中で私は隣を歩いているエイナスに話かける

しかし、エイナスはイラついているのか怒った表情をしたまま歩いている

私はそれに呆れ顔でエイナスの肘を右手でノックするとエイナスはこちらを向く


「……作戦はあるの?」


「そんなもん決まっている、いつも通り突撃だ」


「はいはい……そうだったわね」


そう、こいつ……エイナスと言う人は作戦も何もなしでとりあえず

相手に飛び込む猪のような人、それに合わせる私の身にもなってほしいが

なってくれる訳もない……


私が使う武器は折りたたみ式の短いナイフ、ようは隠しナイフ

腕にバグナグを装備、殴りのように見せて斬りかかる

魔法の方は、『自己強化』の分類に入るのだろうか……

数秒、姿を隠せる能力、こんな魔法を持っているせいか

俊隠(しゅんかく)』と呼ばれるようになってしまった


「リーナは適当に相手をかく乱しろ、俺がその隙に吹き飛ばす」


「そうね、それが一番かもね」


エイナスの使う武器は大剣、そして使う魔法も私と同じなのか

『自己強化』、こちらは純粋な物で、自分の力を跳ね上げる能力

その一撃の重さで相手を粉砕する、それこそが『エイナス・ウルスタイン』


「じゃあ、それで行くぞ」


「はいはい」


そして私達は東口から闘技場の広場に入る

しかし、相手側の2人はまだ中に入ってこない


『作戦会議かしら……』


だが、実際は違っていた

リノエとクラウがパートナー契約すらしていなかったため

そこから手続きを始め……現在、準備中

クラウにもパートナーはいたのだが

リノエが横からいろいろ言った事にイラツキ、パートナー解除をされ

5日間ぐらいたった時、リーナ達が現れたと言う事になる


「……おまたせ」


「おまたせしました」


クラウとリノエは少し疲れた表情を浮かべながら広場に入ってきて

私達に謝る……私は『別にいいわよ』と答えるのだが

エイナスは舌打ちをし相手2人を煽るような態度を取る


『はぁ……エイナスはほんと短気よね……まぁ、それは良いとして

 クラウはロングソード、で……リノエは素手……?』


リノエの腕には何も装備されていない

私と同じ隠し武器持ちなのか、それすらもわからない


「エイナス……リノエには警戒して、何かあるわよ」


「へいへい」


エイナスは生返事を私に言う、明らかに目の前の人達をブッ飛ばしたい

気持ちの方が優勢されているのだろう……


『それでは、これより……ツヴァイ・ユニット・バトルを開始する!』


中央にいたフードの男性の言葉により、戦闘が開始された

その直後、私の隣のエイナスが相手2人に向かって走り出す


「さぁ! とっととかかってきな! すぐ様終わらせてやるぜ!」


それに対応するのはクラウ、大剣相手にロングソードで挑む

それを鼻で笑うかのようにエイナスはクラウに大剣を叩きつける

しかし、その一撃をクラウは横に回避し、エイナスの腕を斬る

だが、エイナスの腕には鉄のガントレットが装備されており

クラウの剣が届く事はない


「チッ」


「へ……そんなヘボ剣が俺に当たるかよ!」


その光景を見ながら私は走り、リノエの前まで来るが

リノエは両目を閉じ、腕を組み……まるで『私には関係ないわよ』

と言ったオーラてきな物をだしてるようにも見える


「ならっ」


私は拳をリノエに向け伸ばす、しかしその拳を眼を瞑ったまま

リノエは右手の掌で受け止める


「な?!」


私は驚いた、拳を受け止められた事ではなく

バグナグが付いている先端を掌で受け止めて置いて、傷1つない事

私はそれを警戒し、後ろに下がろうとした時……

私の右手のバグナグがミシミシと音を立てている事に気づき

私はバグナグを取り、後ろにバックステップした直後

私のバグナグだった物は砕かれ……地面に落ちていく


「……この程度、本当に面白くないわね」


リノエのその言葉に私は寒気を感じた

先程まではクラウの『メイド』として仕事を全うしていた

今はクラウの『パートナー』としてか、それとも『戦い』が彼女を変えている


「面白くない? じゃあ……これならどうかしら?」


私は自分自身の魔法を使い姿を消す……

それは観客から見たら、つまらない光景なのだろうけど

私には関係ない、今……観客なんて気にしたら一撃で負ける

そう私の本能が叫んでいるような気がした

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ